英国とイスラエルに拠点を置くスタートアップ企業が5月、かつてないレベルのテクノロジーとセキュリティを備える超ハイエンドスマートフォンを2万ドル弱で発売する。
Sirin Labsは4月25日、このスマートフォンの販売に向けて7200万ドルの資金を調達したことを明らかにした。このスマートフォンは主に企業幹部にターゲットを据えている。同社は5月、ロンドン有数の高級地区であるメイフェアに最初の店舗をオープンする計画という。
「当社のスマートフォンには、まだ商用化されていない最先端のテクロジーとほぼ軍事レベルのセキュリティが組み込まれている」とSirinの共同創業者で社長のモシェ・ホゲグ氏は語る。
このスマートフォンはAndroid OSをベースとし、まだよく知られていない最先端の技術を大衆市場に2〜3年先行して搭載するという。
ホゲグ氏はReutersの取材に応じ、このスマートフォンを2万ドル弱で販売する計画だと語った。
同氏は、このくらいの価格であれば米国や欧州の何千人という企業幹部が支払うはずだと確信している。ハッキング攻撃を受けた場合の情報漏えいのコストのほうがはるかに高く付くからだ。
ホゲグ氏は、世界の高級スマートフォン市場の規模を約11億ドルと見積もっている。スマートフォン全体の売上高と比べるとごくわずかな規模だ。現状では、高級スマートフォンの大半はステータスのために販売されており、通常のスマートフォンにゴールドやダイヤモンドがあしらわれたものがほとんどだ。
英国Vertuは1万〜30万ドルの価格帯で各種の高級スマートフォンを販売している。Appleの「iPhone 5」をブラックダイヤモンドで装飾したモデルは1530万ドルで売買された。
Sirinの資金は、ホゲグ氏が共同創設し、カザフスタン人の投資家ケンジス・レイキシェフ氏が支援するイスラエルのベンチャーキャピタル大手Singulariteamのほか、中国のソーシャルネットワーキング会社Renrenから調達した。
このスタートアップ事業のアイデアは、2013年にレイキシェフ氏のスマートフォンがハッキング攻撃に遭った際に思い付いたものだという。レイキシェフ氏はホゲグ氏に対し、なぜプライバシーを確実に守れるスマートフォンが販売されていないのか、なぜIT展示会やメディアで紹介される新しいテクノロジーが実際の商品に搭載されていないのかと尋ねたという。
「当時、ハイエンド技術と最強のセキュリティを組み合わせた優れたソリューションは1つもなかった」とホゲグ氏は語る。
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