北朝鮮 36年ぶりの党大会が開会

北朝鮮 36年ぶりの党大会が開会
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北朝鮮では36年ぶりの朝鮮労働党大会が6日午前、首都ピョンヤンで開会しました。初日は慣例に従って、キム・ジョンウン(金正恩)第1書記が演説を行ったとみられますが、国営メディアはこれまでのところ一切伝えていません。
北朝鮮当局者がピョンヤン入りしているNHKの取材班に対して明らかにしたところによりますと、1980年以来36年ぶり、7回目の朝鮮労働党大会が、日本時間の6日午前9時半に開会しました。
初日は慣例に従って、キム・ジョンウン第1書記が「開会の辞」に続いて、「活動総括報告」をみずから行い、核実験や事実上の長距離弾道ミサイル発射などを「業績」として誇示したうえで、核開発と経済の立て直しを並行して進める「並進路線」を改めて強調したものとみられます。
ただ、北朝鮮の国営メディアは、これまでのところ党大会が開会したことを一切伝えておらず、朝鮮中央テレビはキム第1書記の視察の様子をまとめた記録映画などを放送しています。
一方、今月3日から訪朝している日本や欧米など外国の取材団は6日午前、党大会の会場の「4・25文化会館」の外観の撮影を許可されましたが、会場内の取材は認められませんでした。
また、外国の取材団は6日午後、ピョンヤン市内にある電線を生産する工場に案内され、国際的な制裁のなかでも北朝鮮経済は安定していると印象づけたい思惑があるとみられます。

記者団には工場を案内

党大会に合わせてピョンヤン入りした外国の記者団に対し、北朝鮮は6日午後、労働者の生産意欲が高いとされるケーブルの生産工場を案内しました。
案内されたのは、ピョンヤン市内にある「3・26電線工場」で、キム・イルソン(金日成)主席がキム・ジョンイル(金正日)総書記とともに1968年3月26日に現地で指導したことにちなんで、この名前がつけられたということです。
工場では直径数ミリの金属の線から直径1メートル近い電線まで、さまざまな太さのケーブルを生産していて、一定のノルマを超えた労働者に対しては、超過分が報酬として労働者の賃金に上乗せされることから、労働者の生産意欲が高く、模範企業として知られているということです。
北朝鮮としては、こうした工場を外国の記者団に紹介することで、従来の社会主義の枠を超えて経済政策を変えようとするキム・ジョンウン指導部の姿勢をアピールするねらいがあるものとみられます。