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米グーグル、自動運転車でフィアット・クライスラーと提携

2016/5/4 6:09
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 【シリコンバレー=小川義也】米グーグルの持ち株会社アルファベットと欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は3日、自動運転車の開発で提携すると発表した。FCAが提供するミニバン100台にグーグルの自動運転システムを搭載。公道実験用車両の数を2倍以上に増やし、開発を加速する。2009年にスタートしたグーグルの自動運転車開発計画は、事業化に向けまた一歩前進する。

FCAはミニバンの「パシフィカ」をグーグルに提供する=写真はFCA提供

 グーグルが自動運転車の開発で、完成車メーカーと提携するのは初めて。ただ、FCAとの提携は独占的なものではなく、他の自動車メーカーと提携する可能性もある。

 グーグルは現在、トヨタ自動車の「レクサスRX450h」を改造した車両と自社設計した2人乗りのプロトタイプ合計70台を保有。これまでに150万マイル(約240万キロ)の公道走行実験を重ねてきた。

 FCAは年内にクライスラーのハイブリッドミニバン「パシフィカ」100台を提供。グーグルの自動運転システムを搭載するために必要な車両の改造にも協力する。

 グーグルの自動運転車開発プロジェクトを率いるジョン・クラフチック氏は、FCAとの提携により「(実用化に必要な)公道実験の走行距離を伸ばし、より多くの人に自動運転車の能力を知ってもらうことができる」と期待を示した。

 今回の提携が自動運転車の量産も視野に入れたものかどうかについては、両社ともコメントしていない。ただ、グーグルはかねて「自社で生産するつもりはない」と公言しており、FCAが市販車の開発・生産においても最有力のパートナーに浮上したのは間違いない。

 FCAはグーグルとの提携で自動運転車の開発競争における出遅れを一気に取り戻す狙いがある。FCAのセルジオ・マルキオーネ最高経営責任者(CEO)は米メディアに対し、グーグルをはじめとするIT企業は「敵ではなく、我々が次世代の自動車産業を形作るのを助けてくれる人々だ」と語った。

 ただ、自動運転システムは走行制御など車の中核技術に結びついている。自動運転車の「頭脳」を外部に依存することで、FCAがクルマ作りの主導権を失う恐れもある。トヨタはシリコンバレーに人工知能(AI)を開発する新会社を作り、自前で自動運転システムの開発を進めている。

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