東京都・国分寺市で、悲しい赤ちゃんの自転車事故が起きてしまいました。生後7ヶ月の赤ちゃんを背負って母親が自転車で運転中、走行中の乗用車と接触し転倒。赤ちゃんは地面に頭を強く打って亡くなりました。本当に悲しい事故です。ただ「赤ちゃんを背負って自転車」「横断歩道ではない場所のすり抜け」など考えさせられる部分もありました。
このニュースをきっかけに、乳幼児を乗せて自転車に乗ることの危険や、子どもの自転車事故についてちょっと調べてみました(タイトルは後者にちなんでつけています。国分寺の事故とは関係ないです…)
赤ちゃんを背負っての自転車について検証
そもそも交通ルールはOKなのか?
今回のニュースでまず驚いたのが「赤ちゃんを背負って自転車に乗れるの?」ということでした。
自転車運転時のルールは都道府県ごとに違いますが、東京都の場合、自転車の交通ルール 警視庁によると、一般の自転車の場合、子守バンドなどで幼児1人を背負って運転できるようです。
しかし、赤ちゃんを背負っての自転車運転は力学的に危険!
赤ちゃんをおんぶして自転車に乗ることが、なぜ危険なのかを検証した報道を見つけました。
母親を50kg・赤ちゃんを8kgと仮定して検証しています。赤ちゃんをおんぶすることで、重心が高くなることがバランスを崩しやすいそう。
自転車をこぎだす際に車体が5度傾いたとした場合、赤ちゃんをおんぶした女性は、おんぶしていない場合の1.16倍の力で傾いた方向に引っ張られる。
そうです。これだけの力がかかれば、特に女性の腕力では支えきれない可能性が高いそうです。 自転車に乳幼児を乗せて運転することは危険性を伴うものです。地域性もあるので一概には言えませんが、極力別の手段を利用することを検討したり、やむを得ず自転車を運転する場合でも一番安全なルートを通るなど、「急がば回れ」の気持ちが大切なのかもしれません。
自転車での子どもの事故は多い!しかも男児が圧倒的に多い。
近年、子どもの自転車での交通事故のニュースを耳にします。子どもを持つ親として気にかかることなので、ちょっと調べてみました(いずれも平成26年の統計です)。
子どもの交通事故の約3割が自転車事故
平成26年中に、交通事故で負傷した13歳未満の子どもは約35,000人ですが、そのうち自転車乗用時の事故は約9700人だそうです。これは「幼児が自ら自転車をこいでいた場合」と今回のように「大人が運転していた場合」の両方を含みますが、子どもの交通事故全体の約3割が自転車事故なのです。
下の図は、平成26年中の年齢別交通事故の死者の割合です。子どもの場合、自動車乗車中と自転車乗車中の死亡割合がほぼ同じ。ここからも自転車乗用中の事故割合が高いことがいえると思います。
(出典:内閣府)
衝撃!子どもの自転車事故は男の子が圧倒的に多い
内閣府の統計を調べていると、ちょっと気になるデータがありました。15歳以下の子どもの場合、自転車事故による死者数は男児が圧倒的に多いのです。女児が5.7%であるのに対して、男児は34.7%となっています。他の年でも男児が数・割合を圧倒しています(交通安全白書 - 内閣府)。
(出典:内閣府)
街中でも自転車で疾走(ときに暴走)している小学生の男の子達をよくみかけますが、それが時に自転車事故にもつながってしまうのでしょうか。特に子どもは視界が狭いので、大人よりも周囲の物や人が見えないことがあります。自転車の速度が出ていたらなおさらです。我が家も息子なので、自転車の安全についてはしっかり教えていかないといけません。
自転車は親としても、子どもとしてもしっかり安全に乗ることが大事だと思いました。