カナダの山火事 被害が拡大 1600棟焼失

8万人余りが避難を余儀なくされているカナダ西部の大規模な山火事は、発生から3日がたっても火の勢いが収まらず、これまでにおよそ1600棟の建物が焼失するなど被害が拡大しています。
カナダ西部アルバータ州のフォートマクマレーでは、今月1日に山火事が発生し、広い範囲に燃え広がっていて、すべての住民に当たるおよそ8万8000人が避難する事態となっています。
消防などが消火活動に当たっていますが、発生から3日がたっても、強風や乾燥のため火の勢いは収まっておらず、地元のメディアによりますと、これまでに東京ドームおよそ2100個分に当たる1万ヘクタールが焼け、住宅を含むおよそ1600棟の建物が焼失するなど被害が拡大しています。
これまでのところ、山火事による死傷者は出ていませんが、現地からの映像では、火が宿泊施設に燃え移ったり、住宅地のすぐそばまで迫ったりしている様子が分かります。
この地域は、原油を精製するオイルサンドの関連施設が集中する場所に近く、施設の一部は従業員を避難させるためすでに操業を縮小していて、生産への影響も懸念されています。
こうした状況を受けカナダのトルドー首相は4日、首都オタワで演説し、「短期的だけでなく、中長期的な支援をしていく」と述べ、地元州政府を全力で支援していく考えを示しました。