温熱医療のメッカ、鳥取三朝温泉へいってきました。古くからある湯治場です。
伝説によれば1163年に発見されたという歴史的な温泉で、源義朝の家臣、大久保左馬之祐(さまのすけ)が源氏の再興を祈願し、三徳山三仏寺に赴いた折に命を救った白狼が夢枕に立って、楠の老木から湯が湧き出ていることを教えたといわれる。この湯が元湯の株湯である。
まじで古い。源泉中のラドン量は683.3マッヘ。マッヘという単位をはじめて知った。「周辺住民の癌による死亡率は全国平均の半分で、成分分析で通常の井戸水の8500倍もの放射線が検出」。なんかすごい。放射線ってなんだろうと考えてしまいますね。
お湯は無色透明、口に含んでも飲みやすく、肌あたりやわらか。でも熱い。ラドン温泉はすぐのぼせるので用心しいしい入るのがよろしゅうございます。わたしは温泉へいってもだいたい一度入って終わりなんだけれど、三朝では一日に何度も入っちゃった。
お宿はこちら。
昔からのお宿で目新しい設備はないけれど、手入れが行き届いて清潔でなんとも気持ちのいいお宿であった。それで素泊まり5000円からですよ。穴場ですよ。
宿の中庭を囲むように建てられており、どの部屋からも美しい日本庭園が見える。
庭の真ん中にはシンボルツリーの樅の木。池にカルガモがやってきて卵を孵し、コガモを連れ歩くこともあるのだそう。
カーテンが遮光じゃないことも個人的にポイント高い。小鳥の鳴き声とともに朝日がカーテンと障子をすかして入ってきて気持ちがよかった。
次の間にあるレトロな冷蔵庫。電気ポットはなく、仲居さんが頃合いをみて沸かし立てのお湯が入った魔法瓶を持ってきてくださる。
蛇口から温泉が出る。もう汲み放題、飲み放題。それどころか「ちょろちょろ出しっぱなしにして湯気を出してください、ホルミシス効果があって身体にいいです」と仲居さんが。そんなぜいたくな使い方をしていいんですか。
蛇口から温泉出るので部屋風呂でも温泉入り放題。これが思いの外便利。大浴場もいいけれど、部屋で気楽に出入りできるお風呂があるのは湯治向き。
三朝の温泉街
宿のレビューを読むと食事が美味しいと評判なのだけれど、量が多いので素泊まりにして、町に出て食事をする。橋のたもとの居酒屋茶田屋さん。
海鮮丼1000円。え!なにこれ!と思う美味しさであった。量はやや少な目。でもわたしたちにはちょうどよくて助かりました。
真摯な表情で料理を作るおやじさん。鉄板焼きも美味しそう。禁煙席がないのがたまに傷。でも居酒屋だからねえ。
細い路地に浴衣姿の湯治客が往来する。
スマートボールやアナログパチンコの娯楽場。
高野豆腐の彫刻。いったい誰がなんのためにはじめたのかは読み落としました。
白狼が温泉へ導いたという伝説がある。狼も温泉すきか。
ここで温泉を汲んで飲める。ショーウィンドウには三朝温泉が舞台になった映画やドラマが。テルマエロマエにも登場しているとのこと。
朝はこの店でカレーを食べていた。料理もいいけど、漫画のラインナップがいい。残念ながら早く閉めちゃう。
朝ご飯
二度目の宿泊では朝食つきを選びました。盛りだくさんで食べきれない。「おにぎりにしていただけますか?」とお願いしたところ、「三朝はお米が美味しく、水もいいからご飯が美味しいんです」と快く応じてくださった。
宿のお米はこれではなかったけれど、三朝は米自慢だそう。メダカが住める水の田で育つお米なのね。
美味しゅうございました。帰路10時間ドライブをこれで乗り切った。
湯治効果
もちおはこの街と宿がものすごく気に入った。どのくらい気に入ったかというと、通院で一度福岡へ帰ったあと、三日後にまた予約を入れてトンボ返りで泊まりに行くくらい気に入った。奥さんがだいぶ運転がんばったらしいですよ。ええ。でもその甲斐あって旦那さん、ずいぶん元気になったんだって。ご飯が美味しく食べられるようになって、帰りはかなり旦那さんもハンドル握ってたそうです。たぶんまたきっと行きます。