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闘病中の元選手、1日限定契約でベンチ入り

試合中、折茂武彦選手(左)らとともにベンチから戦況を見守る佐藤竜弥さん=札幌市豊平区で

友人らレバンガに働きかけ

 悪性リンパ腫を患う札幌市の中学校教諭、佐藤竜弥さん(38)が、バスケットボール男子ナショナルリーグ(NBL)のレバンガ北海道と1日限定の入団契約を結び、市内で2日夜にあった本拠地最終戦でベンチ入りを果たした。試合後、佐藤さんは「何としても病気に打ち勝ち、教壇に戻りたい」と語った。

 北海道江別市出身の佐藤さんは東海大四(現東海大札幌)高時代に18歳以下日本代表に選ばれた。日体大を経て中学の教員として働き、バスケも指導する傍ら、実業団チームの札幌市役所で長年プレーした。

 しかし昨春に発病し、休職。入退院を繰り返す中、プロ選手になることが夢だった佐藤さんを励まそうと、友人らがレバンガに働きかけ、NBLも特例措置として入団を認めた。

 4月20日に札幌市内で入団契約について記者会見した後も、佐藤さんは体調を崩して入院。試合当日も直前まで家で横になっていたというが、試合前の練習ではゴール下でボールを拾ったり、試合中はベンチから声援を送ったりして戦った。

 2人の息子ら家族や、勤務先の市立屯田中央中の教え子らも来場。母・園子さん(67)は「本人の夢のコートに立てたことをうれしく思う」と喜び、妻・沙織さん(33)は「(体調が)不安で仕方がなかったが、ベンチで試合モードに切り替わり、いつも以上に格好良く見えた。病気に負けないで一緒に頑張りましょう、と伝えたい」と話した。

 佐藤さんは「1日だけにもかかわらずメンバーが良くしてくれて、幸せ者だと思った。(ベンチ入りする姿を)我が子に見せられてうれしい。夢のような一日を過ごさせていただいた」と感謝した。

 レバンガの運営会社社長を兼ねる折茂武彦選手(45)は「病気と闘いつつもコートに立ったのは、同じバスケット人としてうれしい」と語り、桜井良太主将(33)は「竜弥さんはコートに立つことを目標にやってきた。自分たちは毎試合、コートに立つのが当たり前になっているが、そうではないと思ってやりたい」と話した。【江連能弘】

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