GDP(国内総生産)とは面白い指標で、支出面(=需要)で見ると、国内の消費と投資、そして純輸出(=輸出から輸入を引いたもの)の合計になっている。ポイントは「投資」である。
設備投資とは、市場の需要に対し、生産が追い付かない場合に実施する。モノやサービスの生産能力を高め、市場への供給量を増やすのだ。
あるいは、住宅投資は、もちろん「居住する」という便益を得るために実施される。無論、別の誰かに賃貸しても構わないが、いずれにせよ誰かの居住を前提としている。
ところが、設備投資にせよ、住宅投資にせよ、市場や顧客、居住者が存在しなかったとしても、とにかく投資すれば「GDP」は増えるのだ。すなわち、経済が成長する。
信じがたいかもしれないが、稼働しない工場、誰も住まない住宅に投資しても、GDP成長は実現する。納得がいかないかもしれないが、そういう統計なのである。
お分かりだろう。目の前の経済成長「のみ」を追い求め、過剰な設備投資、過剰な住宅投資を継続し、見た目のGDP成長率をかさ上げすることを続けてきたのが、現在の中華人民共和国なのだ。
特に問題なのは、全土に鬼城(=ゴーストタウン)を生み出した住宅投資よりも、むしろ設備投資の方である。中国は、需要と無関係に設備投資により供給能力をかさ上げし、多くの産業が完全にデフレギャップ(需要過小)に陥った。