産業生態系の革新力を引き上げる策としては、技術革新に向けた政府の確実な計画立案(17%)、産学研の研究システム改革(17%)、工業大学の教育革新(13%)も挙がった。暁星重工業のパク・スンヨン研究所長は「政府が大学と政府系研究所を直接支援しているため、大学と研究所が(企業のことを考えず)政府ばかりを気にして研究をしている。企業にも大学にも問題があるが、最大の問題は政府の役割だ」と指摘している。
■「大学教育と社会的ムードの刷新を」
CTOらは、韓国の大学の理工系教育にも苦言を呈した。理工系出身の研究者の能力について、回答者の54%が「過去と比べて低い」と指摘し「以前よりも高い」との回答は19%にとどまった。理工系出身者の能力は過去の68%水準と評価された。LG化学のチョ・ウォンソク技術顧問は「R&D担当者の仕事をやり遂げようとする熱意、問題を自分で解決しようとする意識は過去よりも低い」と評している。
こうした問題意識は韓国の起業環境への憂慮にも表れている。グーグルやフェイスブック、テスラのような革新的なベンチャー企業が韓国で生まれない理由を複数回答で尋ねたところ「革新的な技術とクリエイティブなマインドを持つ技術者がいないため」(27%)、「大企業中心の産業生態系ではベンチャー企業やスタートアップ企業が育ちにくいため」(26%)、「失敗を受け入れる風潮や制度がなく、再起が難しいため」(26%)といった回答が上位を占めた。「長い目で見て投資する、本当の意味でのベンチャーキャピタルがないため」(12%)という回答もあった。
ある中堅企業のCTOは、大企業が好むスペック(学歴や資格など)を満たした、独創性のない人材では大企業をまねることしかできないとし「大学教育の枠組みと社会的なムードを変えていかなければ、起業も技術競争力の強化も望めない」と警鐘を鳴らした。