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2016年05月06日

「はじめの5秒の使い方で変わる」…ゲームアプリとの親和性が高いYouTube動画広告「TrueView」の効果的な打ち出し方とは Google社に訊く

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数多くのゲームアプリがリリースされている昨今、どれだけユーザーの目に触れさせるかなど、プロモーション手法の難しさが取り沙汰されている。頭ひとつ飛び抜けるためには、的確なユーザー層に向けた広告、それに伴うクリエイティブが必要とされるだろう。

なかでもゲームアプリとの親和性が高いのは動画広告。とりわけYouTube内で展開されている動画広告「TrueView」は、最も馴染み深いプロモーション手法のひとつだ。しかし、実際に有効的に活用している企業は、まだまだ少ないのではないだろうか。

本稿では、アプリ広告や開発者向けのアプリプロモーションに携わるGoogleの担当者にインタビューを実施し、効果的な動画広告の打ち出し方を、事例をもとに紹介。


■そもそも「TrueView」とは



「TrueView」は、広告視聴単価(CPV)を基準にして料金が発生する動画広告。ユーザーが YouTube内などで動画を視聴する前や、動画の検索時、おすすめ動画の閲覧時などに表示され、匿名化された属性や興味関心にターゲティングして配信できるようになっているのが特徴。動画制作費はかかるが、視聴された分にのみ課金される仕組みなので手軽に始められるのも魅力だ。

「TrueView」のファーマットも様々。たとえば、我々が最も馴染み深いインストリームは、動画が開始する前に表示される広告動画。“5秒後にスキップ”など実際に見かけることも多いのではないだろうか。そのほか、検索ワードに合わせてユーザーの興味あるおすすめ動画が最上位に表示されるインサーチ、関連動画で届けるインディスプレイ、バナー広告枠に動画広告を流すディスプレイネットワークなどその種類は多岐にわたる。
 


 

■「はじめの5秒の使い方で変わる」…効果的な動画広告の打ち出し方とは


グーグル株式会社
モバイルアプリソリューション
アジア太平洋地域統括マネージャー
有木 剛

モバイルアプリソリューションスペシャリスト
武田 圭司


――:本日はよろしくお願いします。昨今、ゲームアプリ市場のなかで動画広告の注目度が高くなってきています。なかでも「TrueView」を展開するYouTubeは、モバイル通信回線の加速やデバイスの普及などで、その価値は一躍向上したかと思います。改めて、スマートフォンと動画視聴の親和性についてどう思われますか。

有木剛氏(以下、有木):YouTubeのアプリをリリースしてからは、モバイルから視聴する層が拡大してきました。とくにYouTubeで「何か楽しいことを探したい」というエンタメ思考が強く、そういう意味ではゲームとの親和性は非常に高いと思います。さらに実況動画の普及もそこに後押しされて、次々とゲームのユーザーがYouTubeを視聴してくれるようになりました。


――:「YouTuber」でゲーム実況する方々の登場により、ゲーム動画の投稿数も増えてきているのでしょうか。

武田圭司氏(以下、武田):増えてきていますね。特定のYouTuberに限らず、顔・名前出さずとも様々なプレイ方法でゲーム動画を投稿する方が多いです。自分がプレイしているゲームを、ほかの人はどういうふうに遊んでいるのかなど、検索を通してYouTubeで探すというのが増えてきた印象です。攻略動画はまさにそれにあたりますね。


――:そうしたなかで動画広告「TrueView」の存在は大きいですね。スマートフォンの普及により、動画広告のフォーマット自体も変化したかと思います。
 

▲有木 剛 氏

有木:ええ。「TrueView」にアプリプロモーション用のフォーマットが導入されたのは、2014年末でした。アプリ版でYouTubeを視聴していると、広告対象アプリのインストールボタンが分かりやすく表示されていますし、スムーズな導線が確保されているのが魅力です。

武田:動画が流れ 5 秒経つとスキップできるようになる Trueview インストリーム広告はたとえ広告をスキップした後でも、見たい動画の本編を視聴している間、画面下部にはそのまま広告対象アプリのタイトル・アイコン・評価が残っています。

「今は本編動画が見たいから広告はスキップするけれども、このゲームには少し興味があるかも」というユーザーに対して、最後までしっかりとアプローチできます。加えて、インストリーム広告は本当にそのゲームに興味がなく、スキップもクリックもしない場合、料金は発生しませんので、出稿側にもメリットがあります。


――:恐らく多くのゲーム企業が「TrueView」を活用していると思いますが、実際の企業数としてはいかがでしょうか。

有木:上位にランクされてようなアプリは「TrueView」を利用されているケースが多いです。ただ、実際に効果的に活用していくのにはハードルがあります。例えば、“動画制作が大変なのでは”とはよく言われます。


――:ただ人気のアプリを提供されている企業は、テレビCMなどを通してすでに動画を制作されているところがあります。実際にYouTubeに流れる動画広告は、テレビCMのクリエイティブが使われることもあります。そういう意味では、テレビCMを展開していない企業にとっては新たに動画を制作したり、既存PVの編集作業をしたりと、やや大変になるかなと思います。

有木:そうですね。マーケットを見ていると、競争が激しくなってどれだけ自社のアプリを露出させるのかが重要になってきているなか、やはり音と映像で差別化しなければならない時代になったのかなと思います。また、制作した動画はGoogle Play上にも掲載できますので、様々な面で制作した動画は有効活用できます。

武田:逆にテレビCMを実施されている企業でも、YouTube用に新しく作り直すことも増えています。はじめの5秒間で興味を引き、スキップされないようなクリエイティブにするなど、工夫されていらっしゃいますね。

有木:動画広告を一回試しただけでは、すぐに成功したかの効果は測りづらいかもしれません。更新頻度を上げたり、複数のクリエイティブを同時に走らせたり、出てきた数字に対して、PDCAサイクルで工夫していくことが大切です。


――:タイトルの配信前後において、どのように動画広告を活用されているのでしょうか。 

有木:一般的にローンチ直後は、インストールをどれだけ最大化できるかがポイントになります。なかでも適しているのが、ユニバーサルアプリキャンペーンです。このキャンペーンは、目標CPIを設定するだけで、検索・ディスプレイ・Google Play・YouTubeへと自動的に広告が表示できる広告サービスです。


――:なるほど。その後運営を続けていくと、インストール率からLTV(顧客生涯価値)に目標をシフトしていくかと思います。

有木:はい。ある程度インストールのボリュームが獲得でき、かつ採算が合うアプリであることが判明した段階で、「TrueView」を活用した動画広告にアクセルを踏んでいく流れとなります。


――:リリースの前後にて、動画のクリエイティブを変更することもあるのでしょうか。
 

▲武田 圭司 氏

武田:あります。リリース直後はインストール数を増やしたい、その後は長く遊んでくれるユーザーを集めたい…といったように求めるユーザー層により動画のクリエイティブを変更します。ゲームの種類によっても変わりますね。たとえば、誰でも気兼ねなく遊べるカジュアルゲームでは、「流行っている」印象を与えるためにタイトルを記憶してもらう工夫をすることが多いです。ミドルコア以上のタイトルになると、そもそもターゲットとなる層がしぼられるため、ゲームの内容を動画内でしっかり伝えてることが重要となります。


――:具体的にどのような違いがあるのですか。

武田:はじめの5秒の使い方で変わっていきます。

前者の場合は、とにかく最初の5秒でタイトル(音声含む)をアピールして、スキップするユーザーに対しても「聞いたことがある」という印象を残すために使います。後者の場合は、最後まで視聴してもらうことに注力し、タイトル名を出すよりも「興味を持たせる 5 秒間」に仕上げてくることが多いです。

あらかじめゲームの世界観やプレイ画面を見せることによって、ユーザーにとっても実際にゲームを遊んだ際、「思っていたのと違う」といった誤解や不幸な出会いを減らすことができます。動画制作の段階では、これらを意識してクリエイティブ制作することが大事ですね。


 

■実際にどれだけの効果があるのか 事例を交えて紹介


――:「TrueView」を活用したタイトルの事例はありますか。

武田:BlazeGamesさん開発の『リトル ノア』では、「TrueView」を活用されながら同時にブランド認知やサーチリフトなどの調査も実施されました。同作では、リリース後にテレビCMを展開し、同時に「TrueView」を視聴したユーザーがどれだけタイトル名を認知したか、検索するようになったのかを定量的に評価しています。

具体的には、サーチリフト調査を通じて、動画を視聴した人とスキップした人が、それぞれ接触しなかった人と比べてどれだけ『リトル ノア』というキーワードを検索するようになったのかを計測しています。

テレビCMのほとんどが「○○で検索」というフレーズで締めていると思いますが、これはタイトル名での検索を促すことで、自然流入数を増やすためです。かつ、これらのユーザーはタイトルに対して意欲的であり、結果としてLTVが高く、長くプレイしてくれるユーザーを集められるのです。
 


――:検索数の重要性ですか。思えばプロモーション直後は、ついついアクティブユーザー数のほうに目が行きがちです。

武田:多くのゲームクリエーターが、テレビCMに限らずOOH広告など大規模なプロモーションを展開した期間の、アクティブユーザー数の増加を気にされます。もちろん増加数は重要ですが、この結果にはテレビCMだけではなく、YouTube などのオンラインビデオや WEB 広告を見て検索する方など、様々なタイプのユーザーが存在します。「TrueView」はサーチリフト調査を併用することで、検索行動への影響を定量的に評価できます。「動画を見たから自然流入が増えた」ではなく、その間で具体的に何パーセント検索数が伸びたかを測れます。


――:なるほど。 

武田:一般的な検索キーワードのトレンドは、かなり大規模な広告展開を実施しないとなかなか出てきません。局地的にあるクリエイティブを展開した際の検索の伸びを確認できる本調査を活用して色々なクリエイティブを事前にテスト配信し、どのパターンが一番検索数として伸びるのかをあらかじめ見極めることも可能です。このように「TrueView」で事前テストを行ったうえで、テレビCMなどのマスメディアにそのクリエイティブを活かす企業もあります。


――:実際に『リトル ノア』ではテレビCM+「TrueView」を通した施策で、どのような結果になりましたか。

武田検索数は約14倍にも伸びました。ただ、もとの検索数が小さいほど伸び方も大きく変わっていくので、一概に良い悪いは言えませんが、これはかなり上手く行っているほうだと思います。


――:「TrueView」で測定したデータは、本当に様々なところで使えると思います。そのほか数値として判明したことはありますか。

武田:「TrueView」に接触した人と接触していない人とを比較すると14倍もの伸びがあったわけですが、これをスキップしないできちんと視聴した人と、接触していない人で比較すると約40倍近くも伸びるという結果となりました。

動画を視聴すると分かりますが、あえて冒頭にはタイトル名を出さずに、後半に持ってきています。これがスキップによって検索数増加が大きく変わる要因であると考えられます。戦略シミュレーションゲームかと思いきや、可愛らしい世界観やユニットなども登場して、『リトル ノア』の雰囲気をきちんと理解したユーザーが、より積極的に検索していることがわかります。


――:本当に興味がある方などを抽出できるのは利点ですね。このように企業側がYouTubeを活用した動画広告は、今後も増えていく傾向でしょうか。

有木:そうですね。なかでもゲーム分野に関しては、動画の投稿数・視聴者数・チャンネル数も含めて圧倒的で、動画広告との親和性も高いです。広告には、顕在層を“獲得”するタイプと“作っていく”タイプの2種類があると思いますが、YouTubeは後者の作っていくものとして非常に優れているプロダクトになります。


――:動画広告の段階でゲームの魅力を伝える。合う、合わないはもちろんありますが、本当にそのゲームを気に入った方ならば、インストールはもとよりLTVが高いユーザーに対しても魅力を伝えられるのかなと思います。

有木:ええ。また、ターゲットを何処にするかによって、制作するクリエイティブも変わっていきます。そのあたりをリサーチしながら、臨機応変に(動画)クリエイティブを変えていくことも大切です。YouTubeは長く利用できるうえに、そのなかで異なるターゲットに対してリーチできるので、長期的にパフォーマンスが安定しているところがあります。実際に一年以上も継続して動画広告を展開している企業もいらっしゃいます。

面白いのは、イベントと絡めた形で展開するケースもあります。たとえば、期間限定やコラボイベントなどを題材とした動画を制作することで、そのタイミングで集客の山を作ることもできます。


――:企業やタイトルによってまちまちですが、リリース前後はどちらのほうが主流ですか。

有木:今はリリース後のほうが主流ですね。運営中のタイトルが伸び悩んできたとき、かつテレビのような規模の大きいプロモーションが打てないときに、「TrueView」を活用される印象ですね。最初はコストを抑えつつ、徐々に増やされることが多いです。


――:「TrueView」は、事前の調査が出来るのも魅力だと思います。

有木:じつは、ブランド効果測定を通して他社のタイトルとの比較もできます。これは、きちんと該当タイトルが認知されているのかを調べるもので、動画広告に接触した人、そうでない人に対して、視聴者アンケートが飛びようになっています。

武田:自社タイトルと一緒に、最大で3つまで他社のタイトルをアンケートの設問として入れることができます。質問は「以下のなかで知っているものを選んでください」といった具合です。アンケートを通して自社タイトルの認知度を図ることができると同時に、3つの他社のタイトルもどれほどの認知度があるのかも知ることができます。

アンケートでも同様にスキップしたかどうか、男女や年齢ごとに、細かい分析をすることができます。なので、マーケットにおけるベンチマークになることはもちろん、定期的にタイトルの認知状況を確認する、定期検診のようなものとしても活用されています。

何より自分たち、そして競合タイトルのポジションが今どこにいるのかが分かるため、この認知度を新しい目標値として設定できたり、次のキャンペーンの方向性を決めやすくなるのも魅力ですね。


――:四半期毎、テレビCM、リアルイベントなど、定期的に実施していくことで、認知度がどう変化していくのかを定点的に調査できますね。

武田:そうですね。オンラインで実施される調査ではあるのですが、使い方次第ではテレビCMの前後に「TrueView」と一緒に調査を行うことで、非接触ユーザーの認知度が出ます。

これらの調査は、「TrueView」を利用している方々であれば特に追加での調査費用は不要です。通常、「TrueView」の調査は最短3日~7日で結果が出るので、PDCAを早いサイクルで回したい企業からとくにご好評いただいております。


――:分かりました。本日はお話いただき、ありがとうございました。
 
(取材・文:編集部  原孝則)
 
 
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