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第三話:異世界で地球のお金を稼ぐには
実況が終わったので、掲示板のほうに戻る。
「めちゃくちゃ掲示板のレスが進んでるな」
どうやら、実況をしている間に、コメントだけでなくこちらも盛り上がっていたらしい。
233:1◆0UYgwhZXLvwt
どうだ、信じてくれたか? 本当に異世界に来ちゃったんだよ
235:名無しの無職
信じるのでお父さん
マユキさんを僕にください
236:名無しの無職
マユキちゃんは俺の嫁
237:名無しの無職
キツネ尻尾に鼻をうずめてくんかくんかしたい
238:1◆0UYgwhZXLvwt
そんなのはいいから異世界でamozon無双する方法を早く
239:ミリオタ無職◆Fl1oLLcgPU
それについては、既に俺たちの中で結論が出ている
そもそも、>>1。おまえはさ、生き物を殺せるか。ナイフで
240:1◆0UYgwhZXLvwt
無理っぽい。手に感触が残るのはきついな
241:ミリオタ無職◆Fl1oLLcgPU
なら遠距離武器が必要だな
というわけでamozonで買える最強の武器を用意した。まずこれを購入しろ
HILTI ヒルティ GX120 ガス式 鋲打機 ネイルガン 【並行輸入品】
いわゆるネイルガンって奴だ。このモデルなら片手でモテるし、軽い
それでいて、3mmの太径釘で鉄板するぶちぬく貫通力だ。射程は2メートルちょいだが、連射もできる
普通は押し当てないと釘が出ない安全装置付きだちょっといじれば飛ばせるようになる
URLはあとで貼っとくぜ
242:1◆0UYgwhZXLvwt
釘打ち機か…それならエアガンのほうが
243:ミリオタ無職◆Fl1oLLcgPU
エアガンとかなめてんの? あんなの規制入って1J以下にパワーが押さえられているんだぜ
それに比べて、HILTI ヒルティ GX120の、パワーはなんと100J。百倍だよ百倍
どれくらいやべえかっていうと、単純な威力なら小口径の拳銃弾.22ショートを上回る
これ、人間の頭蓋骨とか軽く穴あけるから取り扱いに注意な
それが連射し放題、片手でもてる。こんなもん買えるamozonが怖えよ
244:1◆0UYgwhZXLvwt
拳銃並の威力で、連射が効く。ごくりっ。それがあれば俺でも戦えそうだ
245:ミリオタ無職◆Fl1oLLcgPU
それがメインウエポンだ。ガス式だからガス切れには注意な。念のためサブウェポンでナイフもっとけ
オンタリオ 18” ミリタリーマチェット 18
こいつはすげえぜ。素材のカーボン合金がいい。まず錆びないし欠けない。手入れが楽だ
最新素材だから丈夫で切れ味も抜群、戦闘以外にも邪魔な枝を払いのけたり便利だ。実績もあり。こいつはアメリカ陸軍の御用達だ。これ以上信頼できる言葉があるか?
246:1◆0UYgwhZXLvwt
やばい、黒い刀身かっこいい。それにでかいな。もうこれナイフじゃなくて鉈だな
247:ミリオタ無職◆Fl1oLLcgPU
見た目の割にカーボンで軽いから安心しろ。600グラム程度だよ
もし、中世にこんなもんがあったら魔剣って言われただろうな
あとは防刃チョッキだ
ここに来るような連中に体力があるとは思えない。でもこいつなら軽くて防御力が高い
特殊繊維で刃が通らねえし、衝撃吸収能力も高い。科学が産んだ最高の鎧だぜ
【DEEPEYES】 ナイフ・包丁・刃物から身を守る 高密度ポリエチレンファイバー 防刃ベスト 防刃チョッキ&防刃手袋 セット
このメーカーも軍に卸してるメーカーだから信用できるぜ
248:1◆0UYgwhZXLvwt
ありがとう全部買ってみるよ!
◇
「マユキ、なんかいける気がしてきた」
「……なんか、ユウ、怖い顔してるの」
マユキがささっと距離をとる。
そんな中、俺はさっそくamozonで商品をポチる。
釘打機に、鉈、それから防刃チョッキ。
女神の言うとおり、買ったその場で商品がやってきた。
やばい、テンションがあがる。
その場で俺は全てを身につけた。
右手には釘打機、左手には鉈、そして防刃チョッキをきっちりと着込んだ。
軽くポーズを取る、なんか行ける気がする。
「せっかくだから、この勇姿をみんなに見せてくるよ」
「それ、やめたほうがいい。絶対後悔する」
そんな言葉をガン無視して、掲示板で実況を開始する旨を書き込み始めた
◇
263:1◆0UYgwhZXLvwt
さっそく、来てみた。女神様が、異世界にいる間は買ったその場で商品が届く超プレミアム会員って言ってたけど、本当みたい、すぐに商品が届いたよ!
俺の勇姿を見てくれ、いつものチャンネルで実況してる!
◇
実況を開始する。
画面にはキメ顔の俺と美少女姿のマユキが居た。
「みんな、見てくれ。さっき掲示板でもらったアイテムを装備してみた」
『うわぁ、ドン引きですわ』
『完全にテロリスト』
『おまわりさんこちらです』
『なんか、リアルに殺意が溢れすぎて逆に怖い』
『だよな、ファンタジー感ゼロでワロス』
あれ、おかしい。もっと称賛コメントが溢れると思ったのに。
「見てくれ、これならどんな魔物でも勝てそうじゃないか?」
『まあ、ゴブリン程度なら』
『オークなら無理ゲーなレベル』
『そんなに散財して大丈夫? amozonで商品を買える設定だけど、地球の金って補充する術がないから使い切ったら終わりじゃね?』
『ちょっ、おま、唯一のチートが終了寸前wwww』
そのコメントを見て顔が真っ青になる。
確かに、こっちで金を稼げても地球の金がなければいずれ、amozonで買い物ができなくなる。
「なあ、マユキ。こっちで稼いだお金を、amozonの支払いに使ったり、俺の口座に送ったりするチートってある?」
おそるおそろ問いかける。
すると、マユキが首をぶんぶんと振った。
「そんなものはないの」
『そんなwwものはないのwww』
『>>1終了のお知らせwww』
『限れれた資金を釘打ち機に使う>>1wwwww』
『英雄がこれとか、世界終わったww』
『女神様、こいつダメです! はやく代わりに俺を連れて行って!!』
コメントが一気に盛り上がる。
やばい、どうしよう。やっと戦えると思ったのに。
amozonなしで、遊び人な俺は戦えない。
なにか、なにか方法はないか……。
あるじゃないか。
「俺はユーチューバーになって稼ぎまくる。ユーチューバーで稼いだ金で、amozonで買い物して無双する」
ユーチューバーとは、動画をアップして再生数に応じて広告費をもらう連中の総称だ。それで食ってる奴がいる。
昔は挫折したが、リアル異世界ならがんがん再生数を稼げる。
そうだ、それしかない。
異世界実況、確実に客がたくさん来る!!
「マユキは応援してる。とりえあず、戦えそうになって嬉しい」
『異世界に来てユーチューバーwww』
『あかん、この人、好きになっちゃう。一周回って面白い』
『いや、けどこのクオリティなら再生数あがると思うよ』
コメント欄は、まさに賛否両論なようだ。
なら、ここで一つ仕掛けをしよう。
「マユキ、このあたりに魔物はいるか?」
「うん、いる。女神様が、弱い魔物がいるところに飛ばしてくれた」
「敵を倒せばレベルがあがるんだな」
「そう、敵を倒して経験値をもらってレベルがあがれば強くなる」
「なら、簡単だ。俺はこれから、この装備で魔物を狩る。そこを実況中継をする。昼飯を食ったらモンスター討伐実況だ! 二時間後に始めるから拡散頼む!」
『>>1無茶しやがって』
『キツネ耳美少女で半分異世界って信じたけど、魔物討伐とかやったら本気で俺信じるかもしれない』
『釘打ち機片手に魔物に挑む>>1。ごくり』
『おまえが、死んだら俺がマユキちゃんを守ってやるから安心して逝ってこい』
そうして、俺はamozonで使える資金を確保するため、そしてamozonで購入した武器が使えるか試すため、なによりも強くなるために、魔物討伐実況をすることになった。
作中に登場するものは全てリアル某密林で購入できます
気になったら、検索してみてくれ!
今回の登場した商品
・HILTI ヒルティ GX120 ガス式 鋲打機 ネイルガン 【並行輸入品】
・オンタリオ 18” ミリタリーマチェット 18
・【DEEPEYES】 ナイフ・包丁・刃物から身を守る 高密度ポリエチレンファイバー 防刃ベスト 防刃チョッキ&防刃手袋 セット
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