改憲ムード演出 意見書突出の神奈川

時代の正体 憲法特集

 憲法改正の実現を目指す保守系団体「日本会議」の後押しにより、全国の地方議会で次々と採択されている憲法改正の実現を求める意見書。なかでも県議会を含め17地方議会で採択された神奈川の突出ぶりが目を引く。日本会議が主導して設立した「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の県組織「憲法改正を実現する神奈川県民の会」事務総長の木上和高さん(69)は「神奈川方式」が奏功した結果だと胸を張る。その狙いは意見書提出という事実を残すことにこそある。

 「現時点では最良の内容。自民支持者だけでなく、多くの国民のご理解を得られると思っている」

 川崎市議会自民党会派の市議はそう胸を張った。

 昨年12月に「日本国憲法の三原則の下、国会における憲法論議の推進と国民的議論の喚起を求める意見書」を賛成多数で採択した。その3カ月前にも意見書案の提出が検討されたが、安全保障関連法案の審議を巡り護憲派が活動を活発化させており、反発を強めかねないとの指摘が公明など他会派からあり、見送っていた。

 意見書そのものにも慎重さがうかがえる。自民党の憲法改正草案に対し、立憲主義や基本的人権を軽視しているという反対の声が上がっているのが念頭にあったといい、表題と文面に「日本国憲法の三原則の下」が加えられた。市議は「改憲を求めているのではない。あくまで国民の議論を喚起することが目的」と念押しするように、言う。...

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