東京都台東区のマンションの一室で今年2月、この部屋に住む女性(当時41歳)が首を絞められて殺害された事件で、警視庁捜査1課は8日、高校1年の長女(15)を殺人容疑で逮捕した。調べに対して黙秘しているという。
逮捕容疑は2月26日ごろ、当時中学3年だった長女は、ソファで寝ていた母親の首をタオルのようなもので絞めて殺害したとしている。
長女は2月27日午後6時50分ごろ、「母親がソファに横たわって息をしていない」と自ら119番通報した。警察官が駆けつけたところ、母親は死亡しており、死因は窒息死と判明した。
同課がマンションの防犯カメラを解析した結果、母親が死亡したとみられる26日夜から27日朝までの間、長女のほかに自宅に出入りした人がいないことが分かり、逮捕に踏み切った。
長女は両親との3人暮らし。父親は26日午後8時50分ごろ自宅にいた母親と電話で話をしたが、この日は仕事のため帰宅せず、27日も事件発覚まで自宅に戻っていなかった。
長女は逮捕前の事情聴取に「起きないので様子を見ると、呼吸をしていなかった」と説明していた。【神保圭作】
◇叱られる姿、近所の住民らたびたび目撃
近所の住民らは、母親から厳しく叱られる長女の姿をたびたび目撃していた。母親は教育熱心で、長女はおとなしかったという。捜査関係者によると、長女は周囲に「母親が厳しい」と話していたという。
家族は3年ほど前、事件の起きたマンションに引っ越してきた。家族を知る男性は「母親が激しい口調で叱っているのを見たことがある。女の子は黙って下を向いていた」と振り返る。
以前住んでいたマンションでは、家族3人で仲良さそうに外出する様子も見られていた。だが長女が小学生のころ、母親の叱責を目撃した近隣住民が、虐待を心配して地元自治体に通報したこともあったという。【深津誠、春増翔太】