作曲家・冨田勲さん死去 84歳 大河ドラマ第1作『花の生涯』音楽を担当

 作曲家・シンセサイザーの冨田勲さんが5日、慢性心不全のため東京都立広尾病院で亡くなった。84歳。所属レーベルの日本コロムビアが発表した。葬儀は7日、8日に親族のみで執り行われた。

 冨田さんは同日、昼ごろ自宅で倒れ、搬送先の病院で家族に看取られながら息を引き取ったという。後日、お別れの会が開催される予定。

 冨田さんは1932年東京生まれ。慶応義塾大学在学中からNHKの音楽番組の仕事を始め、63年大河ドラマ第1作『花の生涯』をはじめ、現在までに計5本のシリーズの音楽を担当。66年には手塚治虫氏のTVアニメ『ジャングル大帝』、67年には『リボンの騎士』の音楽を作曲、従来のアニメ音楽を越える優れた音楽性が高い人気を呼び、交響詩版「ジャングル大帝」は66年度の芸術祭奨励賞を受賞した。

 70年頃からシンセサイザーによる作編曲・演奏に着手し、74年には米RCAよりリリースされたアルバム『月の光』が米ビルボード・クラシカル・チャート第1位となり、日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネート。全米レコード販売者協会(NARM)の1974年度クラシック部門最優秀レコードに選出され、知名度を世界的広げた。

 最先端技術も積極的に取り組み、2012年11月には詩人で作家の宮沢賢治の作品世界を題材にし、ヴァーチャル・シンガー初音ミクをソリストに起用した「イーハトーヴ交響曲」の世界初演を行い、13年夏に幕張メッセで行われた2万人規模の夏フェス「FREEDOMMUNE02013」に夜明けの大トリに出演した。

関連写真

  • 作曲家・冨田勲さんが死去
  • 2013年に幕張メッセでパフォーマンスした冨田勲さん
  • 1975年頃の冨田勲さん

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