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【サッカー】ハリル監督が熊本の被災地訪問 「A代表で勇気づける」2016年5月6日 紙面から
サッカー日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)が5日、熊本地震で被災した熊本県の各地を訪問した。滞在約8時間で7カ所を巡る分刻みのスケジュールに、最後まで笑顔を絶やさず合計1000人近い被災者を激励。厳しい被災地の状況を見て日本国民の団結を訴え、自らはロシアW杯アジア最終予選の突破で被災地を勇気づけることを誓った。 こどもの日に急きょ実現した日本代表監督の訪問に、多くの笑顔が生まれた。日本サッカー協会の田嶋会長とともに地震後初めて熊本を訪問したハリルホジッチ監督。新幹線到着直前には震度4、午後にも震度3と余震が相次ぐなか「ここに来られてうれしいと同時に悲しい気持ちも深い」と複雑な表情で語った。 自らが熱望した分刻みのスケジュールだった。まずはJFAアカデミー宇城で地元の子どもたちを激励すると、約800人が暮らす避難所も訪問。今後の住宅対応など担当者に質問もぶつけ、鹿島DF植田の父親に会うと、「植田はかなり能力がある。早くA代表に入ってほしい」と語りかけた。熊本県庁では蒲島知事と会談。「代表監督として、団結を見せないといけない」と誓うと、熊本での日本代表戦の開催を要望された。 さらに甲佐町では約400人の熱烈な歓迎を受け、J2熊本の元日本代表FW巻に促されて子どもたちのミニゲームに飛び入り参加。PKを決めるなど盛り上げ、ほぼ全員にプレゼントを渡し、サイン攻めと写真攻めにも可能な限り応じた。 そして最も甚大な被害の益城町へ。車内から倒壊した街並みを視察した後に避難所を訪問し、お年寄りや、地元の小学生チームと女子チームら約200人と触れ合った。最後に空港近くで精神障害者サッカーチームとも交流した。 「一人の人間として、そして代表監督として、絶対に来なければならなかった。ユーゴの内戦では私の家も益城と同じような状況で、戦争の悲しい記憶がよみがえった。ただ人生は続いていく。A代表はみなさんを、特に若い世代を勇気づけなければならない」。子どもたちの前では決して疲れた表情は見せず、別れ際には何度も両手を合わせて感謝を表しながら、熊本訪問を全力でやり抜いた。 (宮崎厚志) PR情報
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