小宮山亮磨
2016年4月24日03時00分
チェロ奏者の土田英順さん(79)=札幌市=が23日、東日本大震災の被災地を支援するコンサートを大崎市古川福沼1丁目で開いた。津波で犠牲になった女性の遺品だったチェロで約10曲を披露し、市民ら約170人が聴き入った。
日本フィルや札幌交響楽団の首席奏者を歴任した土田さんは、震災から1年半後に追悼公演で岩手県大船渡市を訪問。亡くなった高齢の女性宅で、ぼろぼろの状態で見つかったチェロを託された。3週間かけて修理し、チャリティー公演を続けてきた。
304回目となったこの日の公演では、バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」や「G線上のアリア」などのクラシックのほか、「もののけ姫」などを演奏した。
これまでに2800万円を超す義援金を集め、被災地の子どもに楽器を贈るなどしてきた。旅費や宿泊費はCDの売り上げなどでまかなってきたという。「復興が終わるまで続けるという気持ちでやっています。体がそれまで持たないけどね」と笑った。(小宮山亮磨)
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