日本や韓国の若者は10代から社畜確定!?若者の職業に関する意識調査の国際比較について

内閣府が行っている『青少年に関する調査研究』の中に『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(平成25年度)がありました。
この調査内の項目に『職業関係』があり、日本と諸外国の若者の職業に関しての意識調査結果がありましたので、簡単にまとめるとともに考察してみました。
『平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』(※第4章職業関係より一部抜粋)
◆調査対象国: 日本、韓国、アメリカ、英国、ドイツ、フランス、スウェーデン(計7か国)
◆調査対象者: 各国満 13 歳から満 29 歳までの男女
◆調査時期: 平成 25 年 11 月から 12 月までの間に実施
出典:内閣府
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1.職業に関する体験的活動

1-1.キャリア教育の効果
Q.実際に働く体験をしたり、起業(自分で企業を立ち上げること)の模擬体験をしたり、企業に勤める人から働くことについての講義を受けたりするなど、学校で行った職業に対する体験的活動は、現在の職業に就く際に(または今後就きたいと考えている職業を選ぶ際に)役に立ちましたか。この中から1つだけ選んでください。(回答は1つ)
※フルタイムで働いている人が対象(下記の表nはサンプル数)
《フルタイムで働いている人》(%)

《フルタイムでの就労意向がある、または希望する職種が決まっている人》(%)

日本の若者たちに学校教育などで行われていたキャリア教育の効果について聞いたところ、現在フルタイムで働いている人たちでは「役に立った」が 27.6%(「役に立った」+「どちらかといえば役に立った」)、フルタイム勤務の人以外で今後の就労意向や希望職種がある人たちでは 38.8%でした。
現在フルタイムで働いている人にとっての教育機関で行われるキャリア教育の効果を7か国比較で見てみると、「役に立った」と回答した人の割合は、56.7%のアメリカが最も高く、次いでドイツ、フランス、スウェーデン、英国、韓国、日本という結果でした。
日本の若者の中のフルタイムで働いている人にとって、キャリア教育の効果は他国に比べて低い傾向があります。あくまで主観的なものですが、他国と比べて日本のキャリア教育の内容の現場での実用性が低い可能性も否定できないのではないでしょうか。キャリア教育のプログラム内容をより将来の実用性に特化した内容にしていく必要があるのかもしれません。
一方、現在はフルタイムで働いていないが、今後フルタイムでの就労意向がある、または将来の希望する職種が決まっている人で、過去に受けてきたもしくは現在受けているキャリア教育が「役に立っている」(「役に立っている」+「どちらかといえば役に立っている」)と回答した人の割合についても、アメリカが51.7%と最も高く)、次いでドイツ、英国、フランス、日本、スウェーデン、韓国の順という結果でした。
現在フルタイムで働いている人に比べて全体的に数値が落ちていることが分かります。つまり、キャリア教育を受けたもしくは受けている人でまだフルタイムでの勤務経験がない人は、「役に立つのだろうか」と思っていてもいざフルタイムで働き始めると「役に立った」と感じる場合が多少あるということかも知れませんね。
いずれの場合も欧米諸国のキャリア教育の方が日本や韓国よりも若者に対しての満足度が高い傾向があります。
1-2.キャリア教育の受講意向
Q.実際に働く体験をしたり,起業(自分で企業を立ち上げること)の模擬体験をしたり,企業に勤める人から働くことについての講義を受けたりするなどの職業に関する体験的活動を学校で行ってみたい(みたかった)ですか。(回答は1つ)
※上の質問で「職業に関する体験的活動は行ったことがない」と回答した人が対象

今までキャリア教育を受けたことのない人に,職業に関する体験的活動を行ってみたいか(みたかったか)を聞いてみたところ、日本の若者の中では「はい」と回答した人の割合は 52.9%でした。
7か国比較で見ると、キャリア教育の受講意向(「はい」と回答)は、割合が上位のスウェーデンとドイツが8割台と高い水準になっていて、次いでアメリカ、英国、フランスは6割台、韓国と日本はもっとも低いグループで5割台となっていました。
日本の若者のキャリア教育の受講に対する意識は欧米諸国と比べて低いことがわかります。後述の調査結果の日本の若者の職場生活の満足度が他国と比べて低い傾向があるのも、準備段階での意識が低いために起きるミスマッチということが言えるのではないでしょうか。
いずれにせよ日本の若者に対し将来を見据えた意識改革やキャリア教育プログラムを実践していく必要があるのかもしれません。
また後述の転職に対する考え方では日本では欧米諸国と比べて、勤続年数を重視する傾向があります。こちらも、自身のキャリア形成や能力開発に対する意識との関係性がありそうですね。
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2.職場生活の満足度

2-1.職場生活の満足度
Q.あなたは、今の職場に満足していますか。(回答は1つ) ※就労者が対象

日本の若者について現在の職場生活への満足度を見てみると、「満足」が 46.1%(「満足」+「どちらかといえば満足」)でした。これは7か国の中では最低の割合です。
7か国比較で見てみると、日本以外は「満足」が半数を占めていて、「満足」と回答した人の割合はドイツ(79.3%)が最も高く、次いでアメリカ(72.2%)、英国(71.9%)、フランス(69.6%)、スウェーデン(69.3%)、韓国(55.3%)、日本(46.1%)という結果でした。
見方を変えれば日本の若者の職場に対する不満足度が高いということでもあり、先述の就労前のキャリア教育に対しての意識の低さでもあったように、綿密に将来設計をしないまま就職したために入社前後でのギャップが大きく不満に感じているということの表れでもないでしょうか。
またエクスペディアが2015年に調査した世界の有給休暇消化率は、ドイツ、フランス、英国(いずれも100%)、スウェーデン(83.4%)、アメリカ(73.3%)、日本(60.0%)、韓国(40.0%)の順でしたが、職場生活の満足度あるいは不満足度と強い相関関係がありそうですね。
出典:エクスペディア
3.仕事に対する考え方

3-1.職業選択の重視点
Q.仕事を選ぶ際にどのようなことを重視しますか。この中からいくつでも選んでください。(回答はいくつでも)

日本の若者が仕事を選ぶ際に重視することとしては、「収入」が 66.6%で最も高く、以下「仕事内容」(62.6%)、「労働時間」(51.7%)の順という結果でした。
7か国比較で見ると、日本以外の4か国(韓国、アメリカ、英国、ドイツ)でも「収入」が最も高く、フランスとスウェーデンでは「仕事内容」が最も高いという結果でした。
韓国、アメリカ、英国、ドイツでは、次いで「労働時間」が重視されていて、フランス及びスウェーデンでは「収入」が重視されています。
どの国でも「収入」がやはり重視されていますが、職場生活の満足度が高かったフランス、ドイツ、スウェーデンでは「仕事内容」「職場の雰囲気」「自分の好きなことや趣味を生かせること」が重視されている傾向があるのではないでしょうか。
一方、職場生活の満足度の低い日本や韓国では、「労働時間」や「通勤の便」が他国と比べて重要視されていないことも一因である可能性もありそうです。
つまり就職する際に本人への負担になりやすい「労働時間」や「通勤の便」を考慮した就職活動をしていないために、入社後に結局それらが負担になり不満に繋がっているということではないのかと考えられるのです。
一方で後述の転職に対する考え方では日本は「できるだけ転職せずに同じ職場で働きたい」という考えをもつ若者が多く、不満を我慢しながら働いている人の割合が他国と比べて多いではないかと考えられます。これについては韓国にも同様のことが言えます。
3-2.転職に対する考え方
Q. 転職については、様々な考え方があります。この中から、あなたの考えに近いものを1つだけ選んでください。(回答は1つ)

日本の若者に転職に対する考え方を聞いてみたところ、「できるだけ転職せずに同じ職場で働きたい」と回答した人の割合が 31.5%で最も高く、「職場に強い不満があれば、転職することもやむをえない」が 28.6%、「職場に不満があれば、転職する方がよい」が 14.2%となっていました。「つらくても転職せず、一生一つの職場で働き続けるべきである」という人は 4.8%でした。
7か国比較で見ると、韓国では日本と同様に「できるだけ転職せずに同じ職場で働きたい」が 43.7%で最も高いという結果でした。
一方、アメリカ、英国、フランスは「職場に強い不満があれば、転職することもやむをえない」、ドイツ、スウェーデンは「職場に不満があれば、転職する方がよい」と回答した人の割合が最も高いです。
上述の職場生活の満足度の低かった日本と韓国では「できるだけ転職せずに同じ職場で働きたい」の割合が高いです。つまり多少の不満があっても転職せずに同じ職場で働きたいという考えがあるために我慢せざるをえず、不満の根本的な原因が解決しない、従ってより一層不満に感じているという可能性もある、ということではないでしょうか。
日本や韓国での自殺率(10万人に対しての年間の自殺者数)は世界的にも高いです。不満を抱えながらも同じ職場で働き続けることで精神的に追い込まれているということの表れなのかもしれませんね。
出典:THE RICHST
しかしながら終身雇用が崩壊してきたとはいえ、一つの職場で働き続けるという考えの強い日本では不満を抱えながらでも働き続ける人は減らないのではないかとも感じます。
3-3.昇進・昇給の方法
Q. あなたは、どのような方法で昇進や昇給を決めるのが望ましいと思いますか。 この中から1つだけ選んでください。(回答は1つ)

日本の若者に昇進や昇給を決めるのに望ましい方法を聞いたところ、「勤務成績を中心に、多少勤続年数が加味される」と回答した人の割合が37.4%と最も高く、次いで「勤続年数を中心に、多少勤務成績が加味される」が 32.4%という結果でした。
7か国比較で見てみると、韓国では、「勤続年数を中心に、多少勤務成績が加味される」と回答した人の割合が48.5%と最も高いです。
一方、アメリカ、英国、ドイツ、フランス、スウェーデンでは、日本同様に「勤務成績を中心に、多少勤続年数が加味される」が最も高くなっています。
特に「できるだけ転職せずに同じ職場で働きたい」の割合がもっとも高い韓国では「勤続年数を中心に、多少勤務成績が加味される」の割合がもっとも高いのも頷けます。
逆に柔軟に転職するという考えの強い欧米諸国では、勤続年数ではなく勤務成績といった能力を重視する傾向があるのも納得できるのではないでしょうか。
日本や韓国と比べ欧米諸国では能力主義の傾向が強いために、先述の就労前のキャリア教育に対する意識が高いということにも繋がっていると考えられるのかもしれませんね。
以上、日本と諸外国の若者の職業に関しての意識調査結果についての簡単なまとめと考察についてでした。
調査対象は13歳~29歳の青少年に対する調査だったのですが、過労死が問題視されることもある社畜文化のある日本や韓国では、そんな青少年の頃から社畜文化の表れとも言える結果だったのではないでしょうか?
またこれから就職をする若者たちには他国の「職業選択の重視点」も参考にした上で、自分の理想とする将来像に向けた職業選択をすると良いのかもしれません。