辻健治
2016年3月26日03時00分
大田区議会は25日の本会議で、江東区と帰属を争っている東京湾の埋め立て地「中央防波堤」について、大田区への全島帰属を求める決議を全会一致で採択した。区側には早期解決に向け、地方自治法に基づいて調停を速やかに申請するよう求めた。
中央防波堤はお台場の南東沖にある埋め立て地で、北から内側埋立(うめたて)地、外側埋立処分場、新海面処分場に分かれる。現在の計画が進めば、合計で989万平方メートルが埋め立てられる。2020年東京五輪・パラリンピックでは埋め立て地の間に「海の森水上競技場」が整備され、ボートとカヌーの競技会場となる予定。大田区の松原忠義区長と江東区の山崎孝明区長は今月8日に面談し、東京五輪までに解決する方針で一致している。
決議文は、自治体の境界を巡る最高裁判例や、埋め立てられた海が大田区民の養殖のりの漁場だった歴史的経緯などを示し、「大田区に全島を帰属させることが解決としてふさわしい」などと主張している。松原区長は採択後、「40年以上解決されてこなかった問題が、いよいよ最終解決に向け、新たな局面を迎えた。全島帰属へ強い決意を胸に着実に取り組んでいく」と述べた。(辻健治)
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