NPO法人アニメーター支援機構の公式サイトです。新人アニメーター大賞や作画ワークショップの開催、アニメーター就職支援・離職防止センター運営など。
ごあいさつ
NPO法人アニメーター支援機構 代表理事
菅原 潤
NPO法人として、アニメーター支援の活動をしようと思ったきっかけは、それ以前の約15年間に行っていた、映像業界を目指す若者向けの技術指導・就業支援のボランティア活動が関係しています。
私は1997年、大学4年の時に、武蔵野美術大学のサークルとして「映像部」という映像系サークルを立ち上げました。
武蔵野美術大学を卒業後、映像系の就職をする事になったのですが、その後も、サークルの後輩の面倒を見たり、映像部の運営を手伝うなどして来ました。
最初は部員も武蔵野美術大学の学生のみで、部員数も5〜6名だったのですが、徐々に、多摩美術大学や東京造形大学、女子美術大学、東京藝術大学などの学生も加わるようになり、最終的には、美術系の大学だけでなく、一般大も含め、20校以上の大学・専門学校の学生が加わる大きな団体となりました。
また、不思議なご縁で、アニメーターの霜山朋久さんのご協力を得る事も出来、学生への技術指導・就業支援の面では、ボランティアで運営している任意団体としては、それなりの成果も出せたのでは、と思っています。
※昨年度はスタジオジブリ、今年度はマッドハウスに内定者を出しています。
ただ、応援した学生たちが、アニメの制作会社に就職出来るようになって来ると、今度は、就職してから待ち受けている「厳しい現実」が聞こえて来るようになりました。
いわゆるアニメーターの低賃金問題です。
希望の会社に就職後、低賃金と厳しい労働環境から、数年で離職し、アニメーター自体もやめてしまった、という例も何度も見ました。
いままでは、単純に技術指導をして学生の技術力を上げ、希望する会社に就職出来るようにすればそれで良い、と思っていたのですが、それだけでは駄目なのだ、と思うようになりました。
また同時に、ボランティアとしてやれる事の限界にも気付いて来ました。
組織の維持・運営には、膨大な手間と時間、そしてお金がかかります。
私以外で、それを全て引き受けてくれる物好きな人は、そうはいないと思うので、このまま任意団体としてボランティアで活動を続けた場合、例えば、私が病気になったり死んだりした場合、そこで支援活動は「終わり」になってしまいます。
なので、せめてスタッフには給料を支払えるようにして、NPO法人として活動して行く方が、より継続的に活動が出来るのでは、と思いました。
現在は、2月末に行う「第一回 新人アニメーター大賞」の準備で毎日忙しく働いています。
「新人アニメーター大賞」は、新卒で春から入社予定の新人アニメーターに対して、絵と作画の審査を行い、大賞受賞者に「1年間の住居支援を行う」という物です。
支援金額は、年60万円を上限として支給します。また、支援する金額は年収に応じて決定します。
具体的には、年収100万円以下の場合に、月額5万円、年60万円を支援する形になります。
年収が100万円を超えた場合には、金額に応じて、支給額を徐々に減額します。
ただ、20代のアニメーターの平均年収は100万円台なので、入社1年目の新人アニメーターの場合、スタジオジブリや京都アニメーションのような、固定給が出る特殊な例を除けば、ほとんどの人が年収100万円以下に該当すると思います。
この賞の目的は「低賃金問題の周知と、解決への問題提起」です。
今年度は、私が準備金として用意した60万円しかありませんので、1人の支援しか出来ません。
ただ、もしこの取り組みに共感してくださる方がいらしゃって、寄付・募金が集まるようであれば、第2回(2012年1月10日(火)開催予定)以降は、「アニメーターの住居支援向け」の寄付・募金の合計額が60万円を超えるたびに、支援対象者の数を1名ずつ増やして行こうと考えています。
これまでは「アニメーターの低賃金問題」の存在を知ったとしても、問題解決のために「具体的にどうすれば良いのか?」というと、特に、一般の方でも参加出来る、現実的なアイデアをほとんど見かける事がありませんでした。
ここに、私に出来る範囲での「問題解決への小さな取組み」を、1つご提案したいと思います。
この仕組みに賛同して応援してくださる方が、一人でも多く現れる事を願います。
代表理事 プロフィール
菅原 潤(すがわら じゅん)
有限会社ビジョン代表取締役
略歴
1997年 任意団体「映像部」設立
1998年 武蔵野美術大学映像学科卒業
1998年 株式会社スペシャルエフエックススタジオ入社
2002年 有限会社ビジョン設立
2004年 武蔵野美術大学映像学科非常勤講師
2010年 NPO法人アニメーター支援機構設立