2016/5/6 3:37

借りたバイクで頂上ゴール!
借りたバイクで頂上ゴール!リタイア免れるために沿道の観客からビンテージMTBを借りてゴールまでは疾走!ザック・アリソンがまさかのバイクできっちりステージをコンプリート
緊急時の借り物競争は昔はよく見かけられた光景だが、昨今では機材が複雑化したことと、サポートが充実していることで極めて稀となっている。今シーズンは既にタイラー・ファラー(ディメンション・データ)が既に借り物自転車で完走を果たしているが、この時は沿道の観客から最先端ロードバイクを借りての走行だった。しかし今回のザック・アリソン(エレベート・プロサイクリングp/bバイシクルワールド)は、まさに異例中に異例、年代物のMTBで山岳ステージを完走してみせたのだ。
事の発端はワンワン落車だった。沿道から飛び出してきた犬が起因となり落車が発生、アリソンもそれに巻き込まれてしまう。すぐに起き上がりレースを続行したが、途中でリアディレーラーが完璧に使えなくなってしまった。ゴールまで残り4km、オーバータイムでの失格を免れるためにアリソンは躊躇なく歩いてゴールを目指したのだ。周囲にサポートカーもいなかったことで、結果的にはそれしか選択の余地がなかったのだ。そんな時沿道で目に止めたクラシカルなマウンテンバイクが目に止まったのだ。
「なんとかタイムカット(オーバータイムでの失格)になるまいと壊れた自転車を押して歩いていたら、沿道で82年式かな?の綺麗なスタンプジャンパー(スペシャライズドのクロモリフレーム)が目に止まったんだよ。だから僕の壊れたバイクを代わりに預けて、そのバイクを借りたんだよ。まあとはゆっくりとゴールを目指すだけだったよ。」アリソンはそうレース後に語った。
このバイクを借りたことで、アリソンはステージ優勝者から20分遅れでゴール、ステージ完走を果たしたのだ。
ルール状外部からのこういったアシストによる完走は問題ない。しかしそのことが不公平を生み出す可能性など、様々なケースが想定されるために沿道からのバイクを借りることを規制しようという声はあるのだ。しかしこういったドラマが生み出されたことで、ルール改変による制約や罰則を課すことは今のところなさそうだ。
沿道の観衆がレースの一部であると言われるように、このような思わぬドラマもまたレースの一部、やっぱりレースは面白い、そう思わせてくれるこんなハプニングも楽しみたいと思う。
H.Moulinette
事の発端はワンワン落車だった。沿道から飛び出してきた犬が起因となり落車が発生、アリソンもそれに巻き込まれてしまう。すぐに起き上がりレースを続行したが、途中でリアディレーラーが完璧に使えなくなってしまった。ゴールまで残り4km、オーバータイムでの失格を免れるためにアリソンは躊躇なく歩いてゴールを目指したのだ。周囲にサポートカーもいなかったことで、結果的にはそれしか選択の余地がなかったのだ。そんな時沿道で目に止めたクラシカルなマウンテンバイクが目に止まったのだ。
『まさかの借り物MTBでゴール (C)Zach Allison』 |
このバイクを借りたことで、アリソンはステージ優勝者から20分遅れでゴール、ステージ完走を果たしたのだ。
ルール状外部からのこういったアシストによる完走は問題ない。しかしそのことが不公平を生み出す可能性など、様々なケースが想定されるために沿道からのバイクを借りることを規制しようという声はあるのだ。しかしこういったドラマが生み出されたことで、ルール改変による制約や罰則を課すことは今のところなさそうだ。
沿道の観衆がレースの一部であると言われるように、このような思わぬドラマもまたレースの一部、やっぱりレースは面白い、そう思わせてくれるこんなハプニングも楽しみたいと思う。
H.Moulinette