ライフワークの花という考え方
ライフワークの思想 (ちくま文庫) | 外山 滋比古 | 本 | Amazon.co.jp
<印象><感想>
外山滋比古先生の本からは読む度に学びがあります。
その中でもライフワークについて書かれています”ライフワークの思想”の中から感銘を受けた「ライフワークの花」という考え方について投稿してみました。
自分のライフワークが見つからないと悩んでいる方にはとっても良い本だとおもいます。
はたやんにとって大切な本の一つです。
”三十五歳になって、芸というものに目覚めなければ、いくら修行してもモノにはならない。しかし、そこで目が開けば、自分の父(観阿弥)がそうであったように、老年になっても花が咲き、しかも散ることがない」ー世阿弥(風姿花伝)ー”
近年、知的関心が高かまり、自由時間をセミナーや講演に参加して自己啓発的なものや精神的なものを求める志向が高まっている中で、その関心の半分以上は、新しい流行の切り花を追うのに時間と努力を費やすその風潮や考え方から、様々な花の中からみずから好むものを選び、どうしたらそれを自分の力で咲かせることができるか、”切り花”から”球根”へという発想の転換が必要だと述べています。
この一節を読む度に見失っている自分を取り戻すことができます。
どんなに貧しくても、慎ましい花であっても自分の育てた根から出たものには、流行の切り花とは違った価値観があり、それが本当の意味でのライフワークだというのです。
そして、ライフワークとは文字通り生涯の仕事であり、晩年になって初めて結実するもので、その差は自分自身の花か借りものか、根のついた花か切り花かの差とも述べています。
そう考えたら今ライフワークがなにか悩む必要もなくなりモヤモヤ感が無くなり気持ちが楽になります。
自由時間の使い方
今の現在社会では絶えずバッテリーを充電するか、万一に備えてスペアをもっていないと危険な世の中であり、今働いている会社に万一の場合にはそのスペアを使って生き抜かなければならず、ガムシャラに仕事だけをする人生に警笛を鳴らしています。
自分の生きがいとして、人生の豊かさにつながるところで、能力の備蓄、可能性のゆとりを持つことが大事で、毎週末や毎日の自由時間には、こうした精神的な貯金をつくり、生涯の自由時間にライフワークの花を咲かせるために使われるべきだと述べています。
”人生の豊かさにつながるところ”のくだりが、僕にとって人生のテーマの一つになっています。
人生の豊かさっていったいなんだろう?それにつながるところでの能力を備蓄するのか?、そしてライフワークは生涯の仕事だと考えてみたら、、、、何と無く見えてくるのかな?!、、、、それにセレンディピティーの考え方を加えればもしかして、、、、見えるかも!
セレンディピティー
今の専門化された社会で、週末や毎日の自由時間程度で身につけたスキル程度で何ができるか?プロの道は厳しいと思いがちだが、この本ではこのように述べています。
アマチュアこそ知的創造に適している。
素人は大胆に知的冒険をすれば良く、その後はプロにまかせて完成してもらうのが、これからの新しい”酒造り”の方法だというのです。
はたやん”セレンディピティー”という言葉がお気に入りです。
18世紀にできた人造語で、セレンディプとはセイロン(スリランカ)のことで、セイロンには3人の王子がいて、探そうとするものは出てこないが、探しもしない珍宝を発見する童話が起源で”あてにしない偶然の発見”を意味します。
何か目標を立てて達成していくこと以外にも、予期せぬ発見に魅力を感じる。すなわちセレンディピティーこそがアマチュアの自由時間から産み出される大いなる可能性だとのべています。
人生をマラソンととらえる
この国では多くの人が人生を短距離走のように捉えて生きて来たようにおもいます。
人生を84年、マラソンとして捉えてみると、最初の10年は幼年期、10歳から45歳が往路、46歳から80歳が復路になるのでしょう。
その中間地点がマラソンでいう折り返し点になるのでしょうか?!
ちょうど私は43歳で往路を終えて、復路に差し掛かる手前にいます。
これを一日単位に例えると昼が往路、夕方帰宅してからが復路として見ると、いずれにしても前半は進み、後半は帰ることによって自分のゴールに向かう。と見ることができる。
サラリーマンの多くは、帰ってきても、前に進むことしか関心を示さず、前進だけが人生だと思い込んでいる。
これではいつまでたっても人生のゴールなど辿り着くはずもない。
何故なら、折り返し地点を回ってからは、これまでとは反対の方に走ることが前進になるからです。
人生の折り返し地点
興味深い話として、昔は”出家”という風習があり、それで人生の折り返し地点を創っていたようです。
妻子、職業、手放し、頭を剃り仏門に入り、”いかに生きるか”という考え方から、”いかに死ぬか”という考え方に転じるものだったようです。
今のサラリーマンにとって、定年が折り返しに地点になっている。
定年で折り返して帰って来るのでは遅過ぎるのでは?と述べている。
現在43歳、昨年死と隣り合わせの経験を通し会社も辞め、立ち上げた事業も手放し、次のセカンドライフ=ライフワークを模索中である。
自らの意思で出家的折り返し点をつくったつもりです。
定年という会社本位の折り返し点として、その後を余生と考えることは僕にはできなかったからです。
我々の人生=マラソンには余生などというものはあってはならない。と述べています。
もし人生短距離走なら、スタートの失敗は致命的だろう、しかし人生をマラソンと捉えた場合、スタートにつまずきになど問題にはならない。
マラソンのスタートでトップにいてもそれが優位と決めきれない。
このフレーズには本当にインスパイアされました。
”初め良ければ終わり良し”スタートダッシュが一生を決めるかの考え方には正直違和感を感じていた。
人生の挫折をした人間が自分の人生のお折り返し点を決めて、晩年すばらしい充実した人生をおくるというのはとても励みになるストーリーです。
twitterの声
茨城新聞:外山滋比古・お茶の水女子大名誉教授は「ライフワークの思想」で「人生の収穫期に、離れたように見えた石と石とがつながって〝盤上ことごとくわが陣地なり〟という終局を迎えることができる」と表現。人生ってダイナミズムにあふれてる https://t.co/mJgSodBo0O
— 学ぶくん(新聞の社説・小欄など) (@tabikomatsu) 2016年5月3日
【坂の上の坂/藤原和博】読んでいて外山滋比古の『ライフワークの思想』を思い出した。つねに準備を心がけて、人生の晩年を最も充実したものにするのにはどうすればよいのか。ある意味ではいくつもの顔を持つことが... →https://t.co/ms8rCOUsTY #bookmeter
— リリス (@ririth12345) 2015年12月6日
「大人の思想 外山滋比古 新講社」
— TN (@tnakalabo) 2015年10月31日
本書は旧著「ライフワークの思想」を加筆・再構成したものである。著者の本は多くを読んだ。最近出版されるものはこのような旧著の加筆ものが多いが、新たな発見や再確認させられるものも少なくない。90歳を過ぎても知的な生活を実践してる著者に尊敬です。
外山滋比古の「ライフワークの思想」読んだ、古い本だけど今も通じることが多いし自分の周りのいろんなこと見つめ直せる気がする
— さやか@5/8カルテット県立美術館 (@3838vn) 2015年2月10日
三十年以上も前に書かれて、いまなお、普遍的な教えを説く外山滋比古氏の名著、『ライフワークの思想』を読んでいると。いま行っている自分の所業も、「球根から花を育てて」いることに気がつかせてくれる_
— YUSUKE ISHII (@ishiilab) 2014年10月3日
【ライフワークの思想 (ちくま文庫)/外山 滋比古】「フィナーレの思想」「ことばと心」の章は何度も読み返したい。 →http://t.co/h0c9b6kFcS #bookmeter
— Machi Uchiya (@uchiya27) 2014年8月10日
あっ(゜ロ゜;外山滋比古さんの『ライフワークの思想』も読了。学校の勉強はことばで説明したことを理解するものだから、ことばに敏感でないとついて行かれない。逆にいうと学校に長くいる人ほど(高学歴)ことばを気にするから、ことばづらさえよければ、実際はあまり問題にしない…ってとこに共感。
— みっしぇる (@mayumayucsi) 2013年5月5日
一度では足らんな。日をあけて再読要。『ライフワークの思想 (ちくま文庫)』外山 滋比古 ☆3 http://t.co/F8zq65Z2 #booklog
— Ken Kobayashi (@panichag) 2013年1月24日
@shohei8983 そうでーす( ´ ▽ ` )ノあとは、伊藤洋志さん関連とか、ちと昔の本だけど外山滋比古さんの「ライフワークの思想」が個人的には原点なのでお勧めです。
— さかまようへい(さかま整体所@大磯) (@ysakama) 2012年9月18日
いま読んでも通用する考え方。「人生後半」を考える上での参考書。>> ライフワークの思想 (ちくま文庫) 外山 滋比古 http://t.co/tL4vaSeN
— akira inouye, CKD (@smilelikemoon) 2012年7月31日
外山滋比古『ライフワークの思想』読了。32年前の著書だけど2011年師走に読んでも鋭い洞察に感じること多々。 http://t.co/1qYqieiS
— Hiroki Suzuki (@antennahiroki) 2011年12月19日
昨日『ライフワークの思想』って外山滋比古さんの文庫買って読み始め。皆さん今は仕事や子育てや家事やらで忙しくてそれどころじゃないと思うけど、それぞれライフワークってあるんだろうなと思うとワクワクする。
— ひろち (@hensimo) 2011年7月1日
最後に
ライフワークは生涯の仕事であり、人生の豊かさにつながる能力の備蓄の継続であり、それをやり続けている内に、セレンディピティーすなわち思わぬ偶然が発見され、真のライフワークに近づいていくのではないかと思います。
薄っすらと見える未来、方向性に目を向けて、私たちの日々の自由時間に様々な可能性、機会にチャレンジし続けその時出てくる課題に取り組み乗り越え取得したその結果の先にライフワークがあるのかもしれませんね。
人生をマラソンにたとて、終末のフィナーレ、すなわち後半の人生の生き方の大切さを教えてくれる本であり、同時に若い人には、人生を短距離走の様に焦る必要なく、切り花的、刹那的な物より、大地に根ざす球根、本質的なことに、じっくり取り組んで良い。ということ気づきを与えてくれています。
人生84年、折り返してからの人生から華が咲き楽しくなる!!
- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/07/08
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 41回
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