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【格闘技】

井上尚弥KOボーイさらに進化

2016年5月7日 紙面から

そろってポーズを決める(左から)WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥、同挑戦者のダビド・カルモナ、IBF世界ライトフライ級王者の八重樫東、同挑戦者のマルティン・テクアペトラ=東京・飯田橋のホテルグランドパレスで(斉藤直己撮影)

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 ダブル世界戦(8日、東京・有明コロシアム)の調印式と記者会見が6日、東京都内であった。2度目の防衛戦に臨むWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23)=大橋=は、同級1位ダビド・カルモナ(25)=メキシコ=戦へ向け自信をのぞかせた。IBF世界ライトフライ級王者・八重樫東(33)=大橋=は、同級11位マルティン・テクアペトラ(26)=メキシコ=と初防衛戦を行う。

 「5カ月前より進化した試合を見せられると思います」

 2度目の防衛戦となる井上尚が、はっきりと言った。昨年12月、当時同級1位だったパレナス(フィリピン)を2回1分20秒でKOに沈めた試合から半年もたっていないが、さらなる進化を遂げた自信があるのだ。

 ここ5試合連続でKO勝ち。特にスーパーフライ級へ階級を上げてからは、タイトルを獲得した2014年12月のナルバエス戦で2回3分1秒TKO、そしてパレナスとの初防衛戦で2回KOと、軽量級の枠を超えた倒し屋ぶりを見せつけている。

 そして今回、2月の熱海合宿で砂浜を走り込むなどの下半身強化で、さらにパンチ力が上昇。自らも「パワーアップはすごく実感している」と言う。進化の言葉には確かな裏付けがあった。

 一方で、冷静さも忘れない。「結果にとらわれて初回KOとかを狙いに行くより、自然体で、自分本来の打たせずに打つ、組み立てていくボクシングを見てもらいたい」という。

 ただ、狙わなくても倒せてしまうのが今の井上尚だ。「練習でも、ガードの上から相手を倒してしまう場面を何度も見ています」と大橋会長。調整も今までにないほど順調だという怪物は、リングで最高のボクシングを見せてくれそうだ。 (藤本敏和)

 会見の冒頭で、八重樫の表情がぴりっと引き締まった。2王者が所属する大橋ジム・大橋秀行会長(51)の「内山高志選手(前WBA世界スーパーフェザー級王者)が4月27日に敗れてからボクシング界が暗い。ムードを吹き飛ばす、内山選手がまたリングに戻って来たくなるような試合を期待したい」とスピーチ。同時期に拓大ボクシング部に所属した後輩・八重樫にとっては特別な名前だった。

 「もし見てもらえるなら、刺激になるような試合がしたい。何でもいいので何かを感じてもらえればいい。拓大魂、見せようかなと思います」と八重樫。挑戦者テクアペトラはタフなファイターで、八重樫と似たタイプ。「どんな形にせよ勝ちに執着して頑張りたい」という。先輩の内山に言葉にならないメッセージを届けるために、覚悟を決めている。

 

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