地下室に閉じ込められていた、ライオン・熊・トラ。救出され15年経った今も、一緒に暮らし続ける。
キツネと犬や、ネコとウサギ等、違う種類で友情を育む動物達はたくさんいます。しかし今回ご紹介する3匹は、今までに無い位驚きの組み合わせ。それは「ライオンとクマとトラ」の友情。15年間仲良く暮らしている3匹の出会いは、とても悲しいものでした。
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この世界には、違う種類の動物と友情を育む動物達がたくさんいます。
犬とネコ、キツネとネコ、犬とオポッサム、時にはネコとネズミ。そして人間と動物。
そんな彼らの動画や画像は、心温まるニュースとして話題に上ることもしばしば。
しかし今回ご紹介する動物達の友情は、色々な意味で「本来なら有り得ない」衝撃的な友情です。
アメリカ・ジョージア州にあるアニマルシェルター「ノアの箱舟」の一角。
ここではトラ・ライオン・クマの3匹が15年もの間仲良く一緒に暮らしています。
「BLT」の愛称で親しまれる3匹の名前は、アメリカグマのバルー・アフリカライオンのレオ・ベンガルトラのシェアカーン。
本来なら全く違う国で生きている筈の3匹がここにいる理由は、2001年に警察がアトランタの一軒家に覚せい剤押収の為突入した際、地下で違法に飼われているのが発見されたからでした。
見つかった当初の3匹は、酷い状態で地下に閉じ込められていました。
まだ幼い彼らは栄養失調でやせ細った姿で発見され、不衛生な環境で寄生虫に感染しており、怯え切っていました。
中でも熊のバルーは身体が大きくなったのにも関わらず、ハーネスは小さい頃のままだったせいで身体の内部にまで入り込んでしまっていました。
その為救出後に首輪を取り除く手術をしなくてはならない程でした。
そしてその手術の日は、3匹が初めて離ればなれになった日でもありました。
バルーの手術の日、レオとカーンはバルーがいない事に狼狽し、心配そうに鳴いていたそうです。
狭くて暗い地下室の苦しい日々を一緒に過ごしてきた3匹は、いつの間にか硬い絆で結ばれていたのです。
その後、施設のきちんとした食事と清潔な環境で、3匹はみるみる成長しましたが、野生に帰せるような状態にはなりませんでした。
そこでノアの箱舟は、絶滅危惧種の保護として3匹を一緒に引き取ることに。
野生に帰る事は出来ませんでしたが、それでも3匹はとても楽しそうに暮らしています。
大自然を駆け回る事よりも、3匹一緒にのんびり暮らす方が彼らにとっては幸せな様子です。
種族も性格も違う3匹は、一見「喧嘩を始めると大変な事になるのでは」と心配になる組み合わせですが、救出されてから15年間、何の問題も無く暮らしてきました。
特にシェアカーンは面倒見が良く、一緒に暮らす2匹にスリスリする姿がよく見られるそう。
そんな彼ですが、2014年の秋に椎間板症と診断されました。
しかしそれでも兄弟と元気いっぱいに過ごしており、病気のためのリハビリもきちんと受けてくれるそうです。
スリスリを受けたバルーも、シェアカーンにお返し。
シェアカーンも、とっても嬉しそうな表情です。
自然界では群れる習性が無く単独行動をする筈のベンガルトラですが、シェアカーンは3匹で一緒に過ごすのが大好きなのです。
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