ぼくがはじめて自分のおこづかいでマンガ雑誌を買ったのは小学校1年生のときで、やまほど『ドラえもん』が読める「コロコロ」だった。しばらくして『リングにかけろ』を何回も何回も読みなおすため、少年ジャンプを買うようになり、ガンプラブームに巻き込まれて『プラモ狂四郎』を読むために「ボンボン」も買うようになった。高校生になって(1986年)になると、なぜか「モーニング」と「スピリッツ」が週刊化され、この2誌も読みはじめた。
このラインアップ、何がポイントかというと、今で言うところの「女性のグラビア」がのっていなかった。「マンガは読んでても、ぼくは硬派」アピールがしたかったわけではない。偶然なのだ。現在の「スピリッツ」は巻頭グラビアが掲載されているが、これが始まったのは2002年からである。
「グラビア」がのっているマンガ雑誌を通学の電車で読み耽るのは、確かにちょっとはずかしい気がしたが、べつにだからといってそれが理由でその雑誌を買わなかったことはない。「偶然に」友達が、「ヤンマガ」や「ヤンジャン」を買っていて、それを学校で交換できたから買わなかった。
でも、なんでぼくは「はずかしい」気がしたのだろう。今回紹介する『グラビアトリ』を読んでみてその理由がなんとなくわかった。ぼくは「グラビア」を「表現」と認めていなかった。きわめて実用的なコンテンツと感じていたんだと思う。現在の「グラビア」では、女性のコンプレックスを魅力に転化したり、写真で仮想プライベート空間をつくり、その世界に読者を誘い込むなどのさまざまな表現が用いられている。男性だけでなく、女性でも楽しめる、「表現」としてのグラビアもたくさん出てきている。
『グラビアトリ』は、そんな「グラビア」の歴史と魅力を描いている。それに加えて、最高のカメラマン、最高のスタイリスト、最高のヘアメイクが揃い、チームになる過程の物語には抗いがたい魅力がある。
こうしたストーリーの魅力とともに、「無理によせて上げた胸」の谷間がどうなるか?などのグラビア豆知識も満載で、オトクすぎるマンガである。
この『グラビアトリ』は、ぼくのように「偶然」を装って、グラビアに関心をもっていないフリをしていた男性に特にオススメである。また、この作品の編集担当は、2016年のマンガ大賞を受賞した『ゴールデンカムイ』担当の大熊八甲さんなので、『ゴールデンカムイ』を楽しんだ方は、『グラビアトリ』もぜひ読んでみてほしい。
会員登録いただくと、記事へのコメントを投稿できます。
Twitter、Facebookにも同時に投稿できます。
※ 2014年3月26日以前にHONZ会員へご登録いただいた方も、パスワード登録などがお済みでない方は会員登録(再登録)をお願いします。