上田幸一、中島健、金子淳
2016年4月8日12時06分
山肌に引かれた、黒く焦げた筋――。鹿児島県上空で通信が途絶えた航空自衛隊機を捜索していた自衛隊のヘリコプターが8日早朝に発見したのは、白と赤のツートンの破片が散らばる無残な現場だった。
自衛隊はこの日夜明けから捜索を再開。午前6時半ごろ、自衛隊のヘリが高隈山系の御岳中腹にU125が墜落したとみられる痕跡を発見した。
朝日新聞記者も午前8時前、取材ヘリで上空から現場を見た。御岳頂上に向かう尾根の脇。緑色の山腹に黒い傷のようなものが数十メートルにわたって延びていた。
より近づくと、一部が深くえぐられていた。赤と白に塗り分けられた円柱形の部品や、縁がオレンジ色に塗られた翼のような部品などが散らばっている。
すぐ上には、航空自衛隊の救難ヘリUH60が低い高度で滞空していた。救難専門の空自隊員数人がワイヤで次々と地上に降下。尾根からふもとに向かって歩き、部品をよけたり、薄いシートで何かを包んだりしていた。カメラで現場を撮影する隊員もいた。
記者が現場上空にいたのは1時間ほど。その間、空自の救難固定翼機が高度を取って旋回し、他の救難ヘリも現場に現れた。
陸上自衛隊を中核とする地上捜索隊もこの日、捜索隊を編成。早朝に御岳山腹の鳴之尾(めいのお)牧場の捜索本部を出発し、一部が御岳中腹の現場で空自隊員らと合流した。また、空自の航空事故調査委員会のメンバー約20人も現場確認に向かった。取材に応じた調査官によると、機体の一部が見つかった現場を確認し、フライトレコーダーなどの回収をめざすという。「状況が分からないので、まだ原因調査には至らない」と話した。
収容された自衛隊員は自衛隊の輸送ヘリで鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋基地に運ばれた。ヘリは午前8時半ごろから続々と到着。白い防護服に身を包んだ人たちが毛布にくるんで担架で運び出す様子が見られた。(上田幸一、中島健、金子淳)
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