伊藤八段、詰将棋の創作50周年記念作品集「果し状」出版

2016年5月6日6時0分  スポーツ報知
  • 作品集「果し状」を出版した詰将棋作家の伊藤果八段

 1977年からスポーツ報知に詰将棋を寄稿している伊藤果(はたす)八段(65)が創作50年を記念して、作品集「果し状」(日本将棋連盟、5184円)を出版した。

 奨励会二段時代の15歳から詰将棋を作り始めた伊藤八段が単行本などで発表してきた2万題以上の中から厳選し、新作も収録した計200題の作品集。題名は挑戦的だが「ずっと詰将棋を作る生活を続けてきた半世紀分の詰まった思いを、手紙のように受け取っていただけたら」と語る。

 「亡くした妻以外で、生涯で詰将棋ほど愛したものはないです」。2011年で引退するまで36年間、現役棋士として勝負の世界を生きた。NHK杯戦準優勝、竜王戦1組在籍などの実績を持つが「指し将棋の研究は人生で2時間しかしたことないです。勝負事より、闘志のいらない詰将棋の方が向いていたのかも」。白熱の終盤戦では勝利への執念を発揮するより、発見した詰み手順の美しさに酔いしれてしまっていたとか。

 24時間365日、頭の中には将棋盤がある。「俳人が俳句を詠んだり、画家が絵を描くのと同じです」。アイデアが浮かべば、すぐにスマートフォンに保存。創作に入る。「命ある限り詰将棋を作り続けます。私にとって、人生を懸けられる遊技ですから」(北野 新太)

 ◆伊藤 果(いとう・はたす)1950年9月16日、京都市生まれ。65歳。故・高柳敏夫名誉九段門下。11歳で将棋を始め、63年、奨励会入会。75年、四段(棋士)昇段。80年、連勝賞。81年、新人王戦準優勝。2011年引退。弟子に長女の伊藤明日香女流初段、及川拓馬六段、上田初美女流三段ら。詰将棋作家として81年に塚田賞受賞。本紙には77年3月7日付から寄稿し続けている。

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