ゴールデンウイークに読んだ本です。大型連休と言っても暦どおりでしたが、まあ贅沢言っちゃいけませんね。
子供が大きくなるとそれぞれ予定が入ってくるので、何処か連れて行って!とせがまれる事もなくなりました。
楽ちんですし、まとめて本が読めるのは嬉しいのですが、小さなお子さん連れの家族を見ると懐かしかったりします。
椎名誠氏の、
家族が一緒に過ごす黄金時代は、あっと言う間に過ぎていく。
という言葉を、最近は折に付け思い返します。
『人はなぜ格闘に魅せられるのか』ジョナサン・ゴットシャル(2016)
人はなぜ格闘に魅せられるのか――大学教師がリングに上がって考える
- 作者: ジョナサン・ゴットシャル,松田和也
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本
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原題は「The Professor in the Cage: Why Men Fight and Why We Like to Watch」
Amazonレビューも1件しかない、かなりマイナーな本です。
格闘技歴のない大学教師が、MMA(総合格闘技:Mixed Martial Arts)のオクタゴン(UFCで使われる八角形のリング及び金網のこと。八角形で”リング”というのも変な表現ですが。用語が分からないかたは全く気にしなくて結構です。覚えても何の役にも立ちませんので)に上がるまでの記録ということで、リアル格闘系ノンフィクションを期待しましたが、ちょっと毛色の違う内容でした。
『格闘とは何か』を文化人類学や動物学の見地から学術的に検証したパートがほとんどで、自身の体力トレーニングやスパーリングの記述が少なかったのは残念。
でも映画『ファイト・クラブ』じゃないですが、男はなぜ1体1で闘いたがるのか? についての考察は、格闘技好きには一読の価値ありかと。類書のあまり無い部類の本です。
「決闘の文化史」(今考えました)みたいな断片的な書物はあると思いますが、その点でも本書は『綜合』ですね。
格闘技がお好きでないかたには、ひどく分かりにくい文章を書いてるなーという自覚あり。すいません。
この本の挿画で、昔ジャンプの裏表紙とかによく載っていたブルワーカー(下図をご覧ください。まだ現役だった事に驚き)の漫画(原画?)を久々に見ました。
カップルで海に遊びにきたティーンの貧弱男子が、マッチョな男にからかわれて女の子の前で恥をかく。
発奮した彼は、ブルワーカーでムキムキになってビーチに再登場。
にせマッチョな男は裸足で逃げ出し、激マッチョな彼はビキニギャルの視線を独り占め!
みたいな万国共通ストーリーの。
台詞要りませんね。絵だけで分かります。年も分かりますが。
本書でも少し触れられていますが、アメリカ人男性のマッチョ志向(マチズモ)は本当に根強い。筋量ヒエラルキーとでも言いますか。深層心理への刷り込みレベルですね。
※どうでもいいことですが、今の今まで私、商品名『ブルーワーカー』だと思い込んでいました。『ブルワーカー』って言いにくくないですか? Pull Worker が語源でしょうか。
マッチョに毒されたアメリカ人と言えば、私の大好きなおバカ本
もあわせてご紹介しておきます。こちらはかなりメジャーかと。
文庫化されるぐらいですので。
アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (集英社文庫)
- 作者: 町山智浩
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/07/20
- メディア: 文庫
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あれ、そう言えば肝心のオクタゴンの中の結末は?
以上 ふにやんま