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1日の顧客3名の帽子店は、ナゼ潰れないのか?

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日経ビジネス(2016年5月2日号)のネット上の再録記事に、川崎駅前の辻野帽子店が紹介されていたのを興味深く読みました(写真もサイトから)。賑やかな商店街に取り残されたような、閑古鳥の鳴く店内。一日の来店客は平均3名。しかし、潰れるどころか、経営は盤石だというのです。

その理由は、圧倒的な帽子の品揃えで競合相手がほとんどいないことにあります。東京帽子協会によると、この帽子店の品ぞろえと同じレベルのお店は、関東で3店しかないそうです。関東の1都6県の人口が4260万人ですから、1400万人の商圏を押さえていることになります。

実際、全国から帽子愛好家がわざわざやってくるそうで、顧客数は約500人。平均で年2回やってくるとして年1000人の来店数。だから1日の来店者は約3人となります。

わざわざお店にやってくるのは、店内でフィッティング(帽子のサイズ調整、かぶり方指導)サービスが受けられるからです。膨大な在庫を抱えて、お客様それぞれにピッタリフィットするサイズの帽子を提供できる。そして、そのかぶり方をマンツーマンで教えてくれる。その結果、客単価が3万円という高付加価値の帽子ビジネスが成立しているのです。

成長性は低いかもしれませんが、ファストファッションのような価格競争に巻き込まれることは無く、固定客が定期的に購入しますから収入は安定します。年間1000人で年商3000万円という安定したビジネスをブルーオーシャンで続けることができる訳です。

移り気な顧客を広告などでたくさん集めても売上は不安定です。少数でもロイヤリティの高い、高単価な顧客を持つことの方が安定した経営につながるのです。

駅前の一等地にあるこの手のお店の多くは、地主がやっている低収益ビジネスです。家賃を払う必要がなく、維持管理コストもかけない。しかも、商売というより趣味のためにやっているようなお店です。

辻野帽子店はそんなお店と似て非なるもの。少数の優良顧客を囲い込むというビジネスモデルは、特に個人でビジネスを立ち上げるような人にとって、見習うべきマーケティングモデルと言えます。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。

※このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年5月5日の記事から転載したものです。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログ

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