日本の民主主義を破壊する国連NGOのロビー活動


 知事の国連人権理事会での演説に先立ちシンポジウムが開催され、翁長知事は20分ほどスピーチを行った。そのシンポジウムは、「市民外交センター」「反差別国際運動」が主催している。この2つの団体こそが沖縄県民の知らないところで、「沖縄県民は先住民だ」と働き続け国連に日本政府に勧告を出させた張本人である。市民外交センターの代表は自らシンポジウムでスピーチを行い、琉球国はかつて独立国だったがその自己決定権を日米両政府に無視されてきたということを偏った認識の歴史経緯を含めて主張している。

 ここで重大な問題がある。沖縄県民でもなく、沖縄県民に選ばれた代表でも無い人物が沖縄県の未来に重大な影響を与える場であたかも代表であるかのように発言していることである。そして、その活動が実際に国連に誤った認識を与え修正するのも大変な状況にまで持ち込まれてしまったことである。本来沖縄の未来が託されているのは沖縄県民の選挙によって選ばれた沖縄の政治家である。その政治家が全く知らないところで、「沖縄県民は先住民である」と国連に訴え続けてきた人たちがいるのである。更に問題なのは、沖縄県議会自民党会派が翁長知事に提出した要請文にかかれているように、「沖縄では、戦後70年にわたり、琉球人あるいは先住民として認定する県民運動は発生していない」。議論すら行われたことが無いのである。一体何の権限があって沖縄の未来を自らの妄想に浸って弄んでいるのか? 沖縄県民に対する最大の侮辱である。

沖縄人先住民認定の意図


 沖縄県民が先住民族だと認定されることについて、日本人の誇りを傷つけられるもしくは傷つけられるような違和感を感じる沖縄県民の方がほとんどだと思うが、中には「アイヌ民族と同じで困ることが無ければそれでもいいではないか」という方がいるかもしれない。それは、国連NGOが沖縄県民を先住民族と認定させることにこれだけこだわる本当の理由を知ることが重要である。

 反差別国際運動が2012年に国連人種差別撤廃委員会に提出した要請書の最後に重要な要請項目が書かれている。「日本政府が琉球沖縄人を先住民として正式に認識し、ILO169号を批准し励行することを要求すること」という一文である。ILO169号の正式名称は「独立国における原住民及び種族民に関する条約」である。この条約を日本政府に批准させるのが最終目的だと私は見ている。なぜならば、この条約には、先住民に対して土地の所有権及び占有権を認める条文や天然資源に対する権利を特別に保護する条文があるからだ。つまり、彼等の本当の目的はこの条文を根拠に米軍基地を撤去させ、沖縄の資源を日本から奪うことにあるのであり、琉球の人権などはどうでも良いのである。当然その背後には、北京や平壌の存在があり、条約批准後も翁長知事はそのリモコン操作によって日本政府と対立した行政を行うことになっていくであろう。

先住民認定危機の最大の回避策は沖縄県民の声


 では、このように崖っぷちに置かれた沖縄はどのようにして危機を脱出したらよいのか。そのヒントもILO169号にあった。第一条でこの条約の適用範囲について定義されている。

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第 一 条
1 この条約は、次の者について適用する。
 (a) 独立国における種族民で、その社会的、文化的及び経済的状態によりその国の共同社会の他の部類の者と区別され、かつ、その地位が、自己の慣習若しくは伝統により又は特別の法令によって全部又は一部規制されているもの
 (b) 独立国における人民で、征服、植民又は現在の国境の確立の時に当該国又は当該国が地理的に属する地域に居住していた住民の子孫であるため原住民とみなされ、かつ、法律上の地位のいかんを問わず、自己の社会的、経済的、文化的及び政治的制度の一部又は全部を保持しているもの
2 原住又は種族であるという自己認識は、この条約を適用する集団を決定する基本的な基準とみなされる。
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 詳細主張論拠はわからないが、国連NGOは琉球人は上記条文の(a)か(b)に該当すると主張していることがわかる。そのために、本来沖縄は琉球国ができる前から、DNA的にも信仰的にも文化的にも日本人と同じでもあるにもかかわらず、「独自の文化を持つ独立国だった」とか、本来は日本の方言であることが明らかであるにもかかわらず、「独自の言語である琉球語を失った。」と何度も同じ嘘を発信しつづけているのである。この歴史、考古学的議論は一つ一つ反論することは非常に骨が折れる。しかし、その反論をすることなく先住民族であることを明確に否定できることが書かれていた。「2 原住又は種族であるという自己認識は、この条約を適用する集団を決定する基本的な基準とみなされる。」とい一文である。(a)と(b)には種族民、先住民の定義が書かれているが、この条約を適用するかどうかを決める基準は歴史的事実ではなく自己認識だという。翁長知事がオール沖縄という言葉を使って日本政府と対立させたり、「イデオロギーではなくアイデンティティーで団結」という言葉を多用したのは、日本人と自己認識を見せる演出だったことがこの条文により明らかになった。
 
  では、沖縄県民には原住民や先住民としての自己認識をもっているのであろうか?どれだけ謙虚に考えても99%以上の沖縄県民は自分を日本人として認識している。よって、沖縄県民はこの条約の適用範囲では無いということはあきらかである。そうであるなら、2008年に国連の自由権規約委員会が2014年には国連人種差別撤廃委員会が日本政府に対して、沖縄県民を先住民と認定して、文化・言語の保護促進と土地の権利を認めるよう勧告を出したことは明確な誤りだということだ。要は、国連の勧告を取り消させるためには沖縄県民から国連に対して
 
(1)沖縄県民は日本人としての自己認識をもっているのであり種族民、先住民としての自己認識は持っていない
(2)日本政府への勧告は誤りである
(3)国連は早急に勧告の撤回を要求する

と要請すれば簡単に解決できるということである。
国連に送る文書は、英文で書く必要がるが最も効果的な送り先は、国連の人権高等弁務官だ。

住所は以下に示す。

<住所:国連人権高等弁務官 ザイド・フセイン(ヨルダン王子)>
HRH Price Zeid Ra'ad Al Hussein
United Nations High Commissioner for Human Rights
Palais des Nations
CH-1211 Geneva 10
Switzerland

メールアドレスで事務所送ることも出来る。

<一般の問い合わせ国際連合人権高等弁務官事務所>
InfoDesk@ohchr.org

 まずは、沖縄県民一人ひとりが沖縄県民は先住民ではなく日本人だという声をあげ、国連へ伝えることが重要である。次に、沖縄県議会、各市町村議会などで意見書を可決して国連に提出することだ。その際、反対する議員が数名現れる可能性があるが、それは日本人でない政治家の本性をあぶり出す踏み絵になるので沖縄の政治を清浄化するには有効であると考える。
 

沖縄の政治マスコミ正常化への反転攻勢の大チャンス


 私は今回の翁長知事の国連演説は沖縄の政治・マスコミの正常化への反転攻勢への最大のチャンスだと捉える。多くの沖縄県民は自らを日本人と考え日本人の一員として甲子園にも参加しオリンピックもワールドカップも応援している。ゆめゆめ、琉球人だが他に応援する国が無いからしょうがなく日本代表を応援しているという人は存在しない。頭のてっぺんからつま先まで日本人なのである。それにもかかわらず、琉球人を先住民だと国連に働きかけ、沖縄県民を地獄の底に突き落とそうとしてきた犯人を沖縄県民である私たちは看過するわけにも許すわけにもいかない。そして、それに加担して国連で演説を行った翁長知事も決して許すわけにはいかない。国連NGOが県内での議論やコンセンサスをつくる民主主義プロセスを一切無視して国連に働きかけた暴挙を許す訳にはいかない。

 これから、本当のオール沖縄と本当のオールジャパンで団結して力を合わせ、市民外交センター、反差別国際運動、島ぐるみ会議が水面下で進めてきた国連へのロビー活動を白日のもとに晒し、彼等には沖縄県民140万人が納得するようにしっかりその顛末を説明していただきたい。方法は県議会で追求する方法や沖縄の市民団体が要求するなどいろんな方法があるだろう。この行動こそが、地下に潜って沖縄問題を作り上げてきた根っこを除去することになるのだ。