誰もが楽しく、失敗なく、身近な材料で作れるレシピを、九州からLINEブログで発信している家庭料理研究家・食育アドバイザーのトイロさん。平均ブログアクセス数は1日10~13万と大人気で、主婦を中心としたファンの熱い支持が伺えます。

また、人気レシピサイト“クックパッド”への投稿では、2016年4月時点で、MYフォルダ登録総数が251万7904人、ユーザーからの「作ってみたよ」という報告である“つくれぽ”は6万3829件と、こちらも影響力は大! そんなスーパーブロガーであるトイロさんの、ブログを書くようになったきっかけから日々のレシピ作り、料理にかける思いについてまで、お聞きしました。

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C)YUJI NANBA/FUSOSHA


――“トイロ”というお名前は、独身時代からの愛称だそうですね。


独身時代にグラフィックデザイナーをしていたのですが、そのときの屋号の一部を残しました。顧客のニーズにあわせた色を出すというコンセプトで、「十人十色」から来ています。気に入っていた名前なので、今でも使っているんです。



――料理はもともと、お好きだったんですか?

母の影響が強いんですけど、好きでした。私の母は、おかずだけではなくてパンやお菓子も、もう何でも作ってくれる人だったんです。しかも学校からの帰宅時間にあわせて、焼きたてを用意してくれるような……家がだんだん近づいてくると、換気扇からの匂いで「あ、パンが焼けているのかな?」とワクワクするんです。すると案の定、「おかえり~! 今、焼き立てだから食べり~」って声をかけてくれて。週末には「今日はみんなでクレープを焼こう」「スコーンを作って食べよう」とか、一緒に作って食べるという経験もたくさんさせてもらいましたね。誕生日には必ずリクエストを聞いてくれて好きなものを作ってくれたりね。本当に幸せな食の記憶がたくさんあるんです。



――それで、トイロさんも料理をするようになったんですね。

小学校高学年で、もうシフォンケーキを一人で焼くようになっていました。おばあちゃんの誕生日にプレゼントしたこともあったんですよ。おかずも簡単なものから始まり、「スープはどうやって作るの?」「ポテトサラダはどうすればおいしいの?」などと、その都度母に教えてもらって。そのうちに冷蔵庫にあるもので、お腹がすいたら雑炊を作るとか、ちょこちょこやるようになりました。母の買ってくる料理雑誌も、毎回一緒に読んでいましたし、兄妹で料理マンガを買っては回し読みしていました。『クッキングパパ』や「美味しんぼ』『味いちもんめ』……などなど(笑)



――そんな環境なら、料理への興味がどんどん大きくなるのもわかります。

高校3年生になると、飲食店でのアルバイトを始めました。カレー店、喫茶店、居酒屋、イタリアンと多種多様のお店で働かせてもらう中で、「料理っていいな」と漠然とですけど、思うようになって。でもそれを仕事にしたいとは、まさか思ってはいなかったです。どちらかというと、いろんなお店のおいしいまかないを食べることに幸せを感じていました(笑) 



――仕事にしようとは思わなかったんですね。


ずっとピアノを習っていたので、ピアノの先生か学校の音楽の先生になりたかったんです。でも家庭の事情で進学をあきらめなければいけなくなり、どうしようかなと悩んだときに、近くにグラフィックデザイン科のある専門学校ができたことを知って。高校卒業時に1人だけ進路が決まっておらず、当時の担任の先生に相談したら、その学校には入学金が免除になる特待生制度のようなものもあると教えていただき、受験することに。なんとか無事合格することができたんです。デザインはもともと興味があったし、流行を追うのも大好きだったので、バイトしながら勉強していくうちにどんどんのめり込んで、卒業後はグラフィックデザイナーの道を歩むことになったんです。



――それが、なぜ料理にシフトしたのでしょう?

就職した会社を辞めてフリーのグラフィックデザイナーをしていたとき、夕方くらいから飲食店を自分で回り、「名刺やフライヤーの仕事ください!!」と営業をする時期があって。(そういうことをしないと食べていけなかったというのが正直なところです。笑)。そこで食べさせてもらったり、話をしたりするうちに仲良くなって自然と自分に料理の知識も積み重なっていきました。その当時に出会った人は今でも付き合いのある人が多く、私の人生を大きく変えてくれたと言っても過言ではないくらい大切なひとが多いんですよ~!



――料理に縁がある!

仕事をやめて結婚してからは専業主婦になるつもりだったんですが、自営業だからやっぱり色々不安もあるし、子どもも生まれるんだから何か仕事した方がいいよね、って夫と何度か話すことがあって。とはいえ子どもを置いて仕事にいくのはちょっと抵抗があったので、家でパソコンを使って仕事ができればいいなぁと、漠然と思い始めたんです。

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ブログを始めてみたら、アッと言う間に大人気に!

――それでブログを始めたんですね。

それが2005年で、ちょうどこの少し前ぐらいからブログがはやりだした時期だったんです。私は当時、妊娠中だったので自分の妊娠・出産記録を付けて身内や友達にみてもらおうと思って、本当に日記を付けるくらいの気持ちでブログを始めました。「つわりがひどかったからこういうものを食べた」「食欲がなかったんだけど、これを作ってみたら食べられた」そういうことを書くと、少しずつ同じ境遇の読者が増えてきて、皆さんが反応してくれるようになって。「そのレシピを教えてください!」という声が寄せられるようになり、そこで初めて、自分の作ったものを知りたいと思ってくれる人がいるんだと気づかされたんです。



――お母さんになる人は、食に対して敏感になりますものね。

私は2児の母なのですが、子どもたちに食物アレルギーがあったり、食べることで苦労したので考えさせられる機会がとても多かったんです。いろんな勉強をしていく中で、「この食材はこういう風にしたらダメだったけど、別のアレンジにしたら子どもが食べてくれた」と書けば、それに対して読者の方から「どうやって作ったの?」と質問がきたり……そんなキャッチボールが始まるようになりました。自分の中に存在価値を見出せた気がしてすごくうれしかったのを覚えています。「結婚して出産して、自分はただずっと家にいるだけだったのに、そんな自分でも必要としてくれるひとがいるんだ」という感覚を持てるようになり、そこに喜びを感じて“我が家の味”を書くようになったんです。そしたら本当に、どんどん読者さんが増えて、コメントをいただけるようになって……。



――クックパッドへの投稿も、そのころに始めたんですか?

そうですね。「クックパッドはレシピだけに特化していて、便利でいい」という話を聞いて、2008年頃からブログと合わせて書くようになりました。当時は単に自分のレシピ帳として使い始めたのですが、そうしたら少しずつ“つくれぽ”が届くようになり・・・。この頃ですね、「ブログとクックパッドをしっかりがんばっていけば、もしかしたらレシピの本が出せるようになって、仕事になるかも」と夢を持つようになったのは。親友からも「努力すればきっと料理の仕事ができるようになるよ、応援しているから頑張って!」とよく励まされていました。そして2010年のある日、突然出版社の方から「本を出しませんか」という話が本当に来たんです! 



――九州在住の2児の母が、世界とつながった瞬間ですね!

正直、最初は疑ってしまいました。だまされているかもと思って、怖いなあって(笑) 「本当の話ですか? いたずらならやめてください!」と返信したら、編集部から住所や会社名・部署名の入ったお返事が来て、「これ、ホンモノだ~!!」ってやっと信じることが出来たんです。いろいろあったけどやめずに続けて来て良かったぁと思えた瞬間でしたね。 



――トイロさんはLINEブログでは常にランキング上位で、他のブロガーさんからも、お手本にされていることが多いんですよ。


うれしいです! 私は国語の点数も悪かったし、本当に文章を書くのが苦手だったんですよね。でもブログをやってきたことでずいぶん鍛えられました。勉強不足でミスをすることも何度もありましたが、指摘して頂くことは自分にとってプラスになるし、勉強になるから本当にありがたいなぁと。できるだけ同じミスはしないように気を付けようと、前よりも勉強する時間を作るようになりました。自分に足りない語彙(ごい)を学ぼうと頻繁に辞書を引くようになったり、丁寧な文章を書くようにすごく気を遣うようになりました。

それでもまだまだだな~と日々思っていますけどね(笑) 私なりに構成にもこだわって色々とアイディアを練ったりもしてるんですよ~。1回の更新で何時間もかかったり、どうかすると翌日に持ち越しちゃうこともあるくらい(笑) 要領が悪いんですが、あとから見返した時に自分も後悔しないものでありたいし、読者の方にもずっと読んでいただけるブログでありたいと思っています。そのためにこれからもずっと努力し続けなければいけないですよね。



――更新時間にも、こだわりがあるんですよね。

LINEブログに移転して、更新の告知をトークで皆さんに送ることができるのがいいなあと思いました。更新をしたことをすぐに気付いてもらえますもんね。

以前のブログでは、どうしても子供たちが寝静まってやっと落ち着いたという遅い時間に更新してしまうことも多かったんですが、よく考えてみたらそれはいけないことだったなぁと反省したんです。ブログの内容的に主婦の読者さんが多いんだから、できるだけ日中の明るい時間で、買い物前の参考にしてもらえる時間がいいだろうし、お子さん達が学校に行っている間や、お子さんがお昼寝をしてくれてるころ、お母さんが少しゆっくりできているころかな~という時間に更新するようにしよう! と心掛けるようになりました。それができない日もあるのですが……そんな日はすみません!
 
あわせてブログ内容も、週半ばでそろそろ疲れてくるころだから作り置きレシピにしようとか、週後半だから週末に作れるお菓子にしようとか、自分なりの戦略というほどでもないですが、いろいろ考えて書いています。



――深い洞察! 頭が下がります。


とんでもないです!(笑) ただそこはきちんとわかってないといけないと思っています。「どこに行きました」だけのブログでは、楽しんでもらえない。本当に余裕がなくて「今日はごめんなさい!」なときもありますが、基本的には自分は何でみなさんに必要とされているのか、なんでこのランキングになっているのかを考えたら、食の話題は欠かさないようにしようとは思っています。



――食育アドバイザーの資格もお持ちですよね。


最初の本を出したときの私は、本当にただの主婦って感じだったので、我ながら薄っぺらくて、言葉に説得力がないなぁと感じたんです。すべてが家庭内の実践で生まれたレシピですから、嘘や作りこみはないけれど、自分の書いたことや発言に深みを持たせるためには、学がないといけないと思って。子どもたちがまだ幼かったので自宅学習で資格を取りました。



――現在は企業のレシピ開発、お料理教室、そしてブログと、毎日忙しいですね!


企業のレシピ開発は、昔からお菓子作りが大好きだったので、依頼された時は本当にうれしかったです! いろんな商品を実際に自分が使ってみて、簡単でおいしくて、みんなが作ってみたくなるようなものを提案したいと、毎回試作を繰り返しながらさせていただいています。とてもやりがいのある仕事だと思っていますし、反響が大きいと本当にうれしいです。
 
料理教室も西部ガスでもう何年もさせていただいているのですが、毎回私自身が学ぶことも多く、いろんな方とふれあいながら料理をすることに喜びを感じています。いただいたお仕事をしながら、レシピをまとめたりブログを毎日書いたり、子育てしたり、忙しくないと言えば嘘になりますが、世の中には同じように忙しいお母さんはたくさんいます。自分の与えていただいた環境に感謝して、これからも私が出来ることを全力で頑張りたいと思っています。


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身近な存在でいられる、地方在住であることが強み


――地方在住というのは、お仕事をするうえでハンデになりますか?

地方在住は、逆に強みだと思っています。ハンデと感じたことはないかな。もちろん首都圏在住ならば、もっといろんな仕事があったかもしれないけど、自分を必要としてくれる人がいるというのは、ブログを通じて九州にいても伝わりますし、私は自分が生まれ育った街が大好きなので、この場所でできることをしたいと思っています!身近な人っていうイメージを持ってもらえたらうれしいです。



――確かにトイロさんのブログは、目線がフラットというか、すごく親しみを感じます。


子育て中って、尋ねたいことがあるけれど、友達に聞いたらバカにされるかもとか、親に聞いたら上から言われるかもしれない、そんな風に悩むことって誰でもあると思うんです。私もありましたし。そういう人と同じ目線で一緒に頑張りたい! 楽しみたい! と思っているのが、ありがたいことに伝わってくれているのかもしれませんね。本当にうれしいです!!



――レシピも、特別な材料は使っていないですよね。

私が一番大事にしているのが、誰にでも手に入る材料で、誰にでも作ってもらえるレシピであることです。ひとつのレシピのために遠くに買い物に行く必要はなくて、近所のスーパーで材料が全部そろい、でもちょっとおしゃれにできたり、喜ばれる料理だったりを提案したいんです。



――市販品を上手に取りいれるのも、トイロさんのレシピの特徴ですよね。マシュマロ入りのクッキーとか。

お菓子作りは特に、普段作り慣れていない人や子どもたちにとっては、敷居が高いものだと思います。でも市販品を上手に組み合わせて作ることで、完成した喜びや達成感をより手軽に得られると思うんです。知っているお菓子なら味の想像もつきやすいし大きな失敗をしにくい! もし余ってもそのまま食べればいいですもんね♪ 最初失敗してしまって、トラウマになって二度と作らなくなった……なんてことになるのは悲しいですもんね。



――あとはレシピのわかりやすさも、人気の秘密なのでは?

自分がレシピの勉強をしているときに、完成写真と文章だけのレシピを見て、想像しにくいというかわかりづらいなぁと感じることが多々あったんですね。なのでちょっと大変ではあるけれど、ブログにアップするときは工程を丁寧に写真で追い、パッと見で「できそう」と思ってもらえるようにしています。 
 
料理教室をし始めて気づいたんですけどね、簡単に説明するよりも、ちょっとくどいくらい細かく丁寧な方が喜んでいただけたんですよね。だから文章も、多少長くなったとしてもできるだけきちんと伝えられるように書こうと決めていて。まあだから、毎回写真が10数枚とかになって長いブログになっちゃうんですけど(笑) すみません。



――そこまで努力していただき、本当にありがとうございます!

私のレシピを見ておいしそうだなって思ってもらったり、実際に作ってくれる人がいて、声を聞かせてもらえることが励みになっています。また、自分の娘たちがいつか私のレシピを見て、“我が家の味”を受け継いでいってほしいという思いもあります。娘たちへの伝言というか、残したいものですね。これからも頑張っていきたいです。



――トイロさんのおうちの、子どもになりたくなってきました(笑)

いやいや(笑) でも実際は、我が家の子どもたちは「わー、うれしい幸せ!」って感じで食べるタイプじゃなかったんです。どちらかと言えば小食だし、食べるのが遅いし、もっと小さい時はアレルギーはあったしで。私が食べさせることも苦労したし、子どもたちも食べるということにずっと苦労してきました。どうにかして子どもたちが食べられるもの、でも栄養バランスもいいものを作りたいというのが、私のスタート地点です。子どもたちが数々の「乗り越えるべき壁」を与えてくれたので、それをクリアしていくうちに、今の私になったと言えると思います。

そして、そのせっかく得た知識と実際に子どもたちが喜んでくれた反応を、独り占めするのはもったいないという感覚が、いまだにあるから、これが何かお役に立てるなら、どうぞどうぞ!! という気持ちが、ブログを続けているモチベーションになっているんだと思います。



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すべてにおいて考える、工夫するのが楽しい

――最近で一番、お子さんたちにヒットだったレシピはなんですか?

はんぺんでカサ増しした“エビカツ”ですね。最新の本(『クックパッド トイロ*のキッチン ベストレシピ』扶桑社)にも掲載しているんですが、これが好評でした。子どもたちはエビがあまり好きではなくて、私の感覚だとエビフライが食卓にあったら「やったー!」となるハズだったんですが、ある日エビフライだけ残されたんですよ。



――大ショック!

そこから手を替え品を替え、エビをアレンジしたんですけど、そこそこ食べるレシピはあっても、「やったー!」までのレシピはできなくて。それがこのエビカツを出したときに、最初はおそるおそる、でも最後は「おいしい~、これまた作って!」と言いながら食べてくれたんです! 私こそが「やったー!」でした(笑) その後、特売日を狙って定期的にエビカツをたくさん作って、自家製冷凍食品にして常備するようになりました。これで好きなときに、いつでも揚げられます(笑) これ、劇的なエピソードだと思います? それがね、すべてのレシピにこういうエピソードがあるんです(笑)



――エビカツ、LINEブログにもクックパッドにも作り方が載っていますね。ところでトイロさん、写真が本当にお上手ですよね!

ありがとうございます、デザインの仕事をやっていたおかげです。一応専門学校でも写真の授業があったのでカメラマンの先生に撮影を教わったりもしました。さらに、デザイナー時代にはカメラマンさんの撮影に同行して横でいつも見ていたので、すごく勉強になったんです。ファインダーをのぞきながら、自分の料理をよりおいしそうに見せるにはどうしたらいいかな~と日々悩みながらスタイリングも楽しんでいます。

ちなみに我が家は古くて狭い家なんですけど、自分が一番長くいる場所だから大好きな空間にしたいなと思って、ブログと子育ての合間にDIYで改造しました! 夜中に壁の色を塗ったり、のこぎりで板をガーッと切って棚を作ったりで、もう最初の面影がありません(笑) 少し前までは夫が帰ってくるたびに、「ここは自分の家?」と疑うくらい、コロコロ変わっていました(笑) おかげで今は大好きな家です♪ 




――何かを作る、工夫をするということが、すべてにおいてお好きなんですね。

レシピ開発も、皆さんに「これを作ってみよう」と思わせる、きっかけ作りが大事です。なるべく簡単で、しかもおいしく作らなきゃっていう縛りは、ハードルが高いんですけど楽しいです。



――作りたくなるメニュー開発のコツって、ありますか?

コツというか……スーパーに行って、材料ありきで考えることもよくあります。特売品でよく出ているものは? 缶詰を使って作れば保存も利くし助かるのでは? 100均の食品コーナーには何がある? とか。材料以外でも、例えば私のオレンジのバターケーキは、「お菓子作りの道具を持っていない」という人でも、100均で売っているケーキ型を買えばすぐに作れるよ~みたいな提案とか。プラスして、プレゼント用にするならこの100均のこれでデコるとかわいいよとか、周辺情報も入れると、ますます作ってみようかな、という気持ちになってもらえるんじゃないかと思って。



――トイロさんでも、「失敗したな」という料理はあるんですか?


家でレシピ研究するときは、すごく失敗しています(笑) 試作を何度も繰り返すタイプの人間です。電子レンジで卵をチンするって本当はいけないんですけど、なんとかしてできないかなと思って、爆発させてエラいことになったり、想像とは全く違うものが出来上がってヒィィー!!ってなったり!(笑) あと失敗ではないですが、子どもたちがいまだに食が細いので、おかずが相当余ります。何度も試作するものは、私も子供たちもだんだん飽きてくるので食べきるのが大変です(笑) でも逆に子供たちが勢いよくたくさん食べたものは、「絶対にみんなに受ける!」という絶大な自信にもなるんですけどね。

④ (2)


ネットとリアルが両輪となってキャリアが進んでいく


――トイロさんの、今後の夢を教えてください。

たくさんの人と会える機会を、少しずつ増やしてみようかなと思うようになってきました。直接ふれあうことで出来ること、伝えられることがたくさんあります。文章で伝えるのは本当に難しいですが、面と向かって色んなことを共有出来る機会が増えればいいなと思っています。



――バーチャルだけでは終わらせたくないという気持ちが、芽生えてきたんですね。


そうですね。どんな小さなことでもいいんですけどね。一生懸命日々頑張っているお母さん達に、食を通じて私が何か出来ることがあればうれしいなって思います。もちろん、お母さんたちだけでなく、これからお料理を頑張ってみようと思っているみなさんすべてに! 一緒に楽しめることを常に探して提案していきたいと思っています。

⑤ (1)



すべての家庭でおいしいご飯が食べられますように!


――おいしいご飯は人を元気にしますよね!

食べることって、生きるために絶対必要なことですもんね。子どもたちにも、「食べることは生きることなんだよ。食べることは命をいただいていることだよ」といつも言っています。そのかいあって、「いただきます」「ごちそうさま」はもちろん、「今日もお父さんとお母さんのおかげでおいしいご飯が食べられたよ!」などと、自然に言ってくれるようになりました。そういう親子の会話ができるようになると、作る方も食べる方も気持ちがよくて、みんなが幸せですよね!



――すべての家庭でおいしいご飯が食べられて、元気なお母さんがどんどん増えるといいですよね! 今日はありがとうございました!

⑥


トイロ 公式ブログ


料理への情熱の源は、子どもたちとすべての子育て中の人、そして自分のため! 誰かのためになれば……いう気持ちが、トイロさん自身の人生を輝かせているんだと感じました。

会いたい “あのひと” を身近に ―― LINE BLOG。
食べることは生きる基本! ちゃんと自炊しようと思いました……。
それでは、また。

(取材・文/中尾巴)