京都市の旅館稼働率70% 全国平均超えるも、ホテルに及ばず
京都市内の旅館の年間平均客室稼働率が2015年は約70%だったことが、同市と京都文化交流コンベンションビューローによる調査で分かった。市内の旅館の稼働率を調べたのは初めて。ホテルを対象にした調査と比べると低く、増えている外国人観光客らへの対応が課題となっている。
調査は192施設を対象に実施し、151施設が答えた。稼働率が80%以上と回答した旅館が最も多く36・3%を占めた。次いで60以上70%未満が20・6%、70以上80%未満が18・6%と続いた。
平均稼働率は70・1%で、全国平均の37・8%、京都府平均の50・3%をそれぞれ上回った。ただ、88・9%に達している市内のホテル平均よりは18・8ポイント低い。
宿泊客全体に占める外国人客の割合は29・2%で、ホテルより5・9ポイント低かった。国・地域別では、中国が40・5%と圧倒的に多く、米国が11・9%、台湾10・3%、オーストラリア6・9%だった。
ホテルに比べると旅館の稼働率が低く、外国人宿泊客の割合が低い理由について市は、旅館は1人の宿泊客や予定より早いチェックインなどに対応できていないことが多い▽外国語に十分対応できていない▽外国人に認知度が低い-などと分析している。
京都を訪れる外国人観光客は増えている。14年に京都市を訪れた外国人宿泊客は約183万人で過去最多となった。
市観光MICE推進室は「旅館の稼働率を上げるためには、今後も増えると予想される訪日外国人に多く泊まってもらうことが必要」とする。府旅館ホテル生活衛生同業組合の北原茂樹理事長は「国内の旅行者が伸びない中、外国人客を受け入れる体制の整備に業界全体でも取り組みたい」と話す。
【 2016年05月08日 23時27分 】