ドラマが話題の『重版出来!』。
「まーた出版界の内輪の話か」
と侮るなかれ。
ベールに包まれた「マンガ編集」
の仕事がわかるだけでなく、
実はどの業界にも参考になることが
書かれているんです!
出版社には、
「編集部門」と「営業(販売)部門」
があります。
(重版出来! 1 (ビッグコミックス))
(重版出来! 1 (ビッグコミックス))
編集部門と販売部門は、
この「部決」でシノギを削っている、
これは私自身も業界にいて
実際によく聞くお話です。
ここで、
この「部決」自体は確かに
出版社特有のイベントかもしれませんが、
商品部門と販売部門の溝というものは、
どの業界においても、
一定あるものですよね。
銀行で言えば、
融資部門と審査部門でもいいです。
こういう「組織の壁」は、業績が
「右肩上がり」の時は気になりません。
でも、ひとたび業績が伸び悩むと、
とたんに副作用が目立ち始めます。
機能別組織が悪い
と言っているわけではありません。
大切なのは「対立」ではなく「対話」。
そして、「対話」の内容です。
お互いが自部門の利益を追求して
大戦中の陸海軍のような
ポジショントークをしていては、
未来は明るくありません。
なぜなら、
「顧客」が置いてけぼりだからです。
(重版出来! 1 (ビッグコミックス))
本作の主人公、黒沢は
そんな「組織の壁」を乗り越える存在です。
(重版出来! 2 (ビッグコミックス))
(重版出来! 2 (ビッグコミックス))
製販一体となって顧客に向き合う。
これこそが
今の日本の多くの産業に必要なこと
だと思います。
顧客のアンメットニーズを満たすために
取引先に無理をお願いする、
というようなトレードオフが発生するところ
までいけば嬉しい悲鳴であって、
まずは、「興味を持つ」
だけでもいいと思います。
そのために、SNSをはじめとする
デジタルメディアがあります。
(重版出来! 2 (ビッグコミックス))
(重版出来! 2 (ビッグコミックス))
出版業界で言えば、
デジタルは、出版の敵ではありません。
出版を効率化するものでもありません。
今までよりももっと、
顧客のことを知るためにあります。
Amazonのトップ画面を
他人に見られるのは恥ずかしいですよね。
Amazonは、
私たちのことを知り尽くしています。
日の丸連合だ黒船だとか、
そういう話じゃないんです。
私たちが、巨人の侵入を阻むような
高い壁を築いて中に篭っている間に、
外の世界では反対に、いろんな壁が、
どんどんなくなっています。
壁をなくして、顧客を知る。
これは、
出版業界に限った話ではありません。
『重版出来!』の主人公黒沢は、
いま日本のあらゆる会社に
必要な存在だと思いました。
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