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四十三庵

蔀の雑記帳

Excelに代わるプロジェクト管理ツールを求めて

IT 仕事

ここしばらく仕事で色々試みてたことの覚書。

プロジェクト管理とは

プロジェクト単位で仕事してる会社であれば、プロジェクト管理の問題は出てくる。
何を、誰が、どう管理するのか。

「何を」に関しては、僕の働いている会社だと、

・成果物
・期限
・メンバー
・工数

の四つを主に管理している。

「誰が」というのは、主にチームリーダーがやる。
チームリーダーにいるプロジェクトマネージャーは、基本的には自分の手を動かさない。
他部署との折衝とか、経営陣への報告とか、進捗管理とかを行うのが理想とされる。

「どう」管理するのかが、今回の話題で、僕の会社ではWBSで管理している。
魔改造されたExcelのテンプレートがあり、それにポチポチ入れると、いい感じにタスクが割り振れる。
数年前のバージョンには、工数管理まで魔改造Excelで行われており、
工数の差異分析とかまでやるように魔改造されていた。
そもそも工数管理は別の社内システムがあり、Excelシートの使い方ももはやよくわからなくなっていたので、
僕の入る数年前に先輩たちが機能を廃止して、シンプルにした。

以下、プロジェクト管理に使うツールについて、思うところを書きます。

テキスト(メモ帳等)

正直ガチガチに進捗管理しない案件であれば、メモ帳とかに軽くタスクと担当メモる程度で進む。
ただテキストだと、以下のような問題が起こる。
・過去のプロジェクトが参照しづらい
・WBSが書けない
・部署全体のプロジェクト数が増えてくると全体が把握できなくなる

要するに、更新する側としては簡単だけど、
第三者から見た時にプロジェクトの全体像が見えづらいという欠点がある。

Excel

「Excelはプロジェクト管理ツールではない」
これは僕も入社以来ずっとそう思ってました。
ただもう変なツール入れるくらいなら全然Excelでいいじゃん、というのが今の僕の気持ち。
特に先人が魔改造したExcelがあると思います。
それを共有ファイルサーバーにつっこんで、皆でつつく。
タテにタスクが書かれていて、担当者や開始日・終了日が書かれた列があって、
ヨコにカレンダーが載っているような。
これがあるなら、必要最低限のプロジェクト管理は可能。

ただExcelはあくまで表計算ソフトなので、細かい点で結構気に入らないところが出てくる。
たとえば横の列を一年以上の期間とろうとすると、どこかで列が追加できなくなる。
xls形式だと256列までという制限があるからだ。
WBS作ってるときになぜか列が追加できなくなって、30分ぐらい必死でExcelと格闘してたのは今思うと泣ける。
何の意味があったんだ。
(僕の会社のテンプレがxls形式なのでいけないんだけども、xlsx形式にすると、限界が拡張されているらしい)

問題は、
・プロジェクトを管理する側がExcelの調整がめんどくさい
・一人がつかんでると他の人間が編集できなくなる
(共有設定にしてもいいんだろうけど…)

そんなワケでちゃんとしたツールをいれましょ〜となると、どんな選択肢があるか。

有料ツール

プロジェクト管理ツールと一口に言っても、Wikipediaにあるだけでも相当な数存在する。
単なるスケジュール管理から、会計管理までしてくれるものまで、
色々あるらしいが、正直あんまり評判のいいものは聞かない。。。
プロジェクト管理ツールの比較 - Wikipedia
Comparison of project management software - Wikipedia, the free encyclopedia
※英語版の方が充実している。

僕の会社だと、Microsoft Projectが使えるっぽかったんだけど、個人的にはイマイチだなあと。
有料ツールに関してはほとんど知らないので、むしろいいのがあったら誰か教えて下さい。

無料ツール

Excelに代わるツールの必須条件として、無料であることがあげられる。
となると、選択肢は結構限られる。
最近の感じだとRedmine一択という気もしたが、僕が自由に使える社内サーバーがWindows2003しかなかったという制約があったため、
それ以外のツールを探すことになった。

GanttProject

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GanttProject: free desktop project management app
ガントチャートを書くツール。
Javaで書かれてるらしい。
オープンソースのツールで、操作感としては悪く無い。
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機能的には問題なかったが、制約として、
・専用のアプリケーションのインストールが必要
・Javaの最新版が要る
という二点があった。
Javaの最新版は入れろよ、という話で終わりなのだけど、
ちゃんと使うとなると、専用アプリのインストールがちょっとした障壁になりそうだ。
SIのPC環境であればだいたいExcelは入ってるので、そういう意味でExcelのWBSは使いやすい。

エクスポート機能はあるにはあって、csv形式やpdf、html形式でガントチャートが出力できるんだけども、
結構貧弱なエクスポート機能で、イマイチな感じだった。
しかも更新するたびに共有ファイルサーバーに突っ込まなければいけないので、ちょっと無理。
部署全員がGanttProject入れてくれれば、問題はないが、お試し期間中だったので、そういうワケにもいかなかった。

結局二週間ほどお試しで使ってみて、やっぱWebブラウザでやりたい気持ちが強くなったので、Redmineを使うことにした。

Redmine

f:id:st43:20160507195854p:plain
現在一番使われてるっぽいオープンソースのプロジェクト管理ツール。
Webブラウザ経由で利用できる。
基本的にはアジャイル開発を想定しているっぽい雰囲気だけど、カスタマイズすればいかようにでも使えそう。
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↑ログイン画面

欠点としては、先述の通りWEBサーバーが必要で、
環境構築が他のツールとくらべてやや難易度が高いこと。
ちゃんと環境作ろうとすると、
・Redmineそのもの
・Ruby
・Ruby on Rails
・MySQL(またはSQLite、ポスグレ)

これを入れて、Redmineのドキュメント通り設定して、Apacheを動かさないといけない。
と、あとメール設定とGit、Subversionのバージョン管理との連携はオプション。
ただ入れるだけならいいんだけど、Redmineのバージョンによってそれぞれのバージョンを合わせないと不具合出るっぽい。
ちゃんとやろうと、なんだかんだ途中で詰まって、3日くらいかかりそう。

ただこんなめんどくさい環境構築だが、Bitnamiという便利なワンストップパッケージを使うと30分もかからずにできる。
Install Redmine, Download Redmine
ここからインストーラをダウンロードして、Redmine入れたい環境で起動。
勝手にインストールが進み、指示通りにすすめる。
入れたら、WEBブラウザからその環境のIPアドレスにアクセス。
http://xxx.xxx.xxx.xxx/redmine(Win)
http://xxx.xxx.xxx.xxx:8080/redmine(Linux)
とうちこんで、「Redmineのインストール完了!」みたいなページが出たら成功。

Windows2003サーバーだと「もっと新しいOS使ってください!」と怒られる。
結局どうしたのかというと、余ってたPC(Windows7)に入れました。
本当はちゃんとサーバー立てたいのですが、まあお試し期間なので。。。

まとめ

プロジェクト管理ツールのメリット/デメリットをまとめると、こんな感じだと思う。

更新性 客観性 多案件の整理 共有が容易か 導入難易度 経済性 アプリが要るか
テキスト 不要
Excel Excelのみ
GanttProject 専用アプリが必要
Redmine ブラウザで操作可能

やっぱ現状であればRedmineが一番いいというのが僕の結論なんですが、
Redmineを導入すればバラ色というわけでもないのは、以下を参照。

takashiba-labo.hatenablog.com

結局ツールはツールでしかないので、一番いいツールを入れただけじゃダメで、
ツールを選んで、かつちゃんと運用してくっていうのが必要みたいですね。
(了)