ブレーキ痕なく…容疑者、意識障害か
神戸市中央区のJR三ノ宮駅北側で乗用車が暴走し、歩行者5人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反(過失致傷)の疑いで逮捕された無職、沢井国一容疑者(63)が「事故直前の記憶がなく、気付いたらぶつかっていた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。現場には車のブレーキをかけた形跡がなかったことも判明。兵庫県警は、沢井容疑者が運転中に体調不良で意識障害を起こし、暴走につながった可能性があるとみて調べる。
捜査関係者によると、沢井容疑者は過去に複数回、車で事故を起こしており、昨年も事故を起こしたが、今年4月に免許を更新していた。
神戸市中央区の沢井容疑者宅の近隣住民によると、沢井容疑者は数年前に「事故の後遺症で頭の手術をする」と話し、最近もふらつきながら歩いたり、つえをついたりしていた。また、「持病があり、通院していた」と供述しており、県警は受診している病院からも事情を聴く。
沢井容疑者は3日午前11時5分ごろ、駅北側で赤信号を無視して暴走。次々に歩行者をはね、うち親子2人をボンネットに乗せたまま約30メートルにわたって走行したとみられる。「はねたことは覚えていない」と話す一方で「申し訳ないことをした」と述べているという。【矢澤秀範、原田悠自】