【ソウル聯合ニュース】韓国の北京五輪競泳400メートル自由形金メダリスト、朴泰桓(パク・テファン)が、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定により8月のリオデジャネイロ五輪に出場できる可能性があるとの見方が出た。韓国の法律事務所「広場」の林成雨(イム・ソンウ)弁護士が4日、聯合ニュースとのインタビューで言及した。
朴はドーピング(禁止薬物使用)違反で国際水泳連盟(FINA)から1年6カ月の選手資格停止処分を受けた。処分は今年3月2日に終わったが、大韓体育会は処分終了後3年間は国家代表になれないと定めている。
国際仲裁に詳しい林氏は「世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の規程に基づき、朴はCASに仲裁を求めることができ、大韓体育会はその裁定に応じる義務がある」と指摘。CASの裁定を受け入れない場合、国際的な非難を受けることになるとした。
林氏はまた、「大韓体育会がWADAの処分とは別に国内で懲戒処分にしたのは、国際基準に背く明白な二重処罰だ」と述べた。大韓体育会の懲戒処分が無効の裁定を受ける蓋然性は高く、朴の国家代表資格を制約するのは誤りだとした。
大韓体育会は強硬姿勢を崩しておらず、朴の五輪出場の鍵はCASの裁定と韓国内での世論が握ることになる。
朴は先月下旬にリオ五輪の代表選抜大会を兼ねた国内大会で、出場した4種目すべてで優勝している。今月2日の記者会見では、「もう一度機会を与えてほしい」と大韓体育会に訴えた。
世論は朴の支持へと傾き始めているようだ。世論調査会社のリアルメーターが2日に全国の成人503人を対象にした調査で、「朴の五輪出場に賛成する」との意見が70.9%を占めた。