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<コボスタ>観覧車 回り巡ってまた笑顔を

観覧車の前で思い出を語る氏家さん=コボスタ宮城

 プロ野球東北楽天の本拠地・楽天Koboスタジアム宮城(コボスタ宮城、仙台市宮城野区)で3日、観覧車運行が始まった。観覧車は元々、昨年8月に閉園した仙台ハイランド(青葉区)の名物。野球場では国内初の観覧車として生まれ変わり、関係者は「お客さんの笑顔を乗せて回る姿が再び見られる」と感慨に浸った。
 青葉区の書店員氏家梨紗さん(24)は高校1年生だった2007年から仙台ハイランドで6年間アルバイト。切符のもぎりや、客の乗り降りを担当した当時を「青春の一ページ」と懐かしむ。
 市西部の山間部にあった遊園地を一望でき、子どもやカップルに人気があったという。「炎天下の立ち仕事は大変だったが、いい思い出。遠くから来園したお客さんとおしゃべりできて楽しかった」
 閉園後、海外に転売される話もあったのを、球団が球場の魅力を高める「ボールパーク化」の一環として買い取った。ゴンドラと駆動装置は新品だが、基本設計は継承。広島県の工場で支柱や骨組みを整備し、塗装した。
 約1年ぶりに観覧車を見た氏家さんは「色合いは変わったけど、ゴンドラも含めて形は同じ」と面影を見つけ、笑顔を見せた。
 仙台ハイランドは年間の来園者が10万人を割り込んでいたのに対し、コボスタ宮城は昨季66試合で観客140万人超を動員。観覧車が活躍する機会は増えそうで、「まだまだ頑張ってほしい」とエールを送る。
 運行初日は最長50分待ちとなり、2666人が楽しんだ。球団の担当者は「仙台、東北で親しまれてきた観覧車。今度は球場でファンに愛される存在になってほしい」と願いを込める。


2016年05月04日水曜日

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