検証“ネット選挙”
“ネット選挙”解禁 新たなうねりも…
一方、ネット選挙が生み出したムーブメントもありました。
緑の党グリーンズジャパンの比例代表候補、ミュージシャンの三宅洋平さんです。
演説と音楽を融合させた、これまでにないスタイル。
訴えたのは、有権者の政治参加でした。
緑の党グリーンズジャパン 三宅洋平候補
「俺が一人でやるんじゃないよね。
俺を押し出した、みんながやること。」
無名にもかかわらず、数千人規模の聴衆を集めた三宅さん。
なぜ、支持は広がったのか。
多くの候補者が一方的に情報発信する中で、三宅さんは、選挙戦序盤から、有権者との対話に力を入れてきました。
最も有効なツールだと考えていたのが、手軽にやり取りができるツイッターです。
脱原発など、自分の主張に対して寄せられる声に、できるだけ早く返信するように心がけてきました。
少しでも時間ができれば、どこでもツイッターです。
緑の党グリーンズジャパン 三宅洋平候補
「思いが入っているやつは無視できないし、全ての空き時間は、ツイッターに費やしている。」
選挙戦中盤、三宅さん支持のうねりを起こしたのは、その主張に共感した有権者でした。
これは、三宅さんのプロフィールや、演説の動画などを集めた応援サイトです。
サイトを作ったのは、三宅さんのツイッターの読者、フォロワーの1人でした。
このサイトが、多くの人の目に留まることになります。
その広がりを、NHKのビッグデータ分析で見てみます。
最初に、このサイトの存在をツイッターで投稿したのは、およそ280人。
瞬く間に拡散し、1週間で88万人に届きました。
三宅さんを知った人たちは、さらに動きました。
演説の様子を、スマートフォンなどでネット中継したのです。
多いときは、15人以上が同時に中継し、数十万人が視聴したと、みられています。
その一方で、三宅陣営は、選挙運動に関して指摘を受ける場面もありました。
事前に承諾を得た有権者以外に、メールを送ったことが問題だとされたのです。
選挙戦最終日。
東京・渋谷で行われた演説には、多くの人たちが集まりました。
緑の党グリーンズジャパン 三宅洋平候補
「日本の参議院選挙から、世界の歴史を変えるんだよ。」
有権者が有権者を巻き込んだムーブメントは、最後まで広がり続けました。
緑の党グリーンズジャパン 三宅洋平候補
「みんなを巻き込んでいくために、ネットは、すごくいいツールになっている。
より全員が話し合いに参加できるために、とても必要な技術だったと思うし、これだけの人がついてきている。
これは新しい政治力なんで、それをしっかり組織化していく。」
緑の党グリーンズジャパン 三宅洋平候補
「みんな、本当にありがとうね。」
三宅さんが獲得した票は、17万7,000票。
当選はならなかったものの、比例代表で議席を獲得した政党では、当選圏内の得票でした。