<常磐道>バスと正面衝突 乗用車の母娘死亡
4日午後8時40分ごろ、福島県大熊町下野上の常磐自動車道常磐富岡―浪江インターチェンジ(IC)間で、同県広野町中央台、アルバイト店員秦丹丹さん(33)=中国籍=の乗用車と桜交通(白河市)の高速バス=乗客40人、小賀坂次男運転手(48)=が正面衝突した。秦さんと助手席にいた小学1年の長女熊田京佳さん(6)が死亡。バスの乗客ら計42人が軽いけがをした。
県警高速隊などによると、けがをしたのは高速バスの乗客全員と運転手、バスに接触した後続の乗用車を運転していた男性会社員(20)。死亡した秦さん親子は観光で訪れた宮城県内からの帰宅途中だった。
付近は片側1車線の対面通行で、上り線を走行していた乗用車が下り線に進入したとみられる。乗用車はバスに潜り込むような状態となって大破。バスはフロントガラスが壊れるなどした。高速隊が事故原因などを調べている。
現場は常磐富岡ICの北側約3キロで、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域。高速隊によると、空間放射線量は毎時1・9マイクロシーベルトで、バスの乗客らは事故発生から30分以内に救急車で運ばれるなどして現場を離れた。
高速バスは東京・池袋発相馬市役所行き。桜交通によると4日午後4時10分に池袋を出発し、午後10時10分に相馬市役所に到着予定だった。同社の担当者は「負傷された方への対応を優先させていきたい」と話した。
2016年05月05日木曜日