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 仏自動車大手ルノーのカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)の報酬が高額だとして、筆頭株主の仏政府がルノー側に報酬水準の見直しを求めている。応じなければ、立法措置を検討すると圧力をかけており、ルノー側は対応を迫られている。

 4月末に開かれた株主総会で、ゴーン氏の2015年の報酬として約725万ユーロ(約8億9千万円)を支払う議案に対し、「高額すぎる」などとの批判が出て、採決では54%(議決権ベース)が反対。ロイター通信によると、仏政府も反対票を投じた。ただ、採決に拘束力はなく、ルノーの取締役会は株主総会後に、報酬委員会の提案に基づいて予定通りの額を支払うことを承認したと発表。15年の決算で純利益が約50%伸びた好業績を理由に挙げた。

 しかし、欧州メディアによると、マクロン仏経済相は3日の議会で「ルノーの取締役会は今後数週間のうちに集まり、(株主総会の)投票結果をよく考慮しなければならない。そうしなければ、我々は立法措置を取ることになるだろう」と述べ、ルノー側に再検討を求めた。立法措置の詳細は明らかにしなかったが、報酬についての採決に拘束力を持たせることなどが検討されるとみられる。