Vierge Allaitant
Église Saint-Genest, Flavigny-sur-Ozerain
12世紀の作品とのことですが、友達の中にこんな顔の女性がいたような気になる美しい姿。やたらにリアルではありませんか?
先日の日記(教会の聖職者席にあった彫刻: フランス的なユーモア?)で書いた、トイレにいるような僧侶たちの彫像がある教会です。
◆ ブルゴーニュの聖母子像は左側に幼子を抱いている
この教会を案内してくれた人が説明してくれました。
この聖母子像はブルゴーニュの典型の例である。ブルゴーニュ地方でつくられた聖母子像は、左側に幼子のキリストを抱いているのが一般的なのである。これは、ブルゴーニュ公国時代からフランス革命以前の作品に関してのこと。
赤ちゃんを抱く人は、それぞれに癖があるのでしょうか? あるいは、そのときの気分や都合で変える?
話しを聞いたとき、左側に赤ちゃんを抱くのは自然ではないかなと思いました。そうすれば赤ちゃんはお母さんの心臓の鼓動を感じられて安心するのではないか、それに、母親は必要なときには右腕を使えるので便利なはず。
どちら側に聖母が幼子イエスを抱いているかなんて気にしたことがなかったので、インターネットで聖母子像の画像を見てみました。
☆ 乳飲み子を抱くマリアの画像を検索: Vierge Allaitant
私の予想に反して、右側に幼児の頭があるマリア様がけっこうあります。利き腕の方が力があるから抱きやすいのかもしれない、とも思えてきました...。
ブルゴーニュの聖母子像がどうなのかも見てみました。確かに優れた作品の聖母子像は左側に抱いている像が多かったです。でも、右に頭があるケースもあったのですが。
ブルゴーニュワインのメッカであるボーヌ市の紋章も、
こんなものになっていました。
幼子とブドウを持ったマリア像で思い出すのは、以前の日記(9月はブドウ収穫の月!)でご紹介したマリア像。
ボーヌ市とは県が違いますが、これもブルゴーニュの村にある像です。
ともかく、この2つの例では、マリアはキリストを左側に抱いています。
抱いているというより、持っているという感じですが!
ブルゴーニュには聖母子像のモデルとなる作風のようなものができたのでしょうから、それを説明しているサイトはないかと検索してみたのですが、見つかりませんでした。
作られた時代別に聖母像を分析したら、何か見えてくるかもしれないとは思ったのですが、そんなことをして遊んでいてはいけない、と自分を戒めました!
右か左かなどと気にするのはやめようと思ったとき、しっかりと検証していらっしゃる日本人のサイトに行きあたりました♪
世界の博物館にある聖母子像のデータをとっていて、ブルゴーニュの伝統には触れていないものだったのですが、左と右の背景がとても興味深かったです。
☆ 左右の理屈 > 聖母は主を左右どちらに抱いたか
ともかく、今後、教会で聖母子像を見たときには、どちら側に幼子を抱いているのか気をつけて眺めてみようと思います。
ブログ内の関連記事:
★ 目次: 右と左の違いが気になる
★ 目次: 教会など宗教建築物に関する記事ピックアップ
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
- 関連記事
彫刻を彫ったのは力のある男の人がほとんどでしょうから、あんまりそういう現実的な事情は取り入れず、やはり何らかの意味があるのでしょうね。
それと、心臓は左胸という意識が多分世間一般にありますが、救急救命の講習で心臓マッサージを習うと、「心臓は真ん中にある」からと、真ん中を押すように言われます。
昔のフランスでも、心臓は左胸、という意識だったのかな?解剖学が進んだ頃は、むしろ真ん中説が知られていたのかも…?
またもや現実的な母親の心情の視点を取り出すと、より危険でない側に抱きたいという意識はあります。
なにか良くないとされるものが一緒に配置される場合、そのものとの関係から、赤ちゃんの位置が決まった可能性もあるかもしれないですね。あるいは、方角とか、その方向にある施設や山、谷など?
どうでしょうか。
ご経験がある方がコメントくださるのを期待しておりました。ありがとうございます♪
今日は良いお天気に誘われてブルゴーニュの美しい村に散歩に行き、教会を一つ見学したのですが、そこに中世のものとおぼしき聖母子像が2つあったので観察したのですが、やはり両方とも左側にキリストを抱いていたのでした。
>右や左の決まりはないです。だって、交代で両方使わないと重くて手が耐えられないからです!
⇒ ひゃ~。これは全く考えていなかったです。なるほど~、それはそうですよね!
心臓は左側にあるとばかり思っていました。解剖図を検索してみたら、「心臓は左にあると思っているでしょうが、実は真中にあります」と色々なサイトで説明していました。これも、知らなかった~! ブルゴーニュの観光PRでは、フランス地図にハートマークでブルゴーニュの位置を示しているのですが、これは、おそらく私だけではない普通の人が思っている心臓の位置になっているのです。
>現実的な母親の心情の視点を取り出すと、より危険でない側に抱きたいという意識はあります。
⇒ これも、なるほど~。マリア様がどちらの方角を向いているかによって決まるわけですが、祭壇にいるのと同じ向きに立っているとして仮定すると(思い浮かぶ聖母子像はその方向で、説教される人が正面から見る方向なので)、祭壇は東を背にしているという決まりがあるので、ブルゴーニュのマリア様が幼子に解放しているのは... え~っと、北になる。ブルゴーニュ公国は北に向かって勢力を伸ばして、ベルギーやオランダなどを領地としていた。これは学説になってしまうかも知れないですよ~!
なのですね。
Otiumさんに教えていただき始めて気が付きました。
抱いているのが右か左か、こう言う視点はとても面白いですね。
リンクしていただいたサイトにも行ってまいりましたが、今一つ説得力に欠けるような気がします。
画家が実際の母子をモデルに描いたとするなら、やはり左側に抱かれたものがかなり多くなるはず。
左手で抱くことによって母親の利き手を自由にしておく。
これは母親が子どもを抱きながらも、例えばなお鍋のふたを撮ったり、カーテンを開けたり、と言ったちょっとした動作に不自由しないための自然な結果だと思います。
>より危険でない側に抱きたいという意識はあります。
これについて私はちょっと違う感じ方をしました。
利き手がじゆうなればこそ、様々な危険から我が子を守ることが可能だと考えるからです。
手だけではなく身体を楯に子を守る場合も、利き手側を危険に向けて子どもを守るのではないかしら。
この場で問題になっているのは、マリアであり、一般的な母親たちの傾向ではないのでしょうが、モデル説を撮るとすれば赤ん坊が左側に描かれることは普通だと思います。
もう一つ考えられる事は、キリストにどんなポーズを取らせたいか、という視点でしょう。
マリアに抱かれたキリストが例えば何かを指し示す場合など、基本的に右手が自由になっていなければなりませんね。となればマリアはキリストを右側に抱く事になります。
どちらにしてもブルゴーニュの聖母像の伝統的抱き方(?)の説得力のある説明にはなりませんね。
これはやはり歴史的背景があっての事なのでしょう。
そう思うと尚更その背景が知りたくなってしまいました(^^ゞ。
コメントありがとうございます♪
2年近く前に書いたこの日記から、聖母子像を見るとどちら側に抱いているかを気にする癖がついています。スペイン旅行から帰ってきたところなのですが、旅行中に見た聖母子像は全て左側だと判定(毎回気をつけていたわけではないので、いい加減な観察ですが)。スペイン王朝はブルゴーニュ公国の家系から来ているせいかな?... と思ったりもしました。ブルゴーニュ公国時代の聖母子像が左側にキリストを抱かせるという決まりがあったのだとしたら、そうなった経緯を知りたいのですが、いまだに理由は見つけられないでいます。
>もう一つ考えられる事は、キリストにどんなポーズを取らせたいか、という視点でしょう。
⇒ これは大きな意味がありますね! 今後はこちらも気にしてみます。