もう20年近く前になるかなあ、俺が大学浪人で予備校に通っていた頃の想い出だよ。
予備校は高校と違って出欠なんてとらないし、担任の先生とか生活指導とかもない。
だから、春先だけだよ、真面目に授業を受けて勉学に勤しむのは。
ちょうど今ぐらい(連休前後)からポツリポツリと授業をサボり出してパチンコや麻雀を始めるんだよね。うまい具合に仲間内にパチンコや麻雀に詳しいのがいてね、そいつの ”授業” を聴きながら俺たちも片方づつその方面へ足を突っ込んでいったっけ。でも、不思議とオンナっ気はなかったなー。興味がないわけじゃないんだけど、良く言えば硬派、悪く言えばモテない奴らの集まりだったんだろうな。男ばっかの汗臭くて栗臭い野郎の集まり。でも、今から思い返すとそれで良かったような気がする。
男同士の仲がガタつくのって大概がカネかオンナだ。特に若い時ってのは多感だし、又アッチの方も元気いっぱいだからオンナ絡みってのは揉め事になりやすい。今はもう記憶が薄れてるけど、ひょっとしたら当時の俺たちなりに、そんなことを懸念してオンナのコトは仲間内には持ち込まなかったのかも知れないナ。
予備校なんて受験に落ちた奴らが行くわけで、みっともいい場所じゃないって思ってた俺だけど、今この歳になってようやく「ああ、良い場所だったなあ」って思えるようになったよ。
予備校の開校式なんかでお偉いさんが言う様な「大学浪人ていう苦労が人間を大きくする」なんてワケの分からん精神論を打つつもりはない。大学なんてストレートで入った方が良いに決まってる。苦労が必要ならそんなもん、大学生になってからいくらでもする機会があるんだから。
ただ、浪人にはそれ独特の良さがあったなってのは思う。
上手くは言えないんだけど、世間の流れから隔離された場所に居られるってことかな。
高校や大学っていうちゃんとした正規の列車やバスに乗りそびれちゃった連中が、わき道を走りながら追いかけていくみたいなイメージ。疲れたら歩いたって良いんだよ。ウルサイ先生なんて居ないんだから。たまに道草食ったり、昼寝したり、なんかそういうのも自由。あんまりノンビリし過ぎるともう一回乗りそびれちゃうけど(笑)
みんなどうしてるのかなー。大学に進んでバラバラになって、いつの間にか連絡もとらなくなったけど・・・。仲間内にはオンナっ気はないって言ったけど、その手の話ぐらいはしててね、多分1人(コイツだけ別格の遊び人だった)を除いてみんなdtだったと思うんだけど、俺、見栄張っちゃってね、高校の卒業式の日に大人になったって吹いちゃったんだよね。上の遊び人クンを意識してたから(笑)。あの当時みんな俺のことをスゲーとか言ってたけど、ゴメン、あれウソだったんだよ。男の経歴詐称しちゃった。
今告白するよ。ホントに大人になったのは大学1年の夏休みです。しかも部活の先輩に連れてってもらった石ケンの国です。高校卒業の日にあったことは、好きな同級生に告白してフラれたってのがホントです。みんな、申し訳なかった。
ショーンK