たばこ1箱3200円に=豪が増税、愛煙家は悲鳴 (時事通信) - Yahoo!ニュース
これは吸う気も起きんわ・・・
ただでさえ世界屈指の高さなのに
【シドニー時事】オーストラリア政府は3日発表した新年度予算案に、2017年から4年間、毎年12.5%ずつ税率を上げる大幅なたばこ増税を盛り込んだ。 25本入りの1箱が25豪ドル(約2000円)と、今でも世界屈指の高さだが、20年には40豪ドル(約3200円)になる。愛煙家からは悲鳴が上がっている。
そりゃ悲鳴を上げるのも無理はないさ。
ここでは日本とオーストラリアの平均賃金を比較しないと話が進まないので、まずはそこから。
賃金比較
オーストラリアの給料って高いって本当? | オーストラリアに移住してみたブログ
こちらを参照に。
オーストラリアの最低賃金は
- 正社員で時給16ドル37セント
- もしくは週で622ドル20セント(週38時間労働の場合)
※政府が定めた公式のもの、2013年12月の記事より
1ドル107円(H28/5/5時点)として、正社員の時給は1751円(小数点以下切り捨て)。この時点で日本よりもかなり高いことがわかる。
週で66575円(同)、1か月4週として月266301円。半分以下の月収で労働力を犬馬の如く使っている日本とは大違い。これから賃金も上昇していくのだから、単純に金額の差でいえばオーストラリアが高いと言える。
物価比較
こちらが参考。
※2014年、シドニーの物価をもとに1か月の生活費を試算したもの
こちらを信用するのであれば、月106000円で生活できるということになる。日本でもこれくらいの金額があれば車を持たない限り同じくらいの支出になるのではなかろうか。(豪では税金の支払いがどうなっているのか気になるが)
ということは、1か月の生活費は同水準でありながら、賃金は日本の2倍であるということが伺える。節制をしていれば、月に10万円の貯金も可能。日本からオーストラリアに出稼ぎにいく理由はここにあるのか。
物価は思ったより高くない。地域により差はあるようだが、コーラ1本が400円する!というのは少々誇張のある表現のようだ。
タバコ税増税は喫煙率を低下させる
以上のことから、やや物価の高いオーストラリアといえども1箱3200円のタバコというのがいかに高値かはおわかりいただけるだろう。極端に物価を2倍に換算したとしても、日本のタバコが900円になるとして、その3倍以上の値段がついてしまうということ。
ブーブー文句を垂れつつ、国民が選出した国会議員が立法した増税について根底を覆す行動は起こせず、甘んじて受け入れるのであろう。さて、この大増税が行われれば、喫煙者の数にどのような変化が生ずるかは、実は予測ができる。
1995年には1箱5豪ドルで、喫煙率は25%。その後の度重なる増税に加え、2012年には健康被害を警告する写真を箱に大きく表示させる規制を世界に先駆けて導入した効果もあり、現在では喫煙率は13%前後まで低下した。
健康被害を警告する広告は、喫煙者の不安を煽り余計に喫煙を促すという研究結果もある。ではなぜ喫煙率がここまで下がるのかというと、ほかでもない、値上げによる影響なのである。
タバコ税を上げてタバコ価格政策を実施することは、最も確実な需要抑制政策であり、青少年や低所得者層などのハイリスク集団に選択的に優位に働き、政策実行のためのコストがほとんどかからない。
『禁煙学』改定3版 249pより
端的にタバコ税増税は喫煙率を低下させるということ。
日本はタバコを売るために安くしている
- 日本のタバコ価格は国際的にも最安値の部類
- 若年層や低所得者層の喫煙抑制への効果にはほど遠い
- 2010年の増税による喫煙量低下は一時的
- 増税により安いタバコへの購買意欲が高まった
- 喫煙抑止効果を上げるには値上げが必要
※『禁煙学』改定3版 249pより
タバコを売るために税金を安くして利益を得るという構造が浮き彫りに。厚生労働省が音頭をとって受動喫煙防止や禁煙の普及啓発を行う傍ら、タバコが政治の世界にも影響を及ぼして増税に踏み切れないのであろうことは容易に想像できる。タバコ村が繁栄し続ける限りは、日本のタバコ税制は変わりそうにない。
オーストラリア並みにタバコ税を上げれば、喫煙率を下げることができるのにねぇ。