2015-08-14 01:31:10

柳生一族の陰謀 1978年 深作欣二監督

テーマ:時代劇
感想:千葉ちゃんはやっぱり柳生十兵衛三厳


過去に深作欣二監督の作品を紹介しておりますが、この作品が意外な事に深作監督初の本格時代劇。
私は個人的に、ドラマ版を子供の頃に観ておりまして、コレの千葉ちゃんの十兵衛さんがカッコよかった!
最初に時代劇が好きになったのが映画『眠狂四郎』だったんだけど、テレビ時代劇の『柳生一族の陰謀』、コレマジで別格でした!!!(関西は時代劇の再放送が良くある)両方幼稚園の頃位に観たのかなあ?
小学生の時に十兵衛さんの八相の構え(正確には十兵衛さんは肩に担ぐんで八相とは違うんだけど)をやって剣道の師匠に呆れられたっすw
この映画はそのテレビシリーズ直前に映画化されたもので、観たのはもうちょっと大きくなってからだ思う。
当時「時代劇映画」は衰退の一途を辿り、正月なんかにロードショーするようなオールスター時代劇映画なんてーのも製作されなくなっていた。
東映の売りだったヤクザ映画も衰退しつつあり、(映画産業自体斜陽だったからね)東映が威信を賭けて、スター監督の深作欣二に撮らせたオールスター時代劇。
深作欣二が撮っただけあって(脚本も共同執筆)見事な陰謀、某略、裏切り満載の人間群像劇になっておりやす。


***あらすじ***


徳川幕府が建って早20年、元和九年二代将軍徳川秀忠が突然食あたりで死去する。これが徳川幕府始まって以来の大事件となる。
次の将軍が定められて居なかったのである。
順当にいけば嫡子である家光が跡を継ぐのが一番ではあるが、生まれながらに顔に醜い痣があり、吃音で短気であった為、
対照的に資質英明の誉れ高い弟である駿河大納言忠長を推す機運が高まっていた。

とある嵐の夜更け、秀忠公の霊廟に賊が忍び入り、秀忠公の胃袋を持ち出そうとする。それを闇に紛れて阻止したのが将軍家剣術指南柳生但馬守宗矩の息子、左門、又十郎、娘の茜。
胃袋を取り返し父宗矩に届けると、父は迷わずその臓腑に銀の小刀を刺す。取り出した小刀は鈍く曇り、秀忠公の毒殺を明白にする事となる。
(当時「石見銀山」と呼ばれたヒ素は、銀が曇ると言われていました。実際は不純物の為に曇るんだけどね)
そして、但馬は家光派の若手老中松平伊豆守と春日局を問い質し、両名が忠長を三代将軍に据えようと決めた秀忠を害した事を認めさせる。
但馬はその旨、家光に進言し自分も家光派に身を投じ、何としても家光を三代将軍に据える覚悟の程を伝える。

その頃、関ヶ原以来流浪の民となった根来忍者達は、大和の国の柳生の庄に仮住まいをし、いつの日か根来の里を復興する事を悲願としていた。
宗矩の嫡子柳生十兵衛三厳は、堅苦しい城勤めを嫌い、諸国を剣客として放浪し、江戸おもてよりも根来の仮住まいを我が故郷として根来一族を親兄弟の様に大切にしていた。
そこに江戸おもての宗矩から、「家光が三代将軍になった暁には、根来の里の復興を約束する」と確約し、十兵衛と共に根来衆を呼び寄せる。

画して天下を揺るがす将軍家跡目争いの戦いの火蓋が切って落とされる。



東映時代劇のスーパースターだった大川橋蔵も、本作の柳生但馬守を演じた萬屋錦之助も、すっかりテレビ俳優になった時代。
以前書いた『子連れ狼』の拝一刀とか『破れシリーズ』なんかでお茶の間でお馴染みになった萬屋錦之介が、歌舞伎役者さながらな演技(元々梨園の人です)で
外連味タップリに陰謀と某略を巡らせる「悪の主人公」をやってんだけど、ぶっちゃけスッゲーーーーー浮いてるのw
他の豪華キャストも若手(この映画が真田広之の子役引退後復帰第1作です)も現代風に演じてるから余計浮く浮く。
(三船敏郎も丹波哲郎も芦田伸介もクドくない演技)
深作監督も、どーしても他の演者と馴染まない錦之介に「なんとかなりませんか?」と言ったらしいけど、「このまま演ります」とガンとして譲らなかったらしい。
元々、この企画を持ち出したのが「善の主人公」十兵衛を演じた千葉真一で、自分のアクションチームJAC(当時)を総動員して派手なスタントを自身も吹き替え無しでやり、「kirareyaku 」の福本さんも当時JACに籍を置いていたので珍しくいっぱい喋ってますw

以前書いた事があるけど、撮影時高校生の真田広之(高校に入学するまで千葉ちゃんに学業優先するよう言われ、旧知の深作欣二監督作で復帰した)が、
撮影初日でガッチガチに緊張しているのに脚本には無かった初対面の女優さんとのキスシーンをやらされ半泣きだったらしいw
あんまりにもオタオタし過ぎて、監督に1メートルも離れていない位置から「人生経験が足らん!!!」とメガホンで怒鳴られたそうですw
で、アフレコで映像を観たら自分の髪の毛で隠れてキスもクソも分からない映像で、「二度と男としての『初めて』は映画ですまい!」と誓ったそう。
(けど、深作欣二には『男との初めてのキス』も実はやらされている可哀想な真田さんw)
ああ、脱線したwとにかく深作欣二は真田さんがお気に入りで、新人(大人?になってから)俳優として異例の抜擢で、出ずっぱと言っていい程映ってます。

で、深作欣二十八番の人間群像の中で、終始萬屋錦之介の演技が浮きまくるんだけど、最後の最後で大逆転があって、これは萬屋さんに軍配を挙げたい。

歴史が物語っている様に、駿河大納言は跡目争いに敗れ、家光が三代将軍になる。そこで根来衆は捨て駒にされ、宗矩に一族皆殺しに遭う。
ここまで脚本を書いた深作監督以下脚本家の面々は、「ここまで非道な事やったんなら宗矩は殺すっきゃ無いっしょ」という事で一旦は話が纏まるんだけど
(映画の事なので丸々史実に忠実じゃ無くても問題無し)
「いや、悪の主人公が善の主人公に単に粛清されるより、十兵衛が大切にしていた物を奪った報いはもっと絶望的な方がいいよ、死ぬだけじゃつまらん」
と、なんと十兵衛に家光の首を取らせて親父(宗矩)に投げ付けさせて、宗矩の利き手まで切断させる。(剣で生きる者としては死ぬより残酷)
書き上がった脚本を観て、恐怖のw岡田社長以下重役はホンは気に入ったけれど「幾ら何でもこんな悪役あの萬屋錦之介がせんのと違うか?」と、
錦之介が断る前提で、第三候補位まで宗矩役を上げるように指示したらしい所、あっさり錦之介が脚本を読んで快諾した。
で、あの鼻につく歌舞伎風な大業な演技を貫き通して、ラストの家光の首をかき抱いて「夢じゃ夢じゃ!これは悪い夢でござるうううううううう!!!!」まで持っていく。
このラストの錦之介は凄い良い。「なんだこの宗矩!拝一刀の方が良い!」と、子供ながらに不満を持ったワタクシメが動けなくなる位の迫真の演技。
千葉ちゃんの如何にも剣のみに生きる剣客十兵衛と、地位と我欲の為に暗躍する策士宗矩の対比がラストで見事に生きてくる。
鼻に付くとか思って正直スマンカッタ@錦ちゃん

テレビ版は映画版で同一役をやった人(サッサと死ぬ人多し)がいっぱい出てくる。
美味しいけどチョイ役だった成田三樹夫さんの烏丸中将が悪役でビシッと出てきます。
志穂美悦子さんの茜さんも映画だと前半で死んじゃうけど、最後までいるし、映画版で左門を演じた(これまた序盤で死ぬ)
千葉ちゃんの実弟矢吹二郎さんも根来衆のリーダーで出てるし(もう俳優さんはしておられません)
真田さんもまだ学業優先だったので、中盤から(第1話のゲスト出演とは別の役で)準レギュラーで違う忍者で出てきます。(映画版でもちゃっかり生きてるんだけど)

テレビ版、ソフト化無いんだよねえ.....色々大人の事情があるんだろうけど、千葉ちゃんの十兵衛さんって映画は残っててもテレビは一切無いの......
『影の軍団』よりわしゃ柳生十兵衛三厳がまた観てぇよーーーーー(つい最近まで『影の軍団Ⅱ』かな?サンテレビでやってた)

またテレビ版、真田さんの「男相手のファーストキス」ありの『魔界転生』についても書きたいと思うですよ!!!
とにかく、千葉真一の柳生十兵衛三厳は誰も越えられない当たり役です!!機会があれば是非!!!

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コメント

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3 ■おはよーございまーす

>カズさん

これは最高!登場人物全員立ってる!!!


だがな.....うんこ映画スキーはシリーズ全部観てひっくり返るまでが様式美だからね!!!
ちゃんと徳川家まで観るんだ!!!

2 ■無題

こんにちは
先週見直しました(笑)
錦之助さんの演技好きでした(笑)
もう多分見れない本格派時代劇ですよね

1 ■初コメです!

洋子と申します。AMEBURO検索でヒットして来ました。とても参考になります(^^)是非、お互いに情報交換できたら嬉しいです。こんな素敵なブログを見た後で大変恐縮ですが、私のブログもご覧いただけると嬉しいです。

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