サッカー 岡崎所属のレスターが“奇跡の初優勝”

サッカー 岡崎所属のレスターが“奇跡の初優勝”
サッカー、イングランドプレミアリーグで岡崎慎司選手が所属するレスターは2日、チーム創設132年でのリーグ初優勝を決めました。
岡崎選手が所属するレスターは1日に行われたマンチェスターユナイテッドとの試合に引き分け、自力での優勝は持ち越しとなっていました。
2日はリーグ2位のトットナムが10位のチェルシーと対戦し、トットナムが引き分けか負ければレスターの優勝が決まる試合が行われました。試合はトットナムが前半35分、リーグ得点トップのエース、ハリー・ケイン選手の今シーズン25点目のゴールで先制し、さらに前半終了間際に2点目を奪いました。
しかし、トットナムは後半13分に1点を返され、38分には同点ゴールを決められて試合は2対2で引き分け、レスターのチーム創設132年でのリーグ初優勝が決まりました。
岡崎選手をはじめレスターの選手たちはチームのエース、バーディーの家に集まって試合を見守り、試合が引き分けて優勝が決まると選手たちは抱き合って喜びを分かち合っていました。
レスターは2部への降格など低迷が続き、復帰した昨シーズンも14位で残留争い、今シーズンも残留を目標としてきましたが、世紀の番狂わせで“奇跡の初優勝”を勝ち取りました。

岡崎 チームに欠かせない存在

レスターの岡崎慎司選手は兵庫県出身の30歳、日本代表のフォワードで、今シーズンからレスターでプレーしています。豊富な運動量を生かしてゴール裏へ飛び出し、泥臭いプレーでどん欲にゴールを狙うプレーを持ち味としています。
Jリーグの清水エスパルスから、2011年にドイツ1部リーグのシュツットガルトに移籍しました。3年前には同じドイツのマインツに移籍し、ヨーロッパの主要リーグで日本選手で初めての2年連続ふた桁得点をマークするなど実績を重ね、念願としていたプレミアリーグへの挑戦を果たしました。
レスターでは今シーズンここまで5得点とドイツの時のようにゴールは量産していませんが、献身的な守備と攻撃でもエースのバーディー選手を生かす役割で、チームにとって欠かせない存在となっています。
日本代表ではワールドカップには2010年の南アフリカ大会と2014年のブラジル大会に出場するなど定着していて、ことし3月には歴代5人目、フォワードとしては初めてとなる100試合出場を達成し、これまでに歴代3位の48得点をマークしています。

2部や3部リーグに10年間

イングランドプレミアリーグで初優勝を果たしたレスターはイングランド中東部にある人口およそ30万人の街、レスターで1884年に創立されたクラブです。
132年の歴史のうち最も有名な選手は、1986年のワールドカップメキシコ大会の得点王でイングランド代表のキャプテンも務めJリーグでもプレーしたリネカー氏で、生まれ故郷のチーム、レスターがプロ生活のスタートでした。
1992年のプレミアリーグ発足後、レスターは2000年にクラブ史上最高の8位となりましたが、スタジアムを移転した2002年には資金難からクラブの存続の危機に直面し、OBのリネカー氏が基金を設立してなんとか危機を脱しました。
2004年には2部リーグに降格して以降、10年間は2部や3部リーグを行き来し低迷しましたが、2014年にピアソン監督の下、2部で優勝を果たしてようやくプレミアリーグに復帰しました。
それでも昨シーズンは終盤まで最下位に低迷し、最後の9試合で7勝1敗1引き分けでなんとか残留争いを抜け出し、最終順位は20チーム中14位でした。
今シーズンはプレミア昇格の功労者のピアソン監督からラニエリ監督に替わりましたが、選手の補強にかけた予算は38億円余りで、プレミアリーグ最高額のマンチェスターシティーと比べるとおよそ3割ほど、人件費の総額ではリーグ20チーム中18番目の低予算でした。
当然、優勝候補に名前が上がることはなく、シーズン開幕前、イギリスのブックメーカーはレスターの優勝を「超大穴」と予想し、オッズ・掛け率は5000対1としていました。