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韓国・加湿器殺菌剤で死者多数 ソウル大学獣医学部教授を拘束

05/05 00:41
韓国で、加湿器に使う殺菌剤が原因で、95人が死亡する事故が起こって、社会問題になっている。
韓国・ソウルで行われた、メーカー側の謝罪会見。
遺族代表は「遅すぎるんだ! お前は殺人者だ!」と、憤りをあらわにした。
メーカー側代表は「申し訳ございません」と謝罪した。
遺族や被害者らが詰めかけ、騒然とする会場。
そんな中、まさかの事態が起きた。
男性が、メーカー側の代表の首を、後ろから平手打ちした。
激しい怒りをぶつける女性たち。
遺族の女性は「うちの子が、集中治療室でどれほど苦しみながら死んだのか、わかりますか?」と詰め寄った。
発端は、5年前に発覚した、ある重大事故だった。
事故の原因は、イギリスに本社を持つ日用品メーカー、「オキシー・レキット・ベンキーザー」社が製造・販売した加湿器用の殺菌剤。
日本でも、農薬などに使われる有害物質が含まれ、加湿器を使用した妊婦や新生児らが、相次いで肺を損傷。
有害物質を吸い込んだことで、肺胞が硬くなる繊維化を起こし、死に至るケースもあるという。
日本呼吸器学会専門医の大谷義夫医学博士は「肺の繊維化といいますのは、肺胞で酸素と二酸化炭素を交換することが、できなくなってしまうんですね。加湿器を使うことによって、インフルエンザとか、風邪とかを予防することが多いでしょうから。お子様とか女性、特に妊婦さんとかが、加湿器を使う頻度が多くなって、有害な物質を吸入してしまった可能性が高い」と話した。
韓国政府は、これまでに、死者95人、負傷者126人を認定しているが、被害者団体は、1,500人以上が死傷していると主張している。
被害者の1人、ソンジュン君。
生後14カ月で肺に炎症を起こし、酸素呼吸器に頼らなければ生きていけない状況となった。
ソンジュン君の母親は「ほかの子が学校に行って、塾に行く時間に、ソンジュンは常に(家に)いなければならない。できることが何もなくてつらいです」と話した。
韓国のみで販売されていた、有害物質を含んだ殺菌剤。
2001年から10年にわたって販売され、健康被害が発覚するまでに、韓国聯合ニュースによると、450万個以上、売れたという。
子どもを持つソウル市民は、「店で購入を考えていたこともあったが、もし使っていたらどうなっていたのか、怖い」、「途中で使うのをやめたけど、あとで知って怖かった」と話した。
被害者の抗議活動や、政府の製品回収命令が出されたあとも、責任を認めなかったオキシー社。
しかし、当局の強制捜査などを経て、問題発覚から5年後、今回初めて謝罪した。
会見場には、車いすに乗り、酸素ボンベを抱えた被害者の少年の姿もあった。
オキシー社は「申し訳ございません」と謝罪した。
会見場を訪れた人は「本当に謝罪を待っていました。この時を5年間待っていました。なのに...、なぜ、こうなんですか」と訴えた。
遅すぎた謝罪。
そして、オキシー社をめぐっては、有害だと認識しながら販売し、発覚後に証拠を隠滅した疑いもあることから、韓国では、「家の中のセウォル号事件」と、やゆする声も上がっている。
韓国情勢にくわしい東京大学大学院の木宮正史教授は「会社側が、自分の製品と病気との因果関係について、大学の先生に、かなり有利な報告書を(書いて)もらうように、何らかの工作をしたというふうにいわれているんです。いわゆる安全ということに対する、ある種の不感症が、やはり企業体質としてかなりあったと」と話した。
韓国・聯合ニュースによると、韓国捜査当局は4日、殺菌剤の危険性を否定する実験結果を発表していた、ソウル大学獣医学部の教授を拘束、全容解明を進めている。

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