ソニー最新フラッグシップスマホ「Xperia Z4」の発表会をレポート!

既報通り、ソニーモバイルコミュニケーションズ(以下、ソニーモバイル)は20日、都内で「Xperiaスマートフォン新商品発表会」を開催し、同社のフラッグシップスマートフォン(スマホ)の最新モデル「Xperia Z4」を発表し、日本国内にて今夏以降に発売します。

特長は前機種「Xperia Z3」と同じ約5.2インチフルHD(1080×1920ドット)TFT液晶や3GB内蔵メモリー(RAM)、約2070万画素カメラなどの基本スペックやベースデザインはそのままに、新たに下り最大225MbpsのLTE UE Category 6に対応したほか、チップセットとしてQualcomm製64bit対応「MSM8994」(Snapdragon 810)を搭載し、OSも最新バージョン「Android 5.0.2(開発コード名:Lollipop)」を採用したところなど。

製品の詳細についてはすでにタッチ&トライの写真・動画レポートを公開しているので参考にしてもらうとして、今回は発表会のプレゼンテーション(プレゼン)や質疑応答で語られたXperia Z4や今後のXperiaシリーズの動向について写真を交えて紹介したいと思います。

150420_xperiaz4_02
プレゼンおよび質疑応答に登壇した代表取締役社長兼CEOの十時裕樹氏(左)およびデザイン・商品企画部門シニアバイスプレジデントの田嶋知一氏

まずはじめに登壇した十時氏は「現在スマホは最も多くの人が日常持ち歩いてる製品で、幅広い利用者との接点となっている。」とし、ソニーグループの中でもスマホが重要なポジションを担っていることを紹介し、さらに「(ソニモバの)商品の約9割をスマホが占めており、今後もスマホを発展させていく方針である。」と説明しました。

また、「現在でも21兆円規模のスマホ市場の中で、ソニーモバイルでは高付加価値製品をターゲットにし、ソニーグループを結集して新たな付加価値が与えられるような製品を開発・投入していく方針である。」とし、その中で「2013年にフラッグシップモデルとして『Xperia Z』を発売した。ソニーの技術を惜しみなくを入れてきた。そして、カメラからスマホを再定義した『Xperia Z1』を発売し、撮るだけでなく見ることにも注力した。続けて、2014年には4Kやデジタルノイズキャンセリングなどに対応させた『Xperia Z2』、ハイレゾ音源やスマホではじめて『PlayStation 4(以下、PS4)』と連携するなどのエンターテイメント(以下、エンタメ)機能を強化した『Xperia Z3』を投入してきた。」とこれまでの「Xperia Z」シリーズの歩みを紹介。

150420_xperiaz4_03 150420_xperiaz4_04

150420_xperiaz4_05 150420_xperiaz4_06
これまでのXperia Zシリーズの歩み

これらのXperia Zシリーズを受け継ぐ形で新しい最新機種としてXperia Z4を発表しました。十時氏は「Xperia Z4はシンプルで使いやすいデザインと快適性を備え、『カメラスマホ』として開発してきたXpeira Zシリーズをさらに進化させた『完成形』である。」と語った。

特長としてはフロントカメラの高画素化やさらなる広角化で自撮り(セルフィー)でもグループ撮影が可能になった点や「LDAC」による高音質なワイヤレスの音楽再生、日常生活をもっと楽しくするスマホだということです。

そして、十時氏は「Xperia Z4を夏以降、ソニーモバイルの重要市場である日本で発売する。」と紹介し、詳しい製品説明を田嶋氏から行なうとバトンタッチしました。

150420_xperiaz4_07 150420_xperiaz4_08
Zシリーズのひとつの完成形としてXperia Z4を発表

田嶋氏は「Xperia Z4は『Z』の名を冠した最新モデルで、スマホをカメラで再定義したモデルを乱暴だがカメラスマホと呼ぶと、カメラスマホを極めるのが最終形である。」とし、「カメラでコミュニケーション体験を楽しくできるのか、その答えを求めてこれまでXperia Zシリーズを進化させてきた。そのカメラスマホを極めるということで開発してきたXperia Zシリーズにおいてひとつの完成形がXperia Z4だ。」と語った。

続けて「常に究極を追い求めており、今回は車でいうとエンジン、つまり、プロセッサーを64bit対応のオクタコアCPUにした。これにより、段違いの快適性を得ており、次のステージの操作感が体験できる。」と紹介。さらに「最新のOSとしてもAndroid 5.0.2 Lollipopを採用し、Android 5.xの『マテリアルデザイン』を最大限に活用した上で、Xperiaのエッセンスを加えている。エッセンスはXperia Spiceとしてカラーパレットやアニメーションなどを6種類用意し、時間差で表示したり、コンテンツを横幅いっぱいに表示したり、大きなコンテンツヘッダーを採用したりしている。このように最新のチップセットの上で最新のOSを徹底的に作りこんだのがXperia Z4のプラットフォームだ。」と説明しました。

続けて細かな田嶋氏は個々の製品説明をデザインやカメラ、エンタメといったカテゴリーごとに説明していきました。これらについては製品レポートとかぶるのでそちらを参照してください。

150420_xperiaz4_09 150420_xperiaz4_10

150420_xperiaz4_11 150420_xperiaz4_12

150420_xperiaz4_13 150420_xperiaz4_14

150420_xperiaz4_15 150420_xperiaz4_16

150420_xperiaz4_17 150420_xperiaz4_18

150420_xperiaz4_19 150420_xperiaz4_20

150420_xperiaz4_21 150420_xperiaz4_22

150420_xperiaz4_23 150420_xperiaz4_24

150420_xperiaz4_25 150420_xperiaz4_26

150420_xperiaz4_27 150420_xperiaz4_28

150420_xperiaz4_29 150420_xperiaz4_30

150420_xperiaz4_31 150420_xperiaz4_32

150420_xperiaz4_33 150420_xperiaz4_34

150420_xperiaz4_35 150420_xperiaz4_36

150420_xperiaz4_37

そして、最後に田嶋氏も「Xperia Z4は現時点でのカメラスマホとしてのひとつ完成形。2月に発表したタブレット『Xperia Z4 Tablet』と合わせて究極の完成形だ。」とまとめてプレゼンを終えました。また、質疑応答では以下のような質問と回答がありました。

Q. 今回、Xperia Z4は夏以降に国内投入と発表しましたが、まず携帯電話会社から発売されることが考えられますが、それらに先立って発表した理由はどういったことなのでしょうか?
A. 2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2015(MWC 2015)」でフラッグシップスマホの発表を見送っったため、夏に発売することを考えると、このタイミングで発表するのが最適だと判断しました。

Q. 以前よりフラッグシップの間隔を年1回に見直すことを検討しているとしていましたが、今回はまだXperia Z3から半年で発表となりました。その点はどうなっているのでしょうか?
A. 基本的に中期的な大きな方針として年1回にもっていきたいと思っていますが、個別の携帯電話会社のニーズと個別の市場の動向に合わせています。

Q. これまではグローバルでの発表となっていましたが、今日は日本でのことしか発表されていません。Xperia Z4の海外展開はあるのでしょうか?
A. 一部海外での発売も検討しています。ただし、現時点で発表できる内容はなく、適切なタイミングで別途発表したいと思っています。

Q. スマホ市場においてハイエンドモデルに絞るということですが、そうなったときに絶対数が減ると思います。そのことで、数の優位性によって部品の調達コストが上がるなどが想定されますが、最先端のCPUの供給で不利になるなどはどう考えていますか?
Q. ハイエンドモデルというくくりではなく、付加価値帯に注力するという意味です。また、グローバルでは価格帯はバラエティーに飛んでおり、ラフに言うと、上半分がソニーモバイルが注力するカテゴリーだと考えています。また、数による不利益はソニーモバイルが注力するセグメントにおいては大きくは被らないであろうというのが現在の初期的な評価です。

Q. Xperia Z4を販売する携帯電話会社が決定していれば教えて欲しい。また、さきほどの質問でこのタイミングが最適だとありましたがどういう意味でしょうか?
Q. どこの携帯電話会社かというのは適切なタイミングで発表します。また、このタイミングというのはソニーモバイルとして準備が整ったという意味です。夏から発売すると考えると、このくらい前に先立って発表するのが良いと考えました。

Q. ソニーモバイルにおける国内市場の位置付けはどう考えているのでしょうか?また、携帯電話会社は未定とのことですが、2年前にNTTドコモのツートップ戦略がありましたが、発売する携帯電話会社を想像する場合にその辺も踏まえて良いのでしょうか?
Q. 日本市場は最も重要な市場だと思っています。また、2年縛りはソニーモバイルの経営戦略上でも、現在はXperiaの利用者が拡大しており、Xperiaから買い替えてもらえるユーザーが多くなっています。そのため、他のメーカーからの乗り換えなどの新規獲得よりも事業効率は良いので、新しいフラッグシップを選んでもらえるようなコミュニケーションを各携帯電話会社やユーザーと行っていきたいと思っています。

Q. 経営再建の中身について教えてください。4月に新しい年度がはじまりました。今期は赤字が残るという計画ですが、来年度以降の黒字化はどういう取り組みで実現するのでしょうか?
Q. トランスメーションはOPEXの削減、商品ポートフォリオの見直しなどで実現していきたいと思っています。また、注力していく、重要視しているのは中期的に商品力強化で、ソニーグループのユニークな技術を活用して、できるだけユニークなものを投入するのが最も重要な点だと考えています。

Q. グローバル展開の話がありましたが、一部で予定しているということですが、フラッグシップモデルのグローバル展開の意味付けについて教えてください。グローバルでフラッグシップモデルを出すというのは、以前は文字通り「グローバル」(全世界)という意味だったと思いますが、地域を絞るというグローバルとはどういうことでしょうか?ある程度、欧州や北米など、想定している地域をどこを指しているのか、また、市場が大きな中国での展開はあるのでしょうか?
A. ソニーモバイルではAPAC(アジア太平洋)や中南米は成長市場だと思っており、ソニーやXperiaブランドが強く、市場成長が見込める地域は積極的に展開していきたいと思っています。ただし、Xperia Z4については海外でどの地域で販売するかは検討中ですので、決定したらまた別途案内します。

Q. ソニーではスマホ市場においてどういうメーカーをめざしていくつもりなのでしょうか?現在はAppleとSamsungが強く、中国のXiaomiなども台頭してきています。
A. 戦い方は基本的な機能のところはさらに強化したいと思っており、スマホはすでに日常に浸透しているものなので、基本を丁寧に研ぎ澄ませていくことが最も大事なことだと思っています。これにさきほどの付加価値をどうプラスしていくか、この辺りで戦っていければと思っています。

Q. 5月以降実施されるSIMロック義務化について、夏の発売なので対象になると思いますが、メーカー側の受け止め方はどうなのでしょうか?
A. 見定めが難しいところがありますが、市場の動向を丁寧に注視していきたいと思っています。また、海外でも各通信事業者ともこれまでと同様に提携していきます。

記事執筆:memn0ck


■関連リンク
エスマックス(S-MAX)
エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
S-MAX - Facebookページ