アメリカ・インディペンデント映画の父、ロバート・アルトマンの素顔と映画の裏側に迫るドキュメンタリー。ジュリアン・ムーア、ブルース・ウィリス、ポール・トーマス・アンダーソンらアルトマンを敬愛する俳優や監督が、アルトマンの魅力を語る。
【スポンサーリンク】
M★A★S★H
映画監督ロバート・アルトマンの経歴を時系列で辿っていくドキュメンタリー。
軍を除隊したアルトマンは父親の家に転がり込み、階下の部屋に住んでいたジョージ・W・ジョージに自身を作家だと紹介。
未経験だったが撮影現場を見たくて脚本を執筆。
いざNYへ向かう途中立ち寄ったカンザスシティのバーで男と出会う。
仕事はと聞かれたので{映画の脚本を書いている}
ウソ八百だ。
{NYで芝居を上映だ}とも……。職業を尋ねたら映画監督だと答えた。
ここで経歴を詐称したアルトマンは嘘をつきまくって雇われ、映画、ドラマへと進出していく。
当初「ヒッチコック劇場」や戦争もの「コンバット」などテレビドラマの撮影をしていたアルトマンが1970年、映画「M★A★S★H マッシュ」を撮影。
反戦のメッセージが込められたコメディ映画。
この作品でアルトマンは、カンヌ映画祭グランプリを獲得。
POPEYE
しかしこのあたりからアルトマンは低迷期に突入。
撮る作品がどれも興行的に失敗。
そしてロビン・ウィリアムスを主演に据えた「ポパイ」は撮影も困難に見まわれ、なんとか興行に辿り着くも大失敗。
THE PLAYER
映画会を追われる形になったアルトマンは古巣のテレビドラマ撮影に復帰。
中でも大統領選をテーマに、実際の選挙に役者を潜りこませ現実の政治の動きにフィクションを合わせフィクションとノンフィクションを織り交ぜた「タナー88'」が話題となる。
そしてこのフィクション・ノンフィクションの手法は、映画「ザ・プレイヤー」に活かされることになる。
ティム・ロビンス演じるハリウッドの顔役が何者かの脅迫状をきっかけに殺人に手を染め、追いつめられていくサスペンス作品。
この作品でアルトマンはカンヌ映画祭監督賞を受賞。
続けてレイモンド・カーヴァーの短編を映画にした「ショートカッツ」
そしてファッション界の裏側を描いた「プレタポルテ」を撮影。
GOSFORDPARK
この辺りからアルトマンは健康上の問題を抱える。
体重が落ち、発作を起こし倒れ、1993年にアルトマンは心臓移植を決意。
2001年、アルトマンは「ゴスフォード・パーク」を撮影。
イギリス郊外のカントリーハウスを舞台にした群像劇。
今作でアカデミー賞脚本賞を受賞。
その後、「バレエ・カンパニー(2003)」「今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006)」を撮影。
2006年、アカデミー賞で名誉賞を受賞するも同年11月に癌にて死亡。
享年81歳。
3 WOMEN
アルトマン作品を全部観ているわけではないけれど、群像の妙と毒気ある内容がどれも素晴らしい。
特に「ザ・プレイヤー」からの復活劇は印象的。
(プレタポルテのオチはちょっと……だけど)
アルトマン作品をじっくり見たくなるドキュメンタリー。
愛され嫌われ型破りなロバート・アルトマンという監督の栄枯盛衰な人生がよくわかる。
もしアルトマン作品を未観なら前記を代表する「三人の女」
そして「ウェディング」
復活の狼煙となった後期の代表作「ザ・プレイヤー」は観ていただきたい。
売り上げランキング: 140,290
売り上げランキング: 7,256