下町・小岩。毎夜多くの人が集う謎の一角がある
下町・小岩駅に、毎晩多くの人が集っている謎の一角がある。
南口を降り、観光客などほとんどいない地元民御用達の昭和通り商店街を2〜3分ほど歩けば、突如として姿をあらわす黄色い一角だ。
はじめてここを通りかかった夜、看板もなく、扉もないこの場所に、老若男女入り混じった20人ほどの人々がギュウギュウ詰めで立ってお酒を呑んでいたので「お店でもなさそうなのに、なんだここは!?」と驚いたものだ。
その正体は焼き鳥屋さん。
「鳥勢」という小岩で人気の焼き鳥屋で、ご主人さんがカウンターの向こうで黙々と串を焼き続けている。持ち帰りもできるし、この場ですぐに食べながら一杯ひっかけていくことも可能だ。
開店直後にもかかわらず客足は絶えず、みんなそろって5本10本とまとめて買ってく。昼間ということもあって、さすがに一杯やってくお客さんはほとんどいなかったが、常連とおぼしきおじさんが「6時に来るから、いつもの焼いといて!」と予約だけして自転車でちゃーっと帰っていった。「昨日、誕生日パーティーを開いたお客さんがいてね〜」なんて話しもされてたので、地元民の憩いの場として、がっつり機能しているようだ。
焼き鳥は全品60円均一。なんともお財布にやさしいお値段だ。ラインナップも10種類ほどあって豊富だし、「玉子」や「油つぼ」などよそではあまり見かけない串もちらほら存在する。
お子さんの手書き貼り紙がなごむ。
売り切れ次第終了。結構9時前に閉めてることも多いので、時間には余裕をもって来店しよう。
ビールやチューハイも大変お安いお値段だ。
鳥勢1時間ルール。ちゃっちゃっと呑んで食って、ちゃっちゃっと帰るのが基本だ。まあ、立ち飲みなんでね、長居は無用。入れ替わり立ち替わり、いろんなお客さんがやってくるからか、夜の鳥勢はすごく活気があるのだ。
せっかくなので、この場で食べていくことにした。
飲食スペースと外界を隔てるものはなにもない。バーベキューにも近しい、いたってオープンな感覚で焼き鳥をいただく。これからの暖かな季節は、鳥勢にぴったりのシーズンと言えよう。
7本注文しても420円。
1串あたりについてくるお肉が3個ぐらいだから、1人で行ってもいろいろ食べられるのが嬉しい。
玉子にネギま、軟骨、レバーなどを次々といただいた。特製の甘辛タレがうまい。
夜に一杯ひっかけるもよし、昼間おやつ代わりにつまんでいくもよし、なかなか使い勝手のいい焼き鳥屋さんである。
取材したお店
鳥勢
住所:東京都江戸川区南小岩7丁目23-19
作者:松澤茂信(まつざわしげのぶ)
東京別視点ガイド編集長。
るるぶとか東京ウォーカーが積極的に載せないようなとこばっかし巡ってます。
そういう人生です。けっこー楽しいです。
(編集:編集プロダクション studio woofoo byGMO)
東京別視点ガイド:http://www.another-tokyo.com/
Twitter:https://twitter.com/matsuzawa_s