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【熊本地震】
熊本城は必ず完全修復できる! 匠の技を結集…「工事にかかってしまえば早いんですよ」
粟田さんの話を裏付けるように、築城当時からそのままの形で残っている「宇土櫓(うとやぐら)」は大きな被害を免れた。熊本城は1960(昭和35)年に天守閣を完成させているが、今回の地震で甚大な被害を受けたのは、この天守の屋根瓦や石垣なのだ。
粟田さんは「少なくとも復旧に10年はかかる」と予想する。
「インフラの復旧に行政は力を入れざるを得ないから文化財の修復というのは、一度に予算はつけられないでしょう。時間がかかるのは財政面の問題なのです」
そういう点では、日本財団が「熊本城の修復に」と使途を明確にして30億円の拠出を発表したのは、迅速な復旧という面で、大きな力となるかもしれない。
壊した方が安い!
「一から作り直す方が、直すよりは安いです」
そう断言したのは近畿地方の文化財といえば…というほど名の知られた建設会社のベテラン男性営業マン。
件の男性によれば、「使える材料は残す」「極力、建設された当時のまま復元」というのが大前提なのだという。
「どこどこ産の石瓦、長野の土と指定されれば、長野県まで同じ土を探しに行く。途方もない作業です」