96年にスペイン・バルセロナにわたり、13年間クラブの指導に携わり、2006年にはFCバルセロナの現地スクールにて唯一の外国人コーチとして12歳以下の子どもたちを指導した村松尚登氏。バルサ流の指導法を進化させ、日本のサッカーレベル向上のために著した『サッカー上達の科学~いやでも巧くなるトレーニングメソッド』が話題だ。
「ほんとうに巧い選手」に化ける全42トレーニングが記された本書の中から、スペインのサッカー観と日本のサッカー観の違いを述べた部分を特別公開する。
スペイン人にはない、日本人特有のメンタリティーとは?
日本の育成年代には、大きく分けて三つの指導法が求められています。
ひとつめは、サッカーの楽しさを伝える指導。言い換えれば「普及」という言葉があてはまるでしょうか。
底辺で言えば、学校体育や地域の少年団やサッカースクールには、サッカーにそれほど興味がない、興味はあるけどやったことがない、あるいは、巧くはないけど好きという子供たちが存在します。彼ら(の親)は、社交性や協調性を育むための一手段としてサッカーを考えていることも多く、「どれだけ巧くなるか」よりも「どれだけ楽しめるか」を期待しています。
その場合、指導者もまずは「楽しさ」を伝えることに努めなければなりません。「普及」という意味においては、とても重要なカテゴリーであることは間違いありません。
二つめは、部活動や町クラブのように、現有戦力のポテンシャルを最大限に引き出し、サッカーを楽しみながらも「結果」を求めようとするカテゴリーです。
子供たちのレベルにバラつきがあっても、できるかぎりの努力をして試合に勝ち、勝負の面白さを満喫しようとする。サッカーが好きで、できれば巧くなりたいと思う子供たちが集まる環境ですから、指導者も真剣に向き合い、チームを勝たせようとします。
以上、この二つのカテゴリーは、スペインにも共通して存在します。
三つめは、スペインにはない日本独自のカテゴリーです。それが、実力にかかわらず「飛躍的に成長したい」「プロになりたい」と本気で思う、日本人に特有のメンタリティーをもった〝個人〟に対する指導が求められるカテゴリーです。
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